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ハッピーバースデー! 8月☆
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【未知なる領域へ……】
広がる真白き大地へ、水平線と並行して一本の轍が刻まれている。誰が引いたか雪原を横切る境界線を一歩踏み越えた瞬間から、世界を満たしていた純白はいくばくかくすみ始め、雪は泥まじりとなり、歩めば歩むほど靴は汚れ重たくなってゆく。かつてはそのどこまでも広がる道行きが希望であったはずなのに、やがて先を見通せない不安に取って代わられる。
ようするにそのようなものだ。三十路になるということは。まあイメージの具体性は人によりけりであろうが、少なくとも
深林 真瞭
にとって今年の誕生日の訪れは必ずしも心躍るものとはならなかった。
『真瞭ー! 二十代と永遠にお別れだね☆ おめでとー!』
「……いきなりご挨拶じゃない、佳蓮。ありがと」
スマホのむこう、由良 佳蓮はからからと笑う。
ピアニストとして活動する佳蓮は芸大以来の気の置けない友人だが、普段は好ましいはずのさっぱりとした明るさが、今日のいささかナイーブな真瞭を刺激した。
とはいえ昼間は無心に練習へ入れ込み、言いようのない不安を払拭しようという無駄な試みが空回りする中での電話だったから、仕方のないところではある。佳蓮に罪はないのだ。
「そういうあなたも、今年は三十代突入じゃなかった?」
『私はまだ二ヶ月の余裕があるからね。ふふん』
「大した違いじゃないじゃないの。まったく……ふふっ」
もっともその声に、救われたところもあった。スマホが震えだす直前まで、真瞭は
去年の誕生日
のことを否応なく思いだしていたから。
その後は、彼女の息子の話題でひとしきり盛り上がる。友人に先んじて早々と結婚した彼女の、自分よりよほどに大人であることを思い知る。
次に会う約束をして電話を切ったところで、そろそろ時間が迫っていることに気が付いた。
ああ、まーちゃん。あなたはもう少しで、私より一足早く、未知の領域へ突入してしまうのね……。
などと失礼な思考が
深倉 理紗子
の頭をよぎるのは、本日もまた働きに働いて働きづめであったからだ。世は事程左様に医療従事者に冷たいものか。もう少しばかり手心を加えてくれても良いのではないかと思わないではないが、今日ばかりは愚痴は控えめにしておこうと思い直す。
(7時か。疲れたけど、早めに上がれて良かった)
今日は特別な一日なのだ。約束まで小一時間ほど、ちょうどいい頃合いだろう。
当直医への引継ぎを済ませ、手早く帰り支度をして寝子島総合病院を後にする。その足でシーサイドタウンのお気に入りのケーキ屋へ。
「ご予約の深倉さまですね。商品、こちらになります。メッセージカードの文面はこちらでよろしいですか?」
「わあ、かわいい……! はい、大丈夫です」
バースデーケーキの出来ばえにいたく感激し、ついでにワインを一本購入して店を出る。
沈みかけの太陽のオレンジが目を射し、ぬるめの風が理紗子の頬を撫でる。暑さもいくらかやわらぎ、歩くのが心地よい。
マンションに着くと、エントランスで呼び出すまでもなく、真瞭が待っていた。こちらを見つけるなりふわりと顔をほころばせた彼女へ、理紗子は満面の笑みに乗せて言葉を贈った。
「まーちゃん、お誕生日おめでとう!」
去年は親友とのすれ違いがもとで、馬鹿なことをしたと思う。真瞭の後悔は激しく深かったし、理紗子も傷ついた。しばし気まずい期間を過ごし、心は遠ざかり、二度と近づくことはないのではないかと錯覚し、互いに恐怖を覚えた。真瞭の誕生日だってお祝いできなかった。
そんな二人が今、真瞭のマンションで、きらきらと輝くようなバースデーケーキを前に向かい合っている。こんな幸福があるだろうか。
「見てみて。これ、桃のレアチーズなの」
「あら、かわいい! 美味しそう……そっか、桃が旬だものね」
「そうそう。これも桃のワインなのよ」
「透きとおって綺麗なピンク色ね。ありがと、りさちん。嬉しいわ」
理紗子があらためて誕生日おめでとうと告げ、グラスをちりんと鳴らし、甘い桃色を口にふくむ。フルーティーな香りが鼻を抜け、胸の奥に積もったわだかまりも日常に感じる鬱屈した思いも、すべて追いやってくれるように感じた。すっきりとクリアになった頭で、くもりのない目で親友同士見つめ合い、くすりと笑い合った。
ケーキにフォークを入れて口へはこぶと、白桃のすっきりとした甘さをクリームチーズとラズベリージャムのビスケット生地が引き立て、実にさわやかだ。ワインともあわせて、夏の暑さが逃げ出すような清涼感に包まれる。
楽しめば楽しむほど、幸せにひたればひたるほど、遠ざかっていた時期がうつろに思えた。しかしそんな後悔も、他愛のないことで声を上げて笑い合うたび霧消し、新しい幸福として昇華されてゆく。
時が経つのも早く感じる。
「あ、もうこんな時間。りさちん、今日は泊まって行くでしょ?」
「うん、そうしようかな。シャワー借りていい?」
「ええ、もちろん。ねえ、りさちん?」
くるり振り向いた親友へ、真瞭は太陽みたいにまぶしく笑む。
「12月は、りさちんの誕生日、いっしょにお祝いしようね」
親友の変わらぬ思いやりに、理紗子の微笑みはまるで花咲くよう。
「うん。私もすぐに追いつくから、それまで待っていてね」
同じ年齢であることに、特別な意味を感じた。どこまでもお互い、近しくありたかった。離れていたひと時の反動だろうか。
二人はその夜、同じベッドでぴたりくっつきあって眠った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年05月05日
参加申し込みの期限
2022年05月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年05月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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