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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
モフれ！ 第３６回寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト！
●とれんどは水着にモフモフ？
ならぶ屋台の天幕からは、美味しそうな匂いが漂ってくる。
慌ただしく動き回るアルバイトたちの脚を縫って、ぽてぽてと一匹の三毛猫が顔を出す。
「かわいーい」
ビーチパラソルつきの丸テーブルで寝子まんま丼を食べていた三毛猫柄の水着の母娘が、猫に気付いて丼の上のしらすをつまんで鼻先に落した。猫はくんくん匂いを嗅いで、それを美味しそうに平らげる。
「にゃーあ」
「ママ、猫さんありがとうだって」
「ふふ。よかったわね」
三毛猫は母娘と別れて砂浜を歩いていく。
その正体は、猫又の三毛谷 道哉（猫の姿・尾は一本ver）であった。
（あ、友や知人は内緒だよ。私のことは）
道哉はちょっとだけ振り返ってウィンクで読者に目配せする。
（今日は猫の姿で満喫したい気分なんだ。お金を払わなくても海鮮丼のおこぼれを今日はもらいやすいしねぇ）
人間に化けて自分で買えば早いのだが、人からもらうご飯はまた別のうまさがある。
猫の気分というやつだ。
そうしておもらいさんをしながら歩いていると、大きなステージの前に来た。
出てくる人々はみな、だたの水着ではなくモフモフなけものを混ぜた姿だ。
（ほほう。また面白そうなことをやっているな。水着にモフモフがとれんどなのかねぇ）
齢１５１歳の道哉であるが、『とれんど』といったような最近の言葉も努めて学んでいる。
ステージには『ビーチ☆スターズコンテスト』の文字が見て取れた。
（こんてすと、というと競うアレだね。流石そこらにいる人より人目を惹く装いだ。『映え』と今風はいうんだったね。おや、あれは……？）
ステージ上に見知った猫仲間の顔を見つけて、道哉はよく見ようと首を伸ばした。
（――響の嬢ちゃんじゃないか。モフモフと水着とは面白い組み合わせだね。どういうモフモフさをみせてくれるか楽しみだね）
◇
「海原先輩に指名されたらしょうがないんだよ。それに副賞が『1/1スケール モフモフお三夜さま（サンマさん咥えバージョン）』だって？ お三夜好きのお友だちにプレゼントしたら喜ぶかな」
響 タルトは、ふふ、と顔を緩ませる。
テーマはけものということだが、それならタルトはお手の物だ。タルトのろっこん＜チェシャ猫＞は、水やお湯を被ると猫に、念じれば一部だけ猫耳・尻尾が生えた獣人に変身することができるのだ。
少しずつ水を被って、顔は人間のまま、猫耳猫尻尾を生やす。
手足の毛皮も自前だ。
「水着はもちろんビキニだよねっ☆ 体の肌は、優勝狙いだからあえて人間のままでいくかあ」
こうしてお猫様な水着娘に変じたタルトは、ノリノリでステージに出て行った。
「お三夜さまのためなら優勝狙っちゃうよ♪」
ステージに出ると、タルトは小走りで元気よく手を振った。
大きな瞳が猫っぽくて魅力的だ。
猫耳の生えたポニーテール髪はある種のフェチズムを掻き立てる。
身体は人間の姿をしているときよりずっと軽かった。
進化能力で猫が秀でている身体能力が強化された獣人になっているのだ。
「こんにちにゃーー！」
猫っぽい挨拶をすると、ノリのいい観客たちが「にゃー！」と返してくれる。
（ええと、次はたしかパフォーマンスだったよね。歌……は評判悪いんでやめとこう）
苦手は避けて、猫っぽくしなやかで、かわいらしいダンスパフォーマンスを披露することにする。
有名な猫のミュージカルのような気分で、四つん這いからぐうっと背筋をしならせて、猫の動きを再現する。
「にゃーっ」
そこから獣人の力で高くジャンプし、尻尾を猫じゃらしみたいに振ってじゃれ合いを演じる。
あの尻尾、すごくリアル！
そんな観客席の囁き声を、耳をぴくつかせて聞いた。
（でしょ、でしょー？ だって本物だもん☆）
猫っぽい顔洗いポーズでモフモフの手で顔を擦ると、ちょうど目線の先に見知った三毛猫の姿を捉える。
（あっ。三毛谷さんだ。今日は完全に猫モードなんだね）
タルトは道哉の山高帽に和服をきた青年の姿も、三毛猫の姿も両方を知っている。
彼のあわいタンポポ色の瞳が物珍しそうにくるくる輝いて、応援してくれているのがわかったので、タルトは猫っぽく尻尾を振ってありがとうを伝える。
「優勝はもらうよ！ モフニャーーー！」
ぱちん、とキュートにウインクを決めて。
タルトは登場のときと同じように元気な小走りでステージを降りた。
（響の嬢ちゃん、水着のせいか今日は大人っぽかったねぇ）
肉球で髭を撫でる。
一方で、遊びとはわかっていてもこうも思ってしまう。
（みんな頑張ってもらいたいが優劣が決まるのは少し心苦しいねぇ）
友人の雄姿は見たし、おもらいさんに戻ろうか、と踵を返しかけた道哉だったが、タルトの次に出てきたのがさきほど寝子まんま丼を恵んでくれた三毛猫水着の母子であることを知ると、ちょっとばかり悪戯心が起きてきた。
