異世界転生・ギガンティックバトル｜リアクション

異世界転生・ギガンティックバトル

【戦闘】

『というわけで、君達には今から我がA.B.Iの一員として、ビーストと戦ってもらう』
『何かというわけなのよ！？』
　画面の向こうの秘月に突っ込む真白をよそに、前方のシャッターが二人を迎えるようにガラリと開く。
『……いきなり実戦……？　普通、まずシミュレーターとかでやるもんじゃないの……？』
『目の前に敵がいる。そんな時間がないことはわかっているだろう？　安心したまえ。必要な情報はそのコミュニケーターから君達の脳に直接インプットしておいた』
『え？　嘘……。あっ、ほんとだ！　わかる！　でも、なんか怖いんですけどっ！？』
　なぜか一瞬で全てを理解できた真白はひどく背筋がゾクリとする。
『……ダイアモンドグラップラー。これがこの世界でのぼくの力――』
　想花は、脳にインプットされた相棒の名を口にして、それが妙に肌に馴染むことに驚いた。
『さあ、行きたまえ。人類の存亡は君達の双肩にかかっていると思ってくれ！』
『お、重っ！　で、でも、こうなったらやるしかないかっ！』
『……そうだね。正直、自信なんて、これっぽっちもないけれど……』
　呟いた想花は、真白とともにハンターを格納庫の外に走らせる。
　すると、開けた視界の向こうに、無数のビーストが暴れまわっているのが見えた。
『……ひどい。街が滅茶苦茶だよ……』
　真白の悲痛な声が通信網を走る。
『ああ、住人のシェルターへの避難はすでにほぼほぼ完了している。が、逃げ遅れた人々もまだ多少はいる。くれぐれも注意して』
『……よかった！　了解！』
　それなら、思いきり戦えると真白は気持ちを持ち直す。
『よし、行くよ！　ミドガルズオルム！』
　四足の竜人型のハンターの翼を広げ、真白はビーストに肉薄する。
『いっけぇ、サンダーカノン！！』
　前のめりに思いきり操縦桿を倒し込む真白の動きに合わせ、柔軟にも程がある材質で作られた彼女のスーツに包まれた胸が大きく揺れた。

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