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明日(あした)はきっと風の中
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旅行。ツーリズムでありトラベルであろう。
寝子高教師にも当然夏休みはあるし、例年校長も課外活動を奨励している。とりわけ今年度は熱心らしい。就任したばかりの野々理事長が、教師への旅行手当支給を決定したという話も聞いたことがある。
「先生が、ご旅行……」
めずらしいですねと言いかけて、それも失礼かもと時子は考え直した。ところが尚輝も自覚しているようで、
「めずらしいでしょう? 僕はいたってインドアな人間で……というか出不精なので」
苦笑いしたのだった。もちろん尚輝もバンコクに行ったが、あれは修学旅行でありつまり学校行事だ。ストレートに書けば尚輝の仕事でもある。もちろん時子と連れだって出かけることはあるが、それも時子が誘っているからであり、放っておけば一年三百六十五日、ずっと化学準備室にこもっていても平気なのが彼なのである。
そんな彼が旅行、帰省ではなくプライベートで、しかも沖縄に行くという。
当然初耳だ。
「あの……もしかしてお一人で?」
「無理ですよ僕に一人旅なんて。たちまち迷子になってしまうと思います」
と憶面もなく断じて、実はですねと尚輝はつづけた。
「相原先生と久保田先生に、なかば強引にプランニングされてしまって……」
なんとなく想像がつく。
『旅行手当が出るのよー! これでバカンスに行かないなんて損よ損!』
久保田 美和
がこう言って、やたらめったら張り切ってスケジュールを持ってきたのではないか。なんだかんだいってノリのいいのが
相原 まゆ
だ。
『その話乗った!』
と早々に参加を宣言し、『だったら沖縄がいい!』とズバリ提案した可能性がある。
驚きと戸惑いをなんとかおさえて時子はたずねた。
「女性ふたりに男性おひとり、という組み合わせで……?」
まさかそんなことはあるまいと思いたいが、これではまるで尚輝先生モテモテの図ではないか。しかし、
「いえ……」
即座に尚輝が否定したので、浅井先生あたりもご一緒かしらと時子は胸をなでおろしかけた……ものの、実際はちがった。
「樋口先生もいらっしゃるそうで」
「樋口……って、弥生先生も、ですか?」
「そのようで」
久保田美和と相原まゆが親友なのは有名なので、尚輝も誘った意図はいまひとつ不明ながらも、このコンビが旅に行くのはそれほど意外ではない。
しかし、
樋口 弥生
先生も……?
こちらは意外だ。
弥生は一匹狼的というか、あまり他の教師とからんでいるところを見たことがない。もちろん仲が悪いということはないだろうが、美和とまゆとは住んでいる世界が一致しない印象なのだ。休みの日にスイーツバイキングに行って『キャー太っちゃうー♪』なんて言ってわきあいあいとしていそうな美和やまゆと、ひとりロックバーに行って無言でバーボンのグラスを傾けていそうな弥生ではイメージがちがいすぎる。
「つまり、女性の先生お三方と、尚輝先生という組み合わせなのですか……?」
「そのようです」
尚輝のことである。『五十嵐先生、沖縄行きましょう!』『楽しいよ!』『ご予定ないんでしょ?』『行こう行こう!』と美和&まゆにダブルで迫られ、どうにも断りきれなかったにちがいない。
でもどうして尚輝先生を――。
時子には思いあたることがあった。
「……その子、五十嵐尚輝先生の姪っ子さんなんです」
まゆに起こった反応は、熟睡中の猫を水に投げ込んだかのように落差の大きいものだった。
「
ともかちゃんが!?
」
飛びあがりそうなほど大きな声だ。
「ご存じなんですか!?」
今度は時子が声をあげる番だった。
「うん、五十嵐先生に紹介してもらったから」
ゴールデンウィークの記憶だ。
ともかさんがいなくなったと聞いて、まゆ先生は自分のことみたいにびっくりされていました。ともかさんのことも前からご存じの様子でしたし……。
尚輝先生はおくびにも出さないけれど、もしかしたら尚輝先生とまゆ先生は――!
