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明日(あした)はきっと風の中
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サマー・ハズ・カムというやつだ。
夏空はひたすらに晴れて、まぶしくてさわやかで、キュンと音がしそうなくらい甘酸っぱいときめきの予感に満ちているというのに、
伊賀 解理
の心ときたら北極海の遭難船のごとく深く沈んで、はじける夏色ではなく憂鬱のほうの青(ブルー)一色というありさまなのだった。まなざしは灰色、目に映るものとて同じだ。たとえいま冷たいシャーベットを口にしたって、解理の舌にはパリパリの煮干しのような味にしか感じられぬであろう。
白衣の前を手で押さえ、キョロキョロと周囲をうかがいながら、つま先立ちの前屈みで解理は木天蓼大学の正門をくぐった。挙動不審を真空パッケージして提供したような怪しさだったが、大学はとうに夏休み入りしており人の姿はまばらで、幸いにして解理に注目する姿はなかった。
まさかまたここに来てしまうとは……っ! しかも今度は単身(ソロ)で……っ。
解理がこの門をくぐったのは今年の春、ゴルシならぬゴールデンウィーク以来のこととなる。
遠い昔の記憶のような気がしてしまう。それこそ一年近く前の。
実際はあれから三ヶ月足らずしか経過していない。気持ちのうえではもっとずっと長いが、それでも短い期間でないことはまちがいない。
あのときはひとりではなかった。あのとき解理は、
北風 貴子
に学校内を案内してもらったものだ。完璧な一日だった。すくなくとも前半は。
しかしそれが最後だ。以来解理は
北風 貴子
と会っていないのだった。想像を絶するつらい日々だった。
うう……貴子ニウムが不足してるよぅ……。
貴子さんに会いたい。会って、『ダメよ伊賀さん』ってやさしくたしなめられたい。『いい考えね伊賀さん!』ってほめられたい。お得なランチメニューをつい頼みすぎてしまって、『そんなに食べられるの?』ってあきれられたい。一緒にお風呂に入って洗いっこしたい。そして『綺麗な肌してるのね』『貴子さんこそ』なんてキャッキャうふふしたい――ってそんな経験はないのだけれど。
なのに三ヶ月足らず、三ヶ月足らずも関係が途絶しているのだ。こんな悲しいことがあろうか。
古典少女漫画のヒロインよろしくベッドに突っ伏して泣き暮らしたい気分ではあったが、あいにくと解理は古典少女漫画に出演したことはないしする予定もない。そもそも、座して涙にくれるなんてキャラじゃないと思う。
だから前向きに、アグレッシブに考えを転換する。
心の溶鉱炉に燃料を投下した。
燃料はひとりの男……名は
十輪田 黄金
(とわだ・こがね)!
それもこれも全部あのチャラ男のせいだ!
悲劇に打ちのめされるより怒りをこめて立ち上がるほうを選ぶ、これぞ伊賀解理なのだ。
十輪田は木天蓼大学生、『ULTRA FEEL』なるボランティアサークルの代表で、確か四年生のはずだ。しかし(貴子いわく)『ボランティア活動に熱心すぎて』二回ほど留年しているらしい。だとすると二年生のままなのだろうか、やっぱり四年生と呼ぶべきなのだろうか。大学のシステムはよくわからない。
まあ四年生でも二年生でもどっちでもよろしい!
問題はあの男が、
超
を冠したくなるくらい解理の嫌いなタイプの人間だという事実である。軽佻浮薄(けいちょうふはく)を絵に描いたようなルックス、物腰から口調までチャラの権化で、ちり紙みたいにペラペラだ。思い出すだけで鳥肌が立ちそうになる。
十輪田は貴子をサークル活動に誘っているという。地球環境保全、被災地支援などをうたう立派な活動に従事しているらしいが、そんな立派な人たちが『ULTRA FEEL』なんて名乗っているのはどうにもずれているように思うし、十輪田が代表というあたりにもうさん臭さを感じてしまう。
でも僕は意見を……ストレートに出しすぎたなぁ……。
ゴールデンウィークの貴子とのひとときは、十輪田の出現でギクシャクしたかたちに終わってしまった。フォローすべく帰宅後、解理はNYAINで貴子にメッセージを送ったのだが、よせばいいのにその場でも、十輪田についてのネガティブな印象を書き送ってしまった。それも主として彼のルックスについて。
『見た目の印象だけで判断するのは良くないと思うよ』
貴子が冷静な意見を返せば返すほど、解理は逆に冷静さを失ってしまった。
『かもしれませんが、僕はくだんのボランティアサークル活動への参加は反対です!』
と書けば、
『視野が狭すぎない?』
と返ってくる。
さらに解理は熱を入れ説得を試みたがとうとう、
『伊賀さんにそこまで口出しされる筋合いはないわ』
というコメントとともに、貴子とのやりとりは途切れてしまったのである。ほとんどケンカ別れではないか。
なんでわかってくれないんです、貴子さん……!
