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晴れぬなら晴らしてみせよう、てるてる坊主
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「ったくよぉ、いつまでも降りやがって…」
自転車を走らせながら
山田 勘三郎
は呟いた。…つもりだったが、元々ガラガラ声で地声が大きい為、近くの家の中から犬に吼えられた。
雨の晩に自転車で出掛ける用事が出来ただけでも面倒なのに、夕飯を食べそびれたあげく、この調子ではやりきれない。勘三郎が恨めしげに天を仰ぐと同時に、乗っていた自転車が左斜め後方に勢いよく引き寄せられた。
「ふぉうっ!!」
変な声を出しながら自転車から投げ出された勘三郎は、街灯の鉄柱にぴたりとくっつく愛車に驚いた。
すぐに自転車を鉄柱から引き離そうとするが、びくともしない。
「ど、どうなってんだこりゃ?」
あたりに目を配り、鉄柱を見上げた途端、子供ほどの大きさのてるてる坊主が鉄柱に寄り添って浮いていた。
「で…でっかいてるてる坊主ぅ!? …貴様の仕業か! 自転車返しやがれ!!」
腹を立てた勘三郎が愛車を足場にして鉄柱をよじ登ると、白い首紐のてるてる坊主がするりと鉄柱から離れる。
「こら待て、逃げるんじゃねぇ!」
勘三郎がしがみつく鉄柱の下で、愛用の自転車がガシャリと倒れる音がした。
「くそっ…とっちめてやる!!」
勘三郎が行動に出る前に、白首坊主が下から伸びて来た鉄の棒で突き上げられた。
逃げる白首坊主を更に鉄の棒が追う。
「報酬3万の格安の仕事にしちゃ、ちっと過重労働じゃねぇか、これ?」
探偵兼便利屋の宗次が、長い鉄の棒を振り回しながら毒づく。追加料金を取らない主義の宗次は、料金内で納める為にさっさと仕事を片付けるしかない。
逃げる白首坊主に、ふわりと黒首坊主が寄り添った。
白首坊主が、鉄の棒で宗次に追われていた黒首坊主を助けようとして、勘三郎の自転車が巻き込まれたようだ。
黒首坊主が、水溜りの水で水球を作り、宗次の顔めがけて投げつける。
宗次がそれに気を取られている間に、白首坊主が別の鉄柱に頭を押し付けると、宗次ごと鉄の棒が引き寄せられた。
「ぅおっ!」
よろめきながら鉄柱にくっついた宗次は、手袋を外すと指先のない素手で鉄の棒を握り直した。ろっこん『ポイント・サンダー』が、鉄の棒に電流を流す。
びくりと跳ねて鉄柱から離れる白首坊主を、帯電したままの鉄の棒が襲う。
「ちょっと力づく過ぎるかね、我ながら!」
勢い良く振り下ろされる鉄の棒に裾を捉えられた白首坊主を助けようと、黒首坊主がいくつもの水球を宗次にぶつける。
その時、カアカアと鴉の鳴き真似をする勘三郎の大きな声が聞こえると、一羽の鴉が現れ、黒首坊主の頭を勢い良くつつき始めた。
ろっこん『腹ぺこガラス』で嘴太鴉に変身した勘三郎だ。
助け合いながら逃げようとする白首坊主と黒首坊主の前に、別のてるてる坊主が現れた。
戸惑う白首と黒首を前に、新しいてるてる坊主も困っていた。
(…どうしよう、黒い紐のてるてる坊主も一緒だよ…)
近所の店で買った布団用シーツ(577円)を頭から被り、首の所を緑色の紐で軽く結わえて体に巻きつけた
鴇波 羽衣
が、ろっこん『ういのはごろも』でシーツに備わった浮遊能力を使いふわりと浮いていた。
小柄の羽衣のその姿は、夜の遠目で見れば、てるてる坊主にそっくりだ。
羽衣はてるてる坊主の仲間のフリをして儀式の場所までおびき寄せようとしていたが、危険だから近づかないと決めていた赤と黒の片方に、さっそく遭遇してしまった。
