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今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~2
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◆
三毛谷 道哉
の場合。
夏の浜辺は涼しくていい。
潮風に帽子の下で前髪を震わせながら、道哉は思う。
この数百年で人間の文明の発展とともに陸は目覚ましく変化を遂げ、その移ろいを見守ってきた。だが、その間もここから見る景色だけは変わらなかった。
激動の時代と言われる時代においても変わらず、そして古びたりもしないもの。それが海だ。
「……海の彼方には、全ての魂の還る場所がある、という話があったな。あれは、今の私のように感じた者が残した物語なのかもしれないな」
ふと、そんなことを思う。
人は常に変化を求めてとどまるところを知らず、精力的に勢力地を広げていったが、そうして人生の最後には安らぎを求め、変わらぬものに心の平穏を見いだす。たとえそれが幻想にすぎないと思いながらも。
「ふふ。人の想像力には目を瞠る」
しかもあながち間違いというわけでもない。この世界にはどう頑張ったところで人の身では行き着けない場所は存在する。
それが人という種の侮れないところでもあるが……それを変わらぬ海に感じて、探し求めるというのはろまん以外何ものでもないだろう。
そういったところで、人に魅力を感じるのかもしれないな、とも思う。
まあ、それはそれとして。
「せっかくここまで足を運んだのだから、何かきれいな貝殻か形のよい流木でも拾っていこうか」
海辺の土産物売り場では、旅の思い出としてそういった土地物がよく売れる。寝子島でもそれは同じで、そういった観光客には特に持ち運びしやすく部屋で飾りやすい小物が人気だった。
その他にも、それらを加工して販売する作家がいる。探しに行く手間がはぶけるからと、旧市街にある手芸教室や、とある雑貨店の作家からは、いい物が見つかったら買い取るとの声も掛けられていた。
不定期で開催される、ふりーまーけっとでもよく売れるし。何かと金欠な道哉には恵みの場所である。
「ふふふん~♪」
鼻歌まじりに打ち上げられて乾いた流木たちの中から形のよい物を見繕っていると、折り重なった流木の影で何かがきらりと光って道哉の目を引いた。
「おや、これは……」
半分砂に埋もれたそれをつまみ上げる。
「しーぐらす、といったかな」
元はただのガラスだが、波に洗われて角がなくなって指触りが良くなったそれは、女性に好まれてよく売れる。
「しかもこれは……猫の目のようじゃないか?」
海水で洗って、月にかざして確認してみた。
濡れて透明になったガラスの中には、わずかな水泡と一緒に、道のような緑の線が確かにあった。
「うん、猫の目に見えるな。
そういえば、この海岸にまつわるおとぎ話の一つに、そういった物が出てくるものがあったような……」
うーん、と記憶を探ること数分。ぽん、と手を打つ。
「そうそう。月猫の涙だ」
一つ思い出すと、残りもするする出てきた。
「あの話も、なかなかろまんちっくだったねぇ」
おとぎ話は、意外と真実から生まれることが多い。一部か、全部か、それとも別の何かから変化したものか。そう考えるとなかなかに興味深い。
「これもすぐ売れそうだ」
きれいな形をしているし、目の部分もあざやかでぼやけていない、と手の中で転がすことしばし。
このガラスにまつわる話があると思うと、簡単に手放すのはもったいない気もする。
人気があってすぐ売れる品とはいえ、希少価値があって高値で売買というわけでもないし。迷うのならやめておいたほうがいいのでは、と思うのだ。
「金銭ではない、他の方面で価値ある品というのは、純粋に望んでくれる誰かの元へいくべきだろう」
声に出して、明確に言葉にすることで、その正しさを実感した。
月夜の波打ち際で、猫の目シーグラス探しをしている若い母親と幼稚園くらいの娘がいた。
子ども用のピンク色をしたプラスチックの熊手で、娘が楽しそうに濡れた砂を引っ掻いている。だが幼い娘の掘り返す力は弱く、砂を掻いているのはもっぱら脇から手を出す母親のスコップだった。
「ねこのめしーぐらす、みつかったら、ねがいごとが、かなうんだって」
娘はうきうきとした表情で何度も言う。
「みーちゃん、かえってきてくれるよねぇ」
との娘の言葉に母親は一瞬言葉に詰まり、「……そうね」とあいまいに濁った言葉を返す。しかし幼い娘はそんな機微には気付かずに、ふんふんと幼稚園で教わった歌を口ずさみながらにじみ出てきた海水の中に手を突っ込み、穴の中をまさぐる。
――ぽちゃん。
水が跳ねる音を立てて、何かが穴に落ちた。
「……猫……?」
母親は、まるで最初からそうしていたように、穴の前にちょこんと座った三毛猫に、目をぱちぱちさせる。
(今、何か猫がくわえてたのを落としたみたいだけど……)
まさかと思う間もなく。
「あー! あったー!」
俯いていた娘がいきなり叫んだと思ったら手を引っ張り出して振り向き、後ろの母親に握り締めた手のひらを開いて見せた。
「ねこのめしーぐらす。ね? おかーさん。そうでしょ?」
そして娘も座った三毛猫に気付いた。
三毛猫は娘の反応に満足した様子でペロリと舌を出して口元をなめ、背を向けて立ち去ろうとする。
「まって!」
引き止めようとしたのか、長い尻尾を娘がむんずとつかんだ。なにしろ幼い娘のすることなので力加減ができず、ぎゅっと握り締められた痛みに三毛猫はびくっと全身を硬直させる。
「まって、みーちゃん!」
三毛猫は振り向き、娘と目を合わせる。そのまま、じーっとしばらく見つめ合っていると、やがて娘の手の力が緩んだ。
尻尾をするりと抜いて、三毛猫はあらためて去って行く。
「おかーさん、みーちゃんとあえたよ! みーちゃん、げんきー」
「そうね。よかったわね」
うれしがる娘と、それを抱き締めているに違いない母親の姿を後ろに感じながら、三毛猫は悠々とその場から立ち去ったのだった。
寝子ヶ浜海岸の猫の目シーグラスに新たな伝説――見つかれば願い事が叶う――が追加されたことを酒の肴に道哉が聞くのは、その数日後のことである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年05月03日
参加申し込みの期限
2022年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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