解理は頭をかかえた。
たしかに貴子さんの言う通り、チャラ男というだけで判断するのは早いのかもしれない。
一方的に敵視してる自分に非があるのもわかってる。
でも、チャラ男に割と好意的な貴子さんは嫌だし、もし万が一貴子さんがあの男に惹かれたら――!
解理は、懊悩した。
高校時代真面目ひとすじ、世の正道王道からそれることなくここまできた貴子である。悪意と下心しかない連中からすれば、それこそ無防備に草をはんでいる牝鹿のように見えるのではなかろうか。
このままじゃ落神伝説を調べるどころじゃないし、なにより僕のメンタルもたない!
そうして三か月、ついに解理は行動に移ることにしたのだった。ころは夏休み、移動の自由という翼が解理の背には生えそろっていた。
かくして解理は大学に来たのだ。
目的は、調査である。
もちろん十輪田黄金の。
貴子さんの言うとおり十輪田が実は真面目な男だったというのなら、僕の人を見る目がなかっただけだからヨシ。
もし僕が思っていた通りのチャラ男なら、証拠の一つでも見つけて貴子さんに認識を改めさせる!
まずは聞き込みだ。
「……」
解理は白衣を脱いでたたみ、カバンにしまった。
気合いを入れるため形式上着ていただけなのである。これで聞き込みは目立ちすぎだろう。
うーん。
解理は学内を小一時間ほど回った。会う人会う人に『ULTRA FEEL』ってご存じですかぁ? なんて嗅ぎ回るのは変かと思い、学内誌の情報や、大学自治会のサークル管理部にあたってみたのである。大学生のふりは解理としては緊張の経験だったが、誰も解理を疑わなかった。
ここまでの情報は……
健全
。
ヘルシーの一言だった。
活動は週に何回か集まって会議して、海岸のゴミ拾いや募金活動、手話の勉強会をしている程度だという。まったくもってULTRAなイメージではない。
ただ、あまりに情報源が少なすぎた。大学の休日は高校よりも長期だ。高校が夏休み期間ということは当然、大学だって休みなのである。なのでサークル管理部の説明も、ごく表層をなぞるようなものでしかなかった。学内誌にいたっては言うにおよばずだ。
学内を歩いていて貴子にばったり出くわさないか、それだけが解理の不安材料だった。いま出会っても気まずくなるだけではないか。どんな言葉をかけてしまうか不安というのものあった。だが、幸か不幸かそんな事態には遭遇しなかった。
しかし出くわした人物もある。
十輪田っ!?
ターゲットたるチャラ男が、ニヤけた顔で何やらスマホで話しながらこちらに歩いてくるのだ。心臓が口から飛びだしそうになったが、俊敏に解理は建物の影にかくれ十輪田をやりすごした。
十輪田は電話に夢中だったようで、解理にはまったく気がつく様子はなかった。
「……ちゃんだったらさぁ~、キャミ似合うと思うんだよねぇ~」
耳に飛びこんできた会話の断片すら、解理には嫌悪感をいだかせた。すくなくともボランティア活動の話題ではなさそうだ。
よし、こうなったら。
解理は心をきめた。
尾行しよう。十輪田を。
他人の言葉より本人の行動を直接見られるならそれに越したことはない。
怪しい行動をしてたならスマホで証拠も激写できるしね!
虎穴に入らずんばなんとやらだ。仮になんかされそうになったらビームをぶちこめばいい! ……見せてもらおうか。貴様のサークル活動の全容とやらを!
解理は十輪田を追った。十輪田はニヤけ声でずっと電話していたが大学を出るころにはやめ、そのまま街へ歩き出した。くりかえすが本日は夏休みだ。なんらかの用事があって大学に一時的に来ていただけらしい。
帰宅するのか? 買い物か?
距離にして二十メートルくらいだろうか、つかず離れずの間隔をたもち、ときに店の軒先、ときに郵便ポストなどを利用し、身を隠しながら解理は十輪田の足取りを追った。時間は昼すぎ、人出があったので見失わないよう最新の注意を払った。ここは本土でシーサイドタウンではない。土地勘がないのでついていくだけで大変だ。
十輪田が急に足を止めた。
目の前に雷が落ちたみたいに解理はすくみあがり左右を見わたす。駐車しているワゴン車をみつけその背後に飛びこんだ。
……なんだ電話か。
こちらの尾行に気づいたわけではないらしい。十輪田はスマホを取りだして耳に当てている。そしてまた、例のニヤけ顔でなにやら話していた。
十輪田は動かずその場で話しこんだままだ。
中腰でワゴン車の影にいる身としては気が気でない。
早く動かないかな、とじれったく思っていたところで、
「何してらっしゃるんですか、お嬢さん?」
解理は声をかけられたのである。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年03月21日
参加申し込みの期限
2022年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年03月28日 11時00分
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