(ど…どうしよう…)
浮いたままの3体のてるてる坊主に、仲間が増えても容赦しないとばかりに鴉の勘三郎が襲い掛かる。
「きゃっ!」
勘三郎に首の紐を引っ張られて、羽衣が体勢を崩した。
襲ったのが人間だと分かった勘三郎が、慌てて羽衣から離れると、今度は宗次の鉄の棒が羽衣に向かって振り上げられる。
勘三郎がそれを止めようと、宗次に向かって飛んだ。
羽衣は慌てて鉄の棒を避けるが、シーツの端が引っかかってしまった。緩んでいた首紐が解けるとシーツがはらりと地面に落ち、同時に羽衣も落下する。
「きゃあっ!」
ぎゅっと目をつむる羽衣の身体をふわりと何かが包んだ。
ろっこん『ういのはごろも』が発動して、羽衣を優しく地面に運ぶ。
羽衣が恐る恐る目を開くと、白首坊主と黒首坊主が包んでいた羽衣の身体から離れていく所だった。
てるてる坊主達が羽衣のろっこんの能力を知っていたとは思えないが、結果的に羽衣は怪我をせずに済んだ。
「もしかして…助けてくれた…の?」
てるてる坊主達は羽衣の疑問に答える事なく、夜の商店街に飛び去った。
「なにしやがる!」
鴉に突かれている宗次の怒鳴り声が聞こえた。
宗次の腕に止まった勘三郎が嘴で羽衣のいる方向を指す。宗次が目をやると、再びシーツを身体に巻きつけた羽衣が近くの塀の上から飛び降りる所だった。ろっこんが発動して宙に浮き上がった羽衣は、そのままてるてる坊主達を追って行く。
「人間じゃねえか! あぶねぇ…つーか、てるてる坊主どもに逃げられたじゃねーか!」
宗次は鴉を追い払って手袋を嵌め直し、鉄の棒を拾うと急いでてるてる坊主が逃げた方へ走り出す。
勘三郎も…と思いきや、変身中は通常の6倍速で空腹になってしまうというろっこんの影響で、すでに空腹が限界を迎えていた勘三郎は、変身が解けてしまい、いつの間にか自転車と一緒に道に転がっていた。
「…は、腹へった…」
勘三郎の腹の虫が、静かな雨の商店街に虚しく響いた。
逃げて来た白首坊主と黒首坊主に遭遇したのは、
八神 修
と
霧生 深雪
だった。
「俺は白い方を追う! ミユは黒い方を頼む!!」
修がすぐに白首坊主を追い掛けるのを見て、深雪が慌てた。
「シュウ! ひとりじゃ無理だって!」
しかし、修に足を止める様子は無い。
「ったく、そんな体力無いだろっつーの!」
深雪は苛立たしげに言うと、近くの店の前に出されていたプラスチックのケースの中からビール瓶を取り、思い切り地面に叩き付けた。
破壊音が、深雪のろっこん『破壊の旋律』を発動させる。
深雪は逃げる黒首坊主の追跡を諦め、ろっこんの力で飛躍的に向上した身体能力を使い修に追いつくと、修の近くを漂う白首坊主に向い指弾で鋼球を飛ばす。
白首坊主は深雪の指弾から逃げながら鉄柱を盾にして頭をくっつけた。
深雪の放った鋼球が、勢い良く鉄柱に引き寄せられる。
その間に白首坊主の背後に回った修が、捕獲用にと対策を施した釣竿を鋭く振った。
上手い具合に白首坊主の横首に近い場所にルアーの四方フックの針が引っ掛かり、糸よりも丈夫なものをと選んだ細いチェーンがカシャリと音を立てて、白首坊主と修の間に張り詰める。
もとより、自分の体力を承知している修は、体力勝負を挑むつもりはなく、リールは予めロックされている。
「ミユ、黒い方はどうした!?」
しなる釣竿を操りながら言う修に、深雪がぶっきらぼうに返す。
「知るか!」
黒首坊主より友人の方が心配だと、素直に言える深雪ではない。
「相手のスペックをよく考えろ。道具は選べ」
磁力を操る相手に鋼球を使った事を言っているのだろう。
「シュウこそ、一人で捕獲しようとか、こいつの事ナメてんじゃねーよ!」
