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手負いの獣
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白いブラウスに亜麻色のパンツ姿の
椎井 莉鳥
が急ぎ足で旧市街に現れた。目的があるのか。足取りに迷いがない。複雑な道を縫うように進む。一時も足を止めることはなく、左手首に巻いた時計にさりげなく目をやった。
急に視線が鋭くなる。
――黒いパーカーの人物が、まだ後ろにいる。フードとマスクで顔がわからないけど、不審者に変わりはないわ。
歩きながらスマートフォンを取り出した。目に付いた電信柱に背中を預けて起動する。適当に指を動かして取り込んだアプリを眺める。三分程の時間を経て入り込んだ路地を抜けた。
――私が止まると相手も同じように止まる。確定ね。ここでは人気が多くて荒事には向かない。場所を移す必要があるわ。
それとなく目が九夜山へと向かう。
――場所は決まった。付いて来なければそれでもいい。取り敢えず、目に見える危険を回避しないと。
猥雑な道を抜けてトンネルに入る。相手は仕掛けて来なかった。莉鳥は軽く息を吐いて寝子島ロープウェーの始発駅、登山道入口へ向かった。
九夜山の山頂から少し下ったところに
龍目 豪
がいた。リュックを背負い、寒色系の長袖のシャツにロングパンツを合わせて軽快に斜面を下る。木々が密集した薄暗いところを抜けた。眼下に穏やかな三夜湖が見える。
――ここなら電波が届くか。
即座にスマートフォンを起動。ネットに繋げて表示された文章を黙読する。
「これは」
読み飛ばしそうになった箇所に戻って目を通した。
――過去に寝子島で起きた拉致監禁未遂事件の話か。どうして今頃になって話題に上るんだ?
別のところに書き込まれた内容に目がいく。
――目撃情報か。事件の関係者の一人が島に現れたと。書き込まれた日付は今日になっている。相手の目的は書かれていないが、きな臭いな。
スマートフォンをポケットに戻す。豪は遠方を眺めた。降り注ぐ陽光に目を細める。
「こんな良い日に」
愚痴とも取れる言葉を漏らし、薄暗い木々の中に足を踏み入れた。不安定な足場を難なく乗り越え、自然と戯れるように溌溂とした顔で突き進む。
突然、その場にしゃがみ込んだ。下草に紛れるようにして一方に目を向ける。
軽装の莉鳥が危なっかしい足取りで下っていく。荷物らしいものはなく、どこか思い詰めたような表情をしていた。その後方には黒いパーカーの人物がいた。フードを目深に被り、白いマスクを着用。外す素振りを見せず、黙々と歩く。
豪は身を低くした状態で二人を追い掛ける。
――先頭は寝子高の椎井か。山登りの格好ではないな。後ろを意識しているようだ。問題の人物は等間隔で付いていく。フードとマスクで正体不明だ。身分を隠しているのか。
草木に紛れて豪は尚も後を追い掛けた。
三夜湖を横目に莉鳥は足を急がせる。土を踏み固めた山道が人工的な物に切り替わった。全体的に破損が酷く、割れ目から緑が噴き出すように草が生い茂る。
莉鳥は遠慮なく踏み付けて歩いた。正面に目的の場所、
寝子島イリュージョンランド
が見えてきた。廃園になって久しく、門は錆びて無数の蔓が絡む。
莉鳥は道から外れた。金網に空いた穴から身を屈めて中に入った。後ろを振り返ることなく、うらぶれた園内を歩く。回転木馬の白馬は長年の風雨に晒され、農耕馬のような色で時を止めていた。
園内の案内板に明記された中央広場で唐突に足を止める。莉鳥は口元に薄っすらと笑みを浮かべた。
「呆れた。こんなところまで付いて来るなんて」
「こちらにとっても都合がいい。他者の介入を阻み、簡単に逃げられることもないだろう」
相手の言葉に莉鳥は、そう、と一言で後ろを振り返る。
「こちらにも同じことが言えると思うけど。それで私に何の用?」
「忘れたとは言わせない」
被っていたフードを頭の動きだけで脱いだ。前髪の合間から怒りの双眸を覗かせた。
「その顔、見覚えがあるわ。地下駐車場の連中の一人ね」
「そうだ。計画が失敗して私は追われる立場になった」
「身勝手な復讐ってことね」
莉鳥の言葉を証明するように相手は後方宙返りで豹に変身した。
「覚悟はできているか」
「さあ、どちらのことかしらね」
相手は身を低くした。四肢の力を溜めて一気に飛び掛かる姿勢に見える。
「ファイトー!」
横手からの声に対峙した二人の目が一方に向く。豪が『軽いぜ!』のろっこんを発動して目の前の石柱を軽々と持ち上げた。
「争う前に話し合いが先だ」
重さがゼロとなった石柱を二人の間に差し込んで分断した。
莉鳥は豪の顔を見て軽く頷いた。
「探検部の部長ね」
「元な。今はマタ大探検サークルだ」
「なんだ、お前は」
相手は威嚇するように鋭い牙を見せた。
「部外者だが、事情はわかっているつもりだ。前回の事件も知っている。これがリベンジマッチだってこともな」
「それなら邪魔をするな! お前も噛み殺してやろうか!」
「少し落ち着けよ。前回は組織で負けているのだろ? それに俺が加われば人数的にも不利だよな」
豪は友人と話すような調子で言った。相手は喉の奥から低い唸り声を出した。
「組織は失敗を許さない。私の未来は閉ざされた。関係した連中を皆、一切の光が射さないところに引き摺り込んでやる」
「逃げればいい。忌まわしい因縁を引き千切るくらいの力で。せっかく人間の枷を超えることができたんだ。もっと自由に力強く生きて見ればいいだろ。本音を言えば羨ましいぜ」
豪の力強い言葉に相手は考えるように目を落とす。瞬間、身震いにも似た動きで頭を左右に振った。
「無理だ。組織は甘くない。私の進む道は一つしかないんだ!」
相手は跳んだ。石柱を踏み台にして莉鳥に前脚の一撃を振るう。数本の髪を犠牲にして躱し、地面を転がった。片膝立ちの状態で起き上がると瞼を閉じた。
「観念したようだね!」
再度、飛び掛かる。
莉鳥は指先に気を集中させた。ろっこん『スタンハンド』の発動条件を満たし、指先から電気を放出した。
相手は宙でバランスを崩し、肩口から地面に落ちた。その隙を逃さず、豪は石柱を振って吹き飛ばした。
「もう、やめようぜ。勝ち目は薄いと思うし、脚を怪我しているよな」
立ち上がる相手の後ろ脚を豪は指差した。
「それが、どうした! 私はもう、後が無いんだ!」
「未来は誰にもわからない。もう少し考える時間はあるだろ。椎井にしても戦いたい訳ではないよな」
「降り掛かる火の粉に身を捧げるつもりはないわ」
「だそうだ。あんたが襲って来なければ、この戦いは終わるんだよ」
豪は石柱を手放した。重さを取り戻して軽く地面が揺れた。
「……やり難い。本当にふざけた連中で、頭にくるよ!」
相手は駆け出した。二人に背を向けて金網を跳び越えて見えなくなった。
「これでよかったんだよな」
「どうだろう」
莉鳥は素っ気なく返し、衣服の汚れを手で払った。
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3人まで
シナリオジャンル
バトル
定員
17人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月07日
参加申し込みの期限
2022年02月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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