でも万が一その通りだとしたら、ふたりきりで沖縄に行くだろう。同行者には美和もいる。しかもなぜか弥生もいるのだ。
単に女性の三人旅で、ボディガード的に男性の尚輝先生を連れて行く、とか。
残念ながら尚輝は腕自慢のタイプではない。その線はなさそうだ。
あるいは美和先生が、まゆ先生と尚輝先生をくっつけようとしている……?
通常の職場では意識しなかった男女が、旅という開放的な環境で急接近するというのはありえる話だ。美和がそういうお節介を焼く可能性はあった。だがそうだとしても、弥生まで来る理由がいまひとつわからない。
ひょっとしたら、尚輝先生のことをまゆ先生と弥生先生が取り合って??
恋の火花を散らすというのか。いやいやいや、まゆはともかくとして、弥生はそういうタイプだろうか。なんとなくだが、尚輝は弥生のことが苦手に見える。弥生も尚輝には興味がなさそうだ。そもそも、万事ドライな弥生は恋愛に興味があるのだろうか。
……いけない。
つい考えすぎてしまう。それはやはり時子が、尚輝に恋心を抱いているせいだろう。
そういえば以前、
今道 芽衣子
も言っていた。『五十嵐君は、表層に惑わされない人間にとってはすごく魅力的な男性だよ』といったようなことを。いままで時子は、尚輝の魅力を知っているのは自分だけだと思っていたかもしれない。だとしたらそれは思い込みだったのではないか。現に芽衣子も、かつて彼のことが好きだったと時子にだけ打ち明けてくれたではないか。
ただの親睦旅行だと考えたいけれど、時子にはそれにとどまらない予感もするのだった。
まゆ先生の考えがわかりません。弥生先生も、美和先生も……。
ああ――!
『私も行きます、沖縄!』
と言えたらどれだけいいだろう。亜熱帯の風、エメラルドグリーンの海に潮の香り、エキゾチックな沖縄料理――寝子島ともタイともちがう独特の景色を、尚輝先生と歩きたい。いや、本当のことを言えば、尚輝先生と一緒なら、どんな場所であっても行ってみたいのが時子のいつわらざる気持ちだ。
また考えすぎてしまっています。
時子は結論の出ない考えをふりきった。意識してまったく異なる話題をむける。
「そういえば旧市街のアパート戻られてますか?」
まあ一応、と申し訳なさげに尚輝は言う。
「ただ寝に帰っているという感じですけれど」
「もう少しアパートで過ごす時間が増えると嬉しいですね」
「そうですか?」
そうですよ、と時子はつとめて明るく、けれどもじっと尚輝を見つめて言う。
「卒業したら高校でお弁当食べる訳にもいきませんし、アパートなら料理しに行けますから……」
そのまま一緒に住んでもいいんです、くらいの意味と決意をこめた時子の言葉だったのだが、尚輝は額面通りにしか言葉を受け止めなかった。
「あ、だったら掃除しないといけませんね。台所、ぜんぜん片付けてなくって」
とぼけている様子ではない。尚輝先生らしいです、と時子は好意的に受け止める。
でも終始この調子の尚輝なのだ。たとえば旅先でまゆ先生に迫られたとしたら――とまたすこし不安になる。
いいえ尚輝先生ですからそんなことはないはずです、と時子が黒雲を吹き飛ばしたところで予鈴がなった。
「あ、もう終わり……休み時間はあっという間ですね」
「そうですね。ではまた明日」
「尚輝先生、明日からは午前中だけの授業ですよ」
「そうでしたっけ?」
壁のカレンダーを見て、そうでしたと尚輝は言っている。
「放課後また来ますね」
と告げ、弁当の包みをもって時子は部屋を後にする。
沖縄旅行の話はまだ、気になりますが……でも私と尚輝先生には、もっとたくさんの時間があるんです。
高校最後の夏休み、たくさんの思い出を作りましょう。
できれば先生との思い出を、たくさん。
砂時計を流れ落ちる青い砂はきっと、七色の記憶へと変わるはずだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年03月21日
参加申し込みの期限
2022年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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