異世界転生・ギガンティックバトル｜リアクション

異世界転生・ギガンティックバトル

【転生】

　丸眼鏡にスーツという出で立ちの青年は、首からは古いカメラを提げながら、ビーストの襲撃から逃げまどっていた。
「た、大変だ……！　早く逃げないと……！」
　その正体は転生した桜井ラッセルである。
　ラッセルは慌てて最も近場にあった避難施設に走る。
　が、
「へ……？」
　そこで石に躓いて、思いきり転んでしまう。
　そこに巨大なビーストが空から飛来した。
「う、うああっ！？」
　絶体絶命の叫びが喉から迸る。
「しっかりしろ！　立てるか！」
　そのとき一人の男が彼に手を差し伸べてくれた。
「あ、ありがとうございますっ！」
「いいから走れ！」
「は、はいっ！」
　伸ばされた手を掴んで立ち上がったラッセルは男と共に手近なシェルターに逃げ込んだ。
　が、そこで彼はシェルターになだれ込んだ拍子にステンと転んでしまい、
「あっ……」
　次の瞬間、ラッセルは強く頭を打ち、気を失ってしまっていた。

　白真白と月原想花は、転生前の記憶を維持していた。
「これっていわゆる異世界転生？　ロボットに巨大な怪物……」
「どっちかって言うと、ぼく、ファンタジー世界の方が良かったんだけど……」
　二人は、転生しても大して動じなかった。
「やあ、そこの君達！」
　と、そこに現れたのは、白衣を身にまとった卵城秘月だった。
「突然だが、脱いでもらえるかな？」
「「は……？」」
　当然のようにドン引く二人。
「ええい、時間がない！　者共、出合え！」
　秘月の言葉に、どこからともなく黒服の女達が現れて二人を囲む。
「ちょ、何をするの……きゃああああ！？」
「や、やめ、服を脱がさないでっ……！？」
　輪状のカーテンに押し込まれ、真白と想花は裸に剥かれると、代わりに妙な服を着せられてしまった。
「え？　なに、この服？　ていうか、これ、身体のライン出すぎじゃない！？」
　豊満なボディをしている真白は、シルエットが裸同然の服装――ハンターのパイロットスーツに顔を赤くする
「……うう、恥ずかしい」
　いつのまにか、巨大ロボットのコックピットに押し込まれていた想花も頬を赤らめながら言う。
　そこにブゥンとコクピットのモニター秘月の顔が映り、何やら得意げな表情で状況の説明を始めるのだった。

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