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◆
鴻上 彰尋
の場合。
彰尋の毎日は、なんやかやと忙しい。
母と兄が働いているため、自然と幼い双子の弟妹の面倒を見るのは彰尋の役割となっている。双子のためにおやつを作ったり、疲れて戻ってくる2人のために夕飯を作ったり。そうしているうち、自然と料理が得意になった。
昔は彰尋も子どもだったからあまり凝った物は作れなかったし、手際も悪くて不必要に時間がかかったりもしたが、今ではそんなこともなくなっていて、合間に少しずつ自分の時間を生み出す余裕も生まれていた。
であれば、その時間休めばいいと思うのだが、その時間に部活をしたり、委員会を入れたり、公園等で祖父の使い古した台本を使って演技の練習をしたりしているのだから、根っから働き者で、性に合っているということなのだろう。
だから、今日に限って急にそのどれもできない時間がぽっかり空いてしまって。ある意味、彼は途方に暮れていた。
学期末試験期間で部活は休みだし、委員会もない。公園は業者による遊具の点検で、今日は立ち入り禁止との看板が数日前から立っていた。今夜の夕飯の献立用の食材も全部そろっていてスーパーに行く必要もないし、それに今朝方、「今日は早めに帰れるから、双子たちのことは気にしないで、お友達と遊んだりしてゆっくりしてらっしゃい」とか母に言われてしまった。
せっかく気を遣ってくれたのに、早く帰ったりしたら母に悪い気がして、彰尋は一人居残った教室で考え込む。
今日に限って友人たちも何かしらすることがあって、「また今度な!」と帰ってしまうし。
「……ま、何の根回しもせず、いきなりつきあえというのがそもそも無茶な話か」
みんな、それぞれ決めた予定があって当然だ。
しかたない。暇つぶしに図書室で借りた本でも読もうかとかばんを探っていた手にかかった斜陽の美しさに、ふと思いついた。
読むのはどこでもできる。どうせなら、海へ行ってみよう。
家の近くの海辺に着いたとき。ちょうど太陽が西の海岸線に触れたところだった。
みごとな夕焼けが空と海の両方を赤く染めていた。雲間は金色。燃えるような空と対比するように海岸線は暗い藍色で、波間の白い波頭がきらきら輝きながら茜色の階のようにそこへ続いている。
あざやかで、雄大で、そのくせどこかもの悲しくて。切なさと愛しさに目が奪われ、胸が苦しくなる。
寂しい、帰りたい。でも、どこへ?
本を読むという考えは、どこかに行ってしまっていた。それより今は、この夕日に染まった海の景色を見ていたくて、防波堤から眺めていると。
「あー、お兄ちゃん!」
「お兄ちゃんだー!」
双子の声がして、そちらを向いた瞬間、ぼすっという感じで腰に抱きつかれた。
「二人とも、今帰りか?」
弟の頭を撫でながら、妹を見て訊く。
「そうだよー。お兄ちゃんも?」
「ああ。一緒に帰るか」
「うん!」
2人を防波堤側に、自分は道路側に。3人並んで歩いた。
さっきまで一緒に遊んでいた友達とのことを夢中になって話す双子の話を聞きながら、ネコンビに寄ることを思いつく。
最近、暑いし。アイスでも買おうか……でもそうすると双子たちも当然欲しがるだろうし。夕飯前に食べさせると、夕飯が食べられなくなるかもしれない。
ここは自重して、お茶にしようか、とか悩んでいるうちに、双子たちはアイスの冷凍庫に直行して、さっさと自分たちの食べたいアイスを選んでしまっていた。
「お兄ちゃん、これ!」
「買って買って!」
元気よくおねだりされては「だめ」とも言えず、結局買ってしまう。
「ごはんが食べられなくなるから、まだ食べちゃだめだぞ」
「えー? じゃあ、ごはんのあとならいい?」
「お風呂のあととかは?」
「ごはんの後は、何も食べちゃだめ」
「えー」
「じゃあいつならいいの?」
「いついついついついついついついつっ」
「明日のおやつ」
彰尋の返答に、また双子たちは「えーっ」と声を合わせて抗議する。けれど、兄の言葉は絶対なので、それ以上ごねたりはしなかった。
家までの帰り道、双子の興味は夕飯の献立へと移る。
「今日の夜ごはんはお母さんが作ってくれるんだよねっ」
「何だろ」
「お兄ちゃん、知ってる?」
「さあ、何かな」
冷蔵庫にある食材を把握している彰尋は、本当は知っていたが、教えない。そのかわり
「何だと思う?」
と双子に問い返した。
双子は口々に、「カレー」とか「シチュー」とか、思いついた料理の名前を楽しそうに順番に上げていく。いつの間にかしりとりのように、先に何も思いつかなくなったほうが負け、というゲームになっていた。
そんな双子をほほ笑んで見守りながら歩く。
ふと空を見上げると、あの不思議な茜色は消え去って、もう夜の藍の中、小さくまたたく星々がうっすらと浮かんで見えた。
(結局、散歩するだけで終わってしまったな)
だけどいいものが見られたし。あんなふうに夕日を眺めたのは、本当に久しぶりの気がする。
あのとき感じたやるせなさ、寂しさは、今は跡形もなく消えていた。どこかへ帰りたいという気持ち、寂寞の思いも、どうだったか思い出せないくらいだ。
双子たちと一緒に家へ帰る――それは本当に、正しいことだと実感する。
「あ、ほら。お母さんがこっちを見てるよ」
3人が連れ立って戻ってくるのを、窓から見つけたのかもしれない。玄関先に出ている母親の姿に気付いて、彰尋は2人に教える。
「あー、お母さんだ! お母さんっ」
「あのねー、お兄ちゃんがこれ買ってくれたのー」
あたたかな光の灯った家と、母の元へアイスの入った袋を振りながら走っていく2人を見ながら、彰尋はここが自分の帰る場所だと実感できて。心が満たされるのを感じていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月15日
参加申し込みの期限
2022年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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