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今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~2
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◆
綾辻 綾花
と
早川 珪
の場合。
(今度こそ、青い猫の目シーグラスを見つけますよ!)
綾花は奮起して、懐中電灯を握り締める。
前に探しにきたとき、猫の目のシーグラスを見つけたけれど、それは青い色じゃなかった。今度は青い猫の目がほしいと思う。
時刻は18時を回っていたが、太陽はまだ西の水平線にあった。今はやりの歌を口ずさみながら、堤防に沿って歩いていく。
海岸へ降りる石段まであとどのくらいかな? 前方へ流した視界に
早川 珪
の姿を見て、綾花は驚きに足を止めた。
堤防に肘を乗せ、朱と金、紺などが複雑に入り混じった茜の空を見ている。
どうしてこんな所に……そう思いつつも、西日に照らされたその立ち姿につい見惚れていると、珪も彩花に気付いた。
「珪先生っ」
駆け寄る綾花を待って、珪は堤防から身を離す。
「こんな時間にどうした」
「先生こそ。びっくりしました」
「今日は友人と会っていてね。バスで帰っていたんだけど、夕日がきれいだろう? 少し寄り道しようと思ったんだよ」
「そうだったんですか。
私は、猫の目シーグラスを探そうと思ったんです。今日は、満月ですから」
「満月?」
「ご存じないですか?」
首を振る珪に、綾花は月猫の話を聞かせた。
「そうか。満月の夜にしか取れないというのなら、夜間外出もしかたないな」
満月の夜だけなんてあり得ない。そんなことは非現実的だ。安全な昼間に探しにきなさい、とは言わない珪に、綾花はうれしくなる。
「夜の海に一人は危険だからね。気をつけて、あまり波打ち際に近づかないように。それと、あまり遅くまでしないで、適当な時間になったら戻りなさい」
先生らしく注意の言葉をかけてくる珪を見て、綾花は思いきって言ってみた。
「珪先生、先生もよかったら一緒に探しませんか」
「ん?」というように首を傾げて綾花を見る珪に、勇気を出してさらにもう一歩。
「私……、珪先生と一緒に探せたら嬉しいです」
沈みかけた夕日に照らされた波打ち際を二人で歩きながら、思い切って言ってみてよかったと思った。
胸をどきどきさせながらとなりを歩く。
珪といると、こうして並んで歩くだけで胸がワルツを踊りだす。他の人では絶対に起こらない、特別な現象。
ああ。私、本当にこの人のことが好きなんだなあ、とあらためて実感して見上げると、ばちっと視線が合った。
あわてて目を前に戻す。
「け、珪先生は、月猫の話は信じてますか?」
その質問に、珪は海岸を見渡し。
「そんなことを訊くということは、綾辻さんは信じているんだね」
と聞き返してきた。
「はい」
綾花は即答する。
「本当に、とってもすてきなお話なんです。それに、満月の夜にしか見つからない猫の目シーグラスがあるのも、その証拠だと思っています。
だから今夜も、きっと見つかります」
意気込む綾花にくすっと笑い。珪はぽすんと綾花の頭に手を乗せた。
「そうか」
砂浜へ下りて。だんだん空の藍色が深まって暗さが増したことで、綾花は波の様子に気付いた。
「わあ。先生、海が青く光っています」
「夜光虫だな。大量発生したプランクトンがああして発光する」
「不思議……きれい」
青い光は、波と月の光の加減か、強く光ったあと急速に弱まったりと、明滅している。
綾花はサンダルを脱いで波打ち際に行き、足先に触れる海水をぱしゃぱしゃしてみた。まとわりつくように打ち寄せる波は、青い蛍光塗料を流したような沖とは違って透明だった。手ですくってみても、青くはない。
不思議で、しばらくそうしてすくったり、眺めていたりしていると。
「探さないのか」
と珪が言って、ここへ来た目的を思い出した。
「探します」
