モフれ！第３６回寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト！｜リアクション

モフれ！第３６回寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト！

●エピローグ

　暮れ行く金色色のビーチを梓智依子は娘の楓を抱いて歩いていく。
　楓はすっかりはしゃぎ疲れて眠ってしまった。手にした鞄からは、ビーチボールといっしょに、最優秀賞のトロフィーと副賞のモフモフお三夜さまの黒い耳が覗いている。娘も鞄も重いけれど、嬉しさの方がいまは大きく、疲れはそんなに感じていない。
「あっ、最優秀賞の！」
　声を掛けられ振り向くと、三毛猫を頭に載せたポニーテールの女の子がニコニコしていた。
　響タルトである。
　タルトに会釈をしたそのとき、智依子は彼女の頭の上の三毛猫が、ステージに飛び入り参加してくれた猫だと気が付いた。
「さっきの猫さんね。ありがとう、あなたもいたから最優秀賞を取れたわ」
　すると猫はなーごと喉を鳴らした。
（ささやかなお手伝いだ。お礼はモフりで結構）
　猫の姿の三毛谷道哉の意図を、タルトが通訳する。
「三毛谷さんっていうんだよ。お礼はモフモフでいいって」
「ふふ、わかったわ。ありがとう」
　智依子は娘の分まで道哉をモフモフした。
「さようなら。今日はご一緒出来て嬉しかったわ。またね、三毛谷さん」

◇

　母娘の背を見送ったあと、黄昏刻の曖昧さに紛れて、道哉はいつの間にか人間の姿に変じていた。
「響の嬢ちゃん」
「ん、なあに、三毛谷さん」
「人間は見ていて飽きないね」
「三毛谷さんから見たら人間って、憎らしいところもあると思うし、愚かに見えることもあるでしょ？」
「そうなんだがね。時折、無性に愛おしくなるんだ」
「そんなのもいいんじゃない？　僕はあんまり深くものを考えないタイプだから、楽しければそれでいいんだ。だから、ケモノもいいし、人間もいいって思う」
「ケモノもいいし、人間もいい――か。響の嬢ちゃんと話すと気が楽になるよ。さあ、帰ろうか」

＜了＞

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：笈地行
ファンレターはマスターページから！

ご参加ありがとうございます。笈地です。

伝統ある寝子島の水着コンテスト
「第３６回寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト！」を担当させていただき光栄です！

過去のコンテストはこちら！

☆「寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト！」（第３４回）（墨谷幽マスター）

☆「第３５回　寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト！」（阿瀬春マスター）

今年も様々な水着やパフォーマンスが揃い、眼福＆圧巻でした。
お楽しみいただけましたら幸いです。
プレイヤーのみなさんのアクションもさることながら、
イラストレーターさんのみなさんのお力も大きいこのシナリオ！

えろーい！　かわいいー！　かっこいい！

いつも素敵なイラストを仕上げてくださってありがとうございます。

それではまた別のシナリオでお会いしましょう。笈地でした！

↑ページトップに戻る