レディ・ロゼッタの運命考察｜リアクション

レディ・ロゼッタの運命考察

「失礼します。……占いの館はここで合ってる、かな？」
　のんきに、しかしフリーダムに。すでに五人が詰め掛けている部屋に入って来たのは日暮ねむる。彼も寝子高生でありもれいびの一人だった。決して広くない部屋の中にそろった七人は、目的を同じにする者であるということを互いに理解する。

「おー？　お前」
「あら、犬神さんだ。同じご用件かな？」
「だろうよ。ほれ」
犬神花梨は薄紫色の招待状を見せる。片や白き狂犬の異名を取る娘、片やいつも眠そうな少年。しかしこの二人には潜在的なバトルマニアという共通点があった。武道の師弟関係でもあり、縁は深い。
「新しいお客さまだわ。いらっしゃい」
「レディ･ロゼッタさんですね。お手紙ありがとう。僕は日暮ねむると申します」
混み合った部屋の中で、ねむるはロゼッタにマイペースに挨拶した。
「ここにいる人たちは全員、セブンの……？」
「心当たりがあるのだ。だから、女子会を開いてそこで会わせることにするのだ！」
うなずく人々の中、元気に解説するのは李小麗だった。
「なるほどね。それなら、僕は護衛として参加させてもらえないかな？　ここに来たのは、ご招待をもらったのはいいけれど、セブンのことなんて何も知らないから……情報提供以外にできることがあるか聞こうと思ってなんだ」
「大丈夫かい？　セブン本人が『出る』可能性だってあるんだぜ」
志波武道――この場にいる男性はねむると彼だけだ――が言うが、花梨は武道の肩を張り飛ばし、その心配を笑い飛ばした。
「ギャハハ！　こいつを見た目で判断すると痛ぇ目見るぜ？」
「ええ、ご心配なく。こんなだけど僕、そこそこ強いですから」
答えたねむるの目がぎらりと光る。その光を武道は見逃さなかった。彼ら二人はある意味同類なのかもしれない。鋭く、シリアスな本質を普段は底に眠らせているのだ。
「そんじゃ護衛は俺様とねむるでいいか？　あ、お前は女子会から離れた場所に立てよ」
「それはいいですけど、えーっと……僕、もう一人腕の立つ人を知ってるんだ。その人もいいかな？」
「かまわないけれど……そんなに護衛が必要になるかしら？」
きょとんとするロゼッタに、厳しい顔で小淋は告げた。
『ロゼッタさんには実感がまだわかないかもしれませんが、セブンは危険な敵です。最悪の事態も予想して備えるべきかと』
ねむるはその間に、『もう一人』にコールを始めていた。程なくして応答が帰ってくる。
「あ、もしもし？　月さんですか。ねむるさんですよ……今お時間大丈夫かな？　ちょっとね、月さんの力を借りたいことができてさ」
「……なるほど。わかりました。では現地にて」