サンダルの横に下ろしてあったバケツを取りに戻る。そこでようやく気付いた。
「熊手を忘れちゃいました」
つい声に出してつぶやいていたそれが、となりの珪にも聞こえていたようで。くつりと笑う珪に、かあっと頬が熱くなった。
「でも大丈夫です! 砂はやわらかいので、手で掘れますからっ」
「そうだな」
失敗したなあ、と思いながら波打ち際に戻る。そして、猫の目シーグラスは月猫の涙だから、月に照らされてきれいに光る場所を探すことにした。
ここぞという場所でしゃがんで、素手で掘り始める。
そうしながらも、頭に浮かぶのはさっきの珪とのやりとりだ。
(もしかして、うっかり者だと思われてしまったでしょうか……)
そんなことを考えながら黙々と掘っていたら、バケツがカラランと音をたてた。そちらを振り向くと、珪がかがんで、何かをバケツに入れていた。
バケツを覗き込み、そこに巻き貝を見つける。
「わあ、貝殻」
濡れてキラキラ光るそれを取り出して見た。ほぼ完璧な形で、しかもエナメル質の所がパステルカラーをしている。
「きれい。
珪先生、ありがとうございますっ」
珪はうっすらとほほ笑み。
「また見つけたら拾ってこよう」
と離れていった。
だが綾花からそんなに距離を取ったりはしない。必ず視界に入る場所にいて、何か起きればすぐ駆けつけてこれる距離だ。
たとえそれが学生に対する教師の役目と思っているとしても、護ろうとしてくれているのだと思うとうれしい。
くすぐったい気持ちに体温がちょっと上がって、気持ちも上向いて。きゃー、とか思いながら砂を掘り進める。というか、穴になって、底から染み出てきた海水が手首まできているので、砂は柔らかくて、もう掘るというより指をもぐらせる感じだった。
ひんやりした海水と、さらさらした砂の感触が気持ちいい。広げて動かしていた指に、何かが触った。
これって、もしかして?
持ち上げて月の光にかざしてみると、きらっと光った。ガラスの中、うっすら猫の目の形をした色が見える。月の光でこんなふうに見えるなら、日の光の下で見たらもっとはっきり見えるだろう。
「先生! ありました! ほら!」
猫の目シーグラスを見つけられたのがうれしくて、彼に見せたくて。珪の元まで駆け寄った。
「ああ、確かに色が猫の目の形をしている。それに、綾辻さんが欲しがっていた青色だ」
綾花の掲げてくるシーグラスを見て、珪も「よかったな」と喜んでくれた。
「実は……これも見つかったんです」
と綾花は反対側の手に持っていた物を見せる。
「先生、もらってください」
大きくて形の良いほうを珪に差し出す。
「今日ご一緒していただいたお礼です」
「これが欲しくて探していたんじゃないのか?」
「私にはこれがありますから」
「それならもらっておこう」
珪は綾花の手からそれをつまんで受け取る。
綾花は自分のほうも指でつまんで、珪の持つ猫の目シーグラスと同じ高さで掲げた。
「見てください。ここ、同じ形で欠けてませんか」
台形の断面の一辺を、貼り合わせるように重ねてみると、ぴたりと合った。
「これって、元は1つだった物が割れたんじゃないでしょうか」
「ああ、そうかもしれないな」
そしてどちらも青い猫の目シーグラスになった。まるで月猫と寝子島が離れがたい一つのように。
(月猫が寝子島に会いに来てくれたみたいです)
猫の目シーグラスを見つめているとそんな光景が浮かんできて、綾花はうれしくなった。
「とってもきれい……」
先生が見つけてきてくれた貝殻と合わせて、アクセサリーにしてもいいかもしれない。そうしたらいつも持ち歩ける。
うきうきと弾む胸で綾花は月に透ける猫の目シーグラスを見つめ続けた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年05月03日
参加申し込みの期限
2022年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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