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手負いの獣
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シーサイドタウン駅ビルmiaoが望める目抜き通りを二人は肩を並べて歩いている。黒いワンピースで身を包んだ
葉利沢 倫理子
こと、別人格のMaliceが日傘を差した。
白いワンピースの
朝鳥 さゆる
は気だるげな様子で前を見据える。やや機嫌が悪いのか。いつにも増して目付きが鋭い。
「季節は夏なのに、さゆるの目が冷たいわ」
Maliceが笑いを含んだ声で言った。さゆるは一瞥もくれず、腕に絡めてくる手を無言で払い除けた。
人を躱しながら二十分ほど歩いたところで、さゆるは鼻筋に僅かな皺を寄せる。
「……鬱陶しいわ」
「私のことではないよね」
さゆるは口を閉じ、問い掛けを無視した。その反応を目にしたMaliceは声なく笑う。
「確かに鬱陶しいわね。私とさゆる、どちらに恨みを抱いているのかな」
おどけた調子のMaliceをさゆるが横目でじっと見た。
「私だけってことはないよ。それにしても下手糞な尾行ね。人物には少し興味があるけどね」
さゆるは聞き流して斜め前を見やる。十字路の角にあるカーブミラーにMaliceも注目した。近づくに連れて二人の歩みが遅くなる。
Maliceは軽く頷いた。
「黒いパーカーで意外と小柄ね。嫉妬心に駆られた男性と思っていたのだけど、女性の線も考えられるわね。さゆるはどちらだと思う?」
「わからないわ。フードとマスクで顔を隠している。足を少し引きずっているようね」
二度見して納得した。
「このまま知らないフリをするつもりは、ないようね」
Maliceはさゆるの視線に気付いた。それ以降、口を閉じて右手の路地へ一緒に入った。雑居ビルの間に出来た谷間を二人で直進する。頃合いと見て左の道に曲がる。
瞬間、Maliceは日傘を閉じて走り出す。見つけたビルの隙間に身体を横にして入り込む。さゆるはゆったりとした足取りで通り過ぎた。間を空けてパーカーの人物が横切るとMaliceは悪意を込めた笑顔を見せた。
さゆるは一人で歩く。行き止まりとなった先でも慌てた素振りを見せない。
「あたしを付け回してどうするつもり?」
振り返らずに言った。
「……もう一人はどこだ」
「さあ、どこかしらね」
踵を返すとパーカーの人物が俯き加減に立っていた。握った右の拳が微かに震えている。
「先にあたしの質問に答えてくれる?」
「復讐だ」
端的で強い言葉が返ってきた。さゆるは冷ややかな眼差しで小首を傾げた。
「その声は女よね? あたしに彼氏を取られたと思うのなら勘違いよ。一夜、借りただけでなんの未練もない」
「そんなふざけた理由じゃない。お前らの拉致監禁に失敗したせいで私は組織から粛清の対象にされた。その前に関係した全員に復讐を果たす」
パーカーの人物は一歩を踏み出し、瞬時に後ろを振り返った。
侮蔑の笑みを浮かべたMaliceが折り畳んだ日傘をブラブラさせている。
「それって完全に八つ当たりよね。私はてっきり、三Pが希望なのかと思って期待したのに」
「ふざけるな! お前ら二人の命で詫びろ!」
「痛みを伴う快楽ならいいけど、それはお断りね。あと、あまり虚勢を張らない方がいいわよ」
Maliceは赤い舌を出した。自身の下唇をなぶるように舐める。
「さゆると私で挟み撃ちにされるからね」
「舐めるなよ。丸腰のガキ二人にやられる私じゃないよ」
「目が悪いのね。傘も立派な凶器になるのよ」
距離を詰めたMaliceは日傘の先端で顔面を狙う。スウェイバックで躱したところで、さゆるがすっと前に出た。右手には銀色の金属が握られていた。
「それは!」
さゆるは手首を使って柄を半分に割り、鋭い刃を露出させた。バタフライナイフの扱いに長けた様子を見て相手は一方に跳んだ。ビルの壁面を背にして左右の二人を交互に見やる。
その姿にMaliceは悪意を込めて嗤った。
「意外と臆病なのね」
「死角の一つを潰しただけだ!」
さゆるは冷たい表情で言った。
「その状態では後方宙返りは無理ね」
「……それが、どうした?」
語尾が揺れた。耳にしたMaliceは舌を出して中指を立てた。
「豹に変身できないわね」
「覚えていた、だと!?」
「フードやマスクで顔を隠しても、僅かに覗いた目でわかったわ」
さゆるは静かな声音で切先を相手の腹部に向ける。真横からじりじりと距離を詰めてゆく。逆方向からはMaliceが動いた。
「半殺しにしてあげる」
明るい声でMaliceは相手に踏み込む。日傘の先端は側頭部を突きにいく。
「させるか!」
頭を下げて躱し、左手で奪い取ろうとした。が、直後の引きで間に合わない。ほぼ同時に右手からさゆるのナイフが腹部を襲う。見越していたかのように膝を突き上げる。
「貰った!」
悪意の籠った手首への一撃はさゆるのろっこん、『Stella cadente』の発動で難なく回避。反撃として太腿を突き刺した。相手は怯まず、鼻柱に向けて裏拳を放つ。さゆるは驚異的な反応速度で後方に軽々と跳んだ。
「急に速度が、嘘だろ……」
驚きが逆に相手の動きを鈍らせる。狙い澄ましたMaliceの日傘の一撃は脇腹に減り込んだ。くの字形となり、初めて苦鳴の声を漏らす。痛めたところを手で押さえ、咳き込みながらよろよろと歩いた。
「まだ終わってないわ。これからが本番よ」
Maliceは日傘の先端で後頭部の辺りを何度も小突いた。前に倒れそうになりながらも踏ん張った。
さゆるは冷静な目で横手に付いた。相手の目がこちらを見やり、嫌らしい笑みを浮かべる。
「逃げ道を塞いで!」
「さゆる、急に大声を出してどうしたのよ?」
相手は歩いて出来た空間を利用した。小さく後方宙返りをして、ろっこんを発動。豹に変身すると大きな跳躍を見せた。ビルの壁面を蹴り、Maliceの頭上を楽々と越えて着地。後ろを振り返らず、全速力で逃げ出した。
「覚えていろ! 必ず、仕返しにくるからな!」
「負け豹の遠吠えね」
呆れたような声でMaliceは日傘を広げた。さゆるは軽く息を吐いてナイフを畳む。スカートの一方をたくし上げると太腿に取り付けたホルダーに収めた。
「さゆる、暴れ足りないよね」
「誰のせいよ」
「その艶めかしい太腿を見たら火が点いたわ。これから、どう?」
さゆるは無視して歩き出す。Maliceは日傘を差して隣に寄り添い、強引に腕を絡めた。今度は振り払うことなく、諦めを仄めかすような長い息を吐いた。
通りに戻った二人は人混みの中へと揺らめくように消えていった。
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3人まで
シナリオジャンル
バトル
定員
17人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月07日
参加申し込みの期限
2022年02月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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