ならぶ屋台の天幕からは、美味しそうな匂いが漂ってくる。
慌ただしく動き回るアルバイトたちの脚を縫って、ぽてぽてと一匹の三毛猫が顔を出す。
「かわいーい」
ビーチパラソルつきの丸テーブルで寝子まんま丼を食べていた三毛猫柄の水着の母娘が、猫に気付いて丼の上のしらすをつまんで鼻先に落した。猫はくんくん匂いを嗅いで、それを美味しそうに平らげる。
「にゃーあ」
「ママ、猫さんありがとうだって」
「ふふ。よかったわね」
三毛猫は母娘と別れて砂浜を歩いていく。
その正体は、猫又の三毛谷 道哉（猫の姿・尾は一本ver）であった。
（あ、友や知人は内緒だよ。私のことは）
道哉はちょっとだけ振り返ってウィンクで読者に目配せする。
（今日は猫の姿で満喫したい気分なんだ。お金を払わなくても海鮮丼のおこぼれを今日はもらいやすいしねぇ）
人間に化けて自分で買えば早いのだが、人からもらうご飯はまた別のうまさがある。
猫の気分というやつだ。
そうしておもらいさんをしながら歩いていると、大きなステージの前に来た。
出てくる人々はみな、だたの水着ではなくモフモフなけものを混ぜた姿だ。
（ほほう。また面白そうなことをやっているな。水着にモフモフがとれんどなのかねぇ）
齢１５１歳の道哉であるが、『とれんど』といったような最近の言葉も努めて学んでいる。
ステージには『ビーチ☆スターズコンテスト』の文字が見て取れた。
（こんてすと、というと競うアレだね。流石そこらにいる人より人目を惹く装いだ。『映え』と今風はいうんだったね。おや、あれは……？）
ステージ上に見知った猫仲間の顔を見つけて、道哉はよく見ようと首を伸ばした。
（――響の嬢ちゃんじゃないか。モフモフと水着とは面白い組み合わせだね。どういうモフモフさをみせてくれるか楽しみだね）
◇
「海原先輩に指名されたらしょうがないんだよ。それに副賞が『1/1スケール モフモフお三夜さま（サンマさん咥えバージョン）』だって？ お三夜好きのお友だちにプレゼントしたら喜ぶかな」
響 タルトは、ふふ、と顔を緩ませる。
テーマはけものということだが、それならタルトはお手の物だ。タルトのろっこん＜チェシャ猫＞は、水やお湯を被ると猫に、念じれば一部だけ猫耳・尻尾が生えた獣人に変身することができるのだ。
少しずつ水を被って、顔は人間のまま、猫耳猫尻尾を生やす。
手足の毛皮も自前だ。
「水着はもちろんビキニだよねっ☆ 体の肌は、優勝狙いだからあえて人間のままでいくかあ」
こうしてお猫様な水着娘に変じたタルトは、ノリノリでステージに出て行った。
「お三夜さまのためなら優勝狙っちゃうよ♪」
ステージに出ると、タルトは小走りで元気よく手を振った。
大きな瞳が猫っぽくて魅力的だ。
猫耳の生えたポニーテール髪はある種のフェチズムを掻き立てる。
身体は人間の姿をしているときよりずっと軽かった。
進化能力で猫が秀でている身体能力が強化された獣人になっているのだ。
「こんにちにゃーー！」
猫っぽい挨拶をすると、ノリのいい観客たちが「にゃー！」と返してくれる。
（ええと、次はたしかパフォーマンスだったよね。歌……は評判悪いんでやめとこう）
苦手は避けて、猫っぽくしなやかで、かわいらしいダンスパフォーマンスを披露することにする。
有名な猫のミュージカルのような気分で、四つん這いからぐうっと背筋をしならせて、猫の動きを再現する。
「にゃーっ」
そこから獣人の力で高くジャンプし、尻尾を猫じゃらしみたいに振ってじゃれ合いを演じる。
あの尻尾、すごくリアル！
そんな観客席の囁き声を、耳をぴくつかせて聞いた。
（でしょ、でしょー？ だって本物だもん☆）
猫っぽい顔洗いポーズでモフモフの手で顔を擦ると、ちょうど目線の先に見知った三毛猫の姿を捉える。
（あっ。三毛谷さんだ。今日は完全に猫モードなんだね）
タルトは道哉の山高帽に和服をきた青年の姿も、三毛猫の姿も両方を知っている。
彼のあわいタンポポ色の瞳が物珍しそうにくるくる輝いて、応援してくれているのがわかったので、タルトは猫っぽく尻尾を振ってありがとうを伝える。
「優勝はもらうよ！ モフニャーーー！」
ぱちん、とキュートにウインクを決めて。
タルトは登場のときと同じように元気な小走りでステージを降りた。
（響の嬢ちゃん、水着のせいか今日は大人っぽかったねぇ）
肉球で髭を撫でる。
一方で、遊びとはわかっていてもこうも思ってしまう。
（みんな頑張ってもらいたいが優劣が決まるのは少し心苦しいねぇ）
友人の雄姿は見たし、おもらいさんに戻ろうか、と踵を返しかけた道哉だったが、タルトの次に出てきたのがさきほど寝子まんま丼を恵んでくれた三毛猫水着の母子であることを知ると、ちょっとばかり悪戯心が起きてきた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2022年04月23日
- 参加申し込みの期限
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- 2022年04月30日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2022年04月30日 11時00分