「わかってる…」
言い返してくる深雪に修が悔しそうに呟いた。
てるてる坊主を甘く見ているわけではない。金属部品の使われている普通の竿やガイドリングやルアーなら磁力の餌食になると思い、苦労して金属部にチタンを使用したファイバー製の富んだ振出し釣竿を用意したのだ。弾力性だって抜群だ。市販の釣り糸ではいくら太くても材質上すぐに切れると思い、細チェーンを糸としてセットするのに、慣れない工作もこなした。
体力不足や荒事に向かない事を理由に、友人に頼ってばかりいるのが嫌なのだ。
特に、深雪のように友人の為なら身体を張る事を躊躇わない友人がいれば、尚更その想いは強くなる。
白首坊主は、修の釣竿を振り切ろうと、向かい側の鉄柱に飛ぶ。
修は、釣竿ごと引きずられそうになるのをなんとか堪えた。
白首坊主が頭をくっつけた鉄柱が、近くの金属を引き寄せ始める。
「シュウ、伏せろ!」
深雪が叫ぶ。修が友人の声を信じて反射的に身を屈めると、深雪が先ほど白首坊主に使って地面に落ちていた指弾の鋼球が、修の頭上を掠めて勢い良く鉄柱に飛んで行った。
深雪は鉄柱に向かって飛んでいく金属を素早く避けながら、白首坊主に向かって走ると、そのまま鉄柱にくっついていた一斗缶を足場にして飛び上がり、白首坊主に手を伸ばす。
あとほんの少しで手が届くと思った瞬間、白首坊主が鉄柱から離れようとした。
それを見た修は、対策をとったおかげで引き寄せられずにいる釣竿に、ろっこん『分解』を発動させた。
精神を集中させて息を止めると、手の中のリールが音を立てて分解されていく。
――ガシャン!
その音が、深雪のろっこんに作用し、深雪の身体能力が更に上がった。
「お前に罪はねぇけど、このまま放っておく事も出来ねぇんだ…悪く思うなよ」
ぐんっと伸びた深雪の手が、白首坊主の首を掴み、地面に落ちる。
空中で白首坊主の頭を抱え込むようにして身体を回転させた深雪が着地すると、すぐに修が駆け寄った。
「ミユ、無事か!?」
「まあな」
深雪はにやりと笑って、右手に掴んだ戦利品を修に見せる。
暴れないようにと、修は深雪が抑えている白首坊主の首紐を解き、安堵の息をつく。
「あんまり無茶はするな」
「そりゃこっちの台詞だっての」
深雪は、白首坊主に引き摺られそうになっていた修を思い出して笑った。
「ミユは、人の事を心配しすぎだ」
修にそう言われて、深雪はそっぽを向く。
「心配なもんは心配なんだから、仕方ないだろ!」
自分が見ていなければ、この頑張り過ぎな友人は、頑張り過ぎてそのうち倒れてしまうのではないかと深雪は時折不安になる。
「まあ、礼は言っておく」
友人の心配りが嬉しくても、なかなか素直になれない年頃というものがあるのだ。
修の強がりに、深雪が堪えきれずに笑った。
「素直じゃねーの」
「お互い様だ」
修もつられて笑ってしまう。
「何はともあれ」
修が目の高さに持ち上げた拳に、深雪が拳を合わせた。
「捕獲成功!」
顔を見合わせ笑い合う二人の間で、首を掴まれたままのてるてる坊主がぶらりと揺れていた。
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なし
シナリオジャンル
コメディ
バトル
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月13日
参加申し込みの期限
2013年10月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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