暗夜雨道　～寝子島辻斬り物語～｜リアクション

暗夜雨道　～寝子島辻斬り物語～

・アパート八畳の斬り合い

　雫の援護を受けて、刀の千歳はアパートに進入した。
　進入したところで、突如奇襲を受ける。
「くっ」
　刀はとっさに、その攻撃をはじき返すと、目の前の影に目を向けた。
　トシゾウ！　という声とともに刀に痛烈な打撃を浴びせる。
　それも狭い玄関口であった。
「それっ！」
　だが、後ろにいた千歳がろっこん『正義一直線』を放つ。
　代わりに自分の持っていた武器が犠牲になったのだが。
　そのまま、武器は窓を割るとアパートを飛び出していった。
　が、転がるようにして避けたトシゾウに、起き上がった、刀が襲いかかる。
　しかし、それはかわされる。
「くそっ！」
　刀がすかさずに追撃を放つが、相手にあっさりと弾かれる。
　そして、だんっ！　と建物を揺らさんばかりの踏み込みで、突きを放ってきた。
「……くっ」
　とっさに、弾くも、その突きは変形して臑へと吸い込まれる。
　足を取られ、倒れ伏す刀。
　そして、ぽろりと、木刀を取り落とした。
　そこに容赦なく振り下ろされる追撃！
「危ない！」
　とっさに千歳が木刀を無理矢理拾って、受けるが、しっかりと持てなかった故に、木刀が弾かれる。
　まずい、二人がそう思った瞬間であった。
　バリィィィン！　とアパートの窓を破壊して雫が躍り込んできた。
「竹刀をお返し致します」
　そう言って、竹刀を千歳へと投げた。
そして、自分も愛刀を構えようとしたのだが、そこをトシゾウが一気に踏み込んで斬りかかる。
「予行演習でございました。メイドは御主人様を癒し、守るものなのです」
　そうして、雫は異世界から切り離される。
「今だ！」
　刀が弾かれた木刀をトシゾウに向かって投げた。
　慌てたように、それを弾くが、そこには千歳が迫っていた。
「はっ！」
　ザンッ！　という何かを斬った音ともに、トシゾウの影が消滅する。
「で、できた……」
　ほっとする千歳。
「！？　まだ、終わってないぞ！」
　しかし、刀は気づいた。
　ここにいると言われていた少年……一がだらりと立っている事に。
「……どうやら、襲っては来ないようだが」
　一は柘榴と相対したときと違い、口をぱくぱくと金魚のように何回か動かしてから、ぶつり、と電池が切れたように倒れ込んだ。

　しばらくすると、ビシリッ！　と世界が崩壊する音が聞こえた。
　どうやら、なんとかなったようだ。
　テオによると、異世界からはじき飛ばされた人間も問題なく帰還しているらしい。
「さて帰るか、千歳、傘の中に入れよ。一緒に帰ろう」
「あぁ……それにしても」
　それぞれが、それぞれの日常に帰って行く。
　しかし、腑に落ちない点も多い。
　一体、何が起ころうとしているというのか……。
　まだ、それはほんの小さな事象に過ぎない。

おわり

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：じんの
ファンレターはマスターページから！

どうも、辻斬り終わりましたじんのです
次のガイドもどうぞよろしくお願いします
ちょっと送られてきつたアクションが全体的におや？　
と考えながら書いていました（いい、とか悪いとかそういうのではないのでご安心を！）
何人かがちょっと書ききれなくて申し訳ない
なるべく、反映させて書きましたが、自分にとってバトルものの良い勉強になりました
今後も精進していきます

どうぞまたよろしくお願いします

ちなみに、怪我とかも特になかった感じです
ただ、雨の中戦っていたので、後日風邪を引いて看病されたい人にはいいかもしれませんとか言ってみます

↑ページトップに戻る