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晴れぬなら晴らしてみせよう、てるてる坊主
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「なんだか、皆さんで甘い物でも食べたい気分ですね」
聖が柔らかな笑顔で言うと、オリガが用意していたロシアンティーを振舞う。
「本当は、もっと美味しく淹れられるんだよ!」
オリガはそう言いながら、紙コップに入った紅茶と、小さなカップに入ったジャムに木のスプーンをつけて皆に渡す。もともと、お茶を振舞おうと思っていた天野がそれを手伝った。
「ジャムを口に含んで紅茶を飲むんだよお!」
甘いジャムを温かい紅茶で流し込むと、雨で冷えた身体に体温が戻る。
「美味しい!」
聖の言葉に、オリガが笑顔を見せる。
「Спасибо! 変なモノは入ってないから安心してねえ! クフフフフ♪」
ジャムを口にした聖の手が止まる。
「クフフフフ♪ みんな、Спасибо! 僕の事を『オーリャ』と呼ぶ権利をあげる!」
上機嫌なオリガは、聖を含め、今日の功労者達の頬にキスをして回った。
夜も遅いし、片づけを明日にしようと話して、皆は『うさぎ屋』へと戻った。
「いよーし、レディの無事を祝って、レディは俺の奢りだ!」
ようやく目を覚ました信彦が、気前良く宣言する。
「それはありがたい」
フクメンを外した刀が、空腹のあまり自転車の横で倒れていた勘三郎を拾って『うさぎ屋』に入って来た。
「待てっ、レディだけだぞ! 奢るのは、レディだけだからな!!」
信彦が刀に念を押す。
「豚玉デラックス2つ。大盛りで」
刀は信彦の話を聞かぬそぶりで勘三郎を壁際の席に押し込め、注文した。
「あいよっ!」
満月が笑って、注文を受ける。
「…まだ帰れないんスかね」
はしゃぐ信彦を眺めながら、舞衣がため息をついた。
「色々、便宜を図ってくれたんだろう? ありがとうね」
満月が、石榴にそっと礼を言った。
「カカッ、俺に出来るのは、サポート位だからな。…それはそうと、辻褄合わせに何かイベント考えてないといけないんだが…」
大人はまた別の事情で頭を悩ませる。
「お好み焼き おいしい ンゴーン!」
シダが念願のお好み焼きを、響也と一緒に食べている。二人には、色々と話したい事があった。
その隣では、尾鎌がお好み焼きを天野にあーんと言いながら食べさせようとして、きっぱりと断られている。
和やかな『うさぎ屋』の様子に、刀がふと頬を緩めた。
「こうしてフツウは守られた、なんてな」
聖が、隣に座った芽守に訊ねる。
「芽守さん、結局、今回の坊主さん達は一体誰に盗まれたんでしょう? どうしてこんな騒動になってしまったんでしょうか…」
芽守は愛用のメモ帳をぱらぱらとめくって考え込む。
「てるてる坊主達がイベントスペースを抜け出すには、人の手が必要だった事はわかっています。目的までは分かりませんでしたが、…そうですね、今ならまた別の角度で何か分かるかもしれません」
芽守は、新しい調査メモを並べた。
「調査開始…」
ろっこん『サーチ・オブ・メモリー』が新たなキーワードを浮かび上がらせる。
『研究』『実験』『観察』『妨害』『2つの』『爆竹』『煙』『昇天』『阻止』
「……どういう意味でしょう?」
聖に聞かれ、芽守は真剣に首を捻った。
「さあ?」
隣で景貴のため息が聞こえる。
「景貴、頼む」
芽守に言われて、景貴がキーワードを眺めた。
「うーん、『研究』の為に『実験』として『観察』しようとして『妨害』? それを『阻止』? 何か変だな」
「『研究』『実験』『観察』は、資料提供者の教授関連の情報だな」
芽守が言うとメグがやっぱりと頷いた。
「てるてる坊主の脱走を手伝ったのは、教授で決まりだよー」
すぐにその通りだと、石榴がカウンター席から教えてくれた。
「じゃあ、あとのキーワードは何の事だ?」
芽守がペン先で、キーワードをつついた。
「『2つの』『妨害』なら、1つは教授かな。もう1つは何だろう」
景貴と一緒に首を傾げたメグが、『爆竹』『煙』を指差した。
「これ、驚いたよねー。これは、その教授の仕業じゃないんじゃないかなー?」
「じゃあ、『2つの』『妨害』が『昇天』『阻止』していた?」
芽守の言葉に、景貴が閃いた。
「これ、『研究』の為に『実験』と『観察』をする教授と、『爆竹』と『煙』を使っててるてる坊主達の『昇天』を『阻止』しようとする『2つの』『妨害』があった、と読み解くんじゃないかな」
「じゃあ、教授の他に『妨害』した人って、…だあれ?」
メグの素朴な疑問が、推理を聞いていた者達の背筋に得体の知れない寒気を走らせた。
一体、誰が儀式を邪魔したのか、解けない謎がしこりのように残った。
その謎そのものである瓢に、士が追いついた。
「やはりな…」
混乱ある所に瓢ありと納得して、士が呟く。
「なあんだ、邪衣はんか。あそこにいたんだぁね。残念ながら、今回の目的は失敗でさぁ。これじゃあ、いけないねえ…」
瓢は自分の失敗でさえ嘲笑う。
「次は、もっと上手くやらなくちゃあ、いけないねぇ?」
瓢がくつくつと嗤った。
例え何度世界が瓢を押しつぶしても、瓢が瓢の求める世界を諦める事はない。
士は何も言わずに、瓢の隣に並んだ。
3人のフクメン達は、軽トラを降りてようやく息をついた。
「今日はありがとね~」
ネムに礼を言われ、雫がメイドらしく控えめに微笑む。
「ご依頼があれば、何でもこなすのが『何でも屋』でございます。全ては『御主人様』の為に…。
さあ、暖かいお茶でもでも淹れましょうか」
雫は、死守していたバスケットに入ったティーセットを取り出した。
軽トラの割れたフロントガラスを改めて見直し、黒瀬はガクリと肩を落とす。
(…バイト、クビになるかもしれん…)
そんな黒瀬に、雫が優しく声を掛けた。
「クロ丸様、頬に傷が…」
雫は黒瀬の傷にそっとキスをして、黒瀬を優しく抱きしめる。
(おおっ!?)
豊満な胸に抱かれて動揺する黒瀬に、雫のろっこん『メイドの抱擁』が発動し、怪我を癒していく。
柔らかくて温かくて、おまけにいい匂いのする感触を、黒瀬は目を