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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【海開き】Enjoy Beach Opening！
◆
海開きの賑わいに配信の効果もあわさってか、マリンスクールの客足は増えていく一方だった。
「いらっしゃいませー！ マリンスクールにようこそ！」
ウーロン茶のジョッキを両手に、恵御納 夏朝は声を張り上げる。ちなみに猫系デザインの衣装は残念ながらなかったため、普通に（？）学生服風である。店内で邪魔にならないスリムなローブ風の意匠で、魔法使いっぽさがある。
視線で空いた席を探すと、近くの席を拭き掃除していた恵御納 夏夜に目配せした。
「二名様、こちらの席へどうぞ」
夏朝に代わり、夏夜が海に近い空き席へお客さんを案内する。ちなみにこちらは薄手のサマージャケットつきのワンピース風学生服だ。
その間にウーロン茶を運び終えた夏朝は、すぐにまた別のテーブルから声をかけられた。繁盛するのは良いことだが、なかなか忙しない。
「注文お願いしますー」
「はーいただいま！」
くるり向き直った時、夏朝の視界に砂嵐が走った。とある事件から発症するようになった後遺症の一つだった。ちょうど身体を動かした瞬間に視界が乱れたせいもあってか、夏朝は足をもつれさせた。
（まず――）
――い。
戻ってきた夏夜がローブの裾を掴んで、軽く引っ張った。そのおかげで踏みとどまる。
「夏朝、大丈夫？」
「ありがとう夏夜ちゃん、もう大丈夫。お客さんは――」
そのやり取りの間に、ヴィーゼが先に注文を取りに入っていた。
「はい、はい……特製タコライスに、バニラアイスの抹茶かき氷ですね。かしこまりました、少々お待ちください」
注文を取り終えたヴィーゼが、声を潜めて夏朝に話しかける。
「さっき具合悪そうだったけど大丈夫？」
「あ、はい。もう大丈夫です。ありがとうございます」
「それならよかった。でも無理はしちゃダメよ？」
「僕も見てますから、無理はさせないようにします」
「暑いし結構忙しいし、気をつけてね」
そうしてヴィーゼはキッチンの方に戻っていく。その途中で空いたテーブルを片付けつつ、小柄な身体で器用にたくさんの食器を運んでいった。
「すごいねヴィーゼさん」
「僕らも無理しない程度にがんばろう。夏朝、後遺症の方は……」
「大丈夫、もう収まってるよ」
視界の砂嵐はきれいに引いていた。注意は必要だが、ひとまずしばらくは平気だろう。
すみませーん、と左右からお客さんの声があがった。右の方はさっき夏夜が案内したお客さんだった。だからというわけではないが、右の方は夏夜が注文を取りに向かった。
「コーラとジンジャエール、それに特製やきそばとたこ焼きですね」
かしこまりました、と注文をメモった夏夜が顔を上げると、店の外を見知った小柄な姿が駆けていくのが見えた。
（ハルくんは……大丈夫、みたいだね）
夏朝と夏夜がアルバイトをしている間、えみな ハルくんは一人海岸をふらふらしていた。見た目で言うと小学生くらいだから、流石にバイトはさせてもらえないのでしょうがないところだ。
ではそんなハルくんは一人で退屈を持て余しているかと言うと――、
「にゃー！ 冷たくて気持ちいいのにゃー！」
波打ち際でぷかぷかしたりして楽しんでいた。
なにせ付喪神としてこの姿を得てからは初めての海なのだ。海そのものも、海の家も、海で遊ぶ人々も、全てが新鮮でわくわくしてくる。
二人のバイトが終わったら一緒に行くことになっているアスレチックエリアも楽しそうで、今から遊べるのが楽しみで仕方ない。
そんなハルくんは、お腹が空いたのでマリンスクールに居る。二人からもらったおこづかいがあるから、ちょっとくらいの買い物ならできる。
店内は人がいっぱいだったので、持ち帰りにした焼きそばをはふはふしながら食べた後、今度はかき氷が気になってまた並ぶ。
「いっぱいあるのにゃ……」
けれどシロップの種類が色々あって、どれを頼もうか迷ってしまうのだった。
なんとかレモンかブルーハワイかの二択までしぼりこんだものの、なかなかどちらかに決めきれない。
「かき氷ならブルーハワイがオススメですよぉ」
そんなハルくんにオススメをしてくれたのは、マリンスクールの周辺をフラフラしていたあいおだった。相変わらず、配信のことはすっかり忘れた様子である。
「じゃあブルーハワイにするのにゃ！ おねーさんありがとにゃ！」
そうしてブルーハワイを注文したハルくん。シロップのきれいな青に目をキラキラさせて、それから溶けないうちにと食べ始める。
「しゃりしゃり美味しいのにゃー」
しゃりしゃりの氷とシロップの甘さ、バニラアイスの濃厚な味わいにどんどんスプーンをすすめるハルくん。
「あ、そんなに勢いよく食べると――」
あいおが止めようとした時には、もう遅かった。
「――きーんってするにゃあああ！？」
かき氷の洗礼をしっかり受けてしまうのだった。
海開きの賑わいに配信の効果もあわさってか、マリンスクールの客足は増えていく一方だった。
「いらっしゃいませー！ マリンスクールにようこそ！」
ウーロン茶のジョッキを両手に、恵御納 夏朝は声を張り上げる。ちなみに猫系デザインの衣装は残念ながらなかったため、普通に（？）学生服風である。店内で邪魔にならないスリムなローブ風の意匠で、魔法使いっぽさがある。
視線で空いた席を探すと、近くの席を拭き掃除していた恵御納 夏夜に目配せした。
「二名様、こちらの席へどうぞ」
夏朝に代わり、夏夜が海に近い空き席へお客さんを案内する。ちなみにこちらは薄手のサマージャケットつきのワンピース風学生服だ。
その間にウーロン茶を運び終えた夏朝は、すぐにまた別のテーブルから声をかけられた。繁盛するのは良いことだが、なかなか忙しない。
「注文お願いしますー」
「はーいただいま！」
くるり向き直った時、夏朝の視界に砂嵐が走った。とある事件から発症するようになった後遺症の一つだった。ちょうど身体を動かした瞬間に視界が乱れたせいもあってか、夏朝は足をもつれさせた。
（まず――）
――い。
戻ってきた夏夜がローブの裾を掴んで、軽く引っ張った。そのおかげで踏みとどまる。
「夏朝、大丈夫？」
「ありがとう夏夜ちゃん、もう大丈夫。お客さんは――」
そのやり取りの間に、ヴィーゼが先に注文を取りに入っていた。
「はい、はい……特製タコライスに、バニラアイスの抹茶かき氷ですね。かしこまりました、少々お待ちください」
注文を取り終えたヴィーゼが、声を潜めて夏朝に話しかける。
「さっき具合悪そうだったけど大丈夫？」
「あ、はい。もう大丈夫です。ありがとうございます」
「それならよかった。でも無理はしちゃダメよ？」
「僕も見てますから、無理はさせないようにします」
「暑いし結構忙しいし、気をつけてね」
そうしてヴィーゼはキッチンの方に戻っていく。その途中で空いたテーブルを片付けつつ、小柄な身体で器用にたくさんの食器を運んでいった。
「すごいねヴィーゼさん」
「僕らも無理しない程度にがんばろう。夏朝、後遺症の方は……」
「大丈夫、もう収まってるよ」
視界の砂嵐はきれいに引いていた。注意は必要だが、ひとまずしばらくは平気だろう。
すみませーん、と左右からお客さんの声があがった。右の方はさっき夏夜が案内したお客さんだった。だからというわけではないが、右の方は夏夜が注文を取りに向かった。
「コーラとジンジャエール、それに特製やきそばとたこ焼きですね」
かしこまりました、と注文をメモった夏夜が顔を上げると、店の外を見知った小柄な姿が駆けていくのが見えた。
（ハルくんは……大丈夫、みたいだね）
夏朝と夏夜がアルバイトをしている間、えみな ハルくんは一人海岸をふらふらしていた。見た目で言うと小学生くらいだから、流石にバイトはさせてもらえないのでしょうがないところだ。
ではそんなハルくんは一人で退屈を持て余しているかと言うと――、
「にゃー！ 冷たくて気持ちいいのにゃー！」
波打ち際でぷかぷかしたりして楽しんでいた。
なにせ付喪神としてこの姿を得てからは初めての海なのだ。海そのものも、海の家も、海で遊ぶ人々も、全てが新鮮でわくわくしてくる。
二人のバイトが終わったら一緒に行くことになっているアスレチックエリアも楽しそうで、今から遊べるのが楽しみで仕方ない。
そんなハルくんは、お腹が空いたのでマリンスクールに居る。二人からもらったおこづかいがあるから、ちょっとくらいの買い物ならできる。
店内は人がいっぱいだったので、持ち帰りにした焼きそばをはふはふしながら食べた後、今度はかき氷が気になってまた並ぶ。
「いっぱいあるのにゃ……」
けれどシロップの種類が色々あって、どれを頼もうか迷ってしまうのだった。
なんとかレモンかブルーハワイかの二択までしぼりこんだものの、なかなかどちらかに決めきれない。
「かき氷ならブルーハワイがオススメですよぉ」
そんなハルくんにオススメをしてくれたのは、マリンスクールの周辺をフラフラしていたあいおだった。相変わらず、配信のことはすっかり忘れた様子である。
「じゃあブルーハワイにするのにゃ！ おねーさんありがとにゃ！」
そうしてブルーハワイを注文したハルくん。シロップのきれいな青に目をキラキラさせて、それから溶けないうちにと食べ始める。
「しゃりしゃり美味しいのにゃー」
しゃりしゃりの氷とシロップの甘さ、バニラアイスの濃厚な味わいにどんどんスプーンをすすめるハルくん。
「あ、そんなに勢いよく食べると――」
あいおが止めようとした時には、もう遅かった。
「――きーんってするにゃあああ！？」
かき氷の洗礼をしっかり受けてしまうのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2022年02月22日
- 参加申し込みの期限
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- 2022年03月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2022年03月01日 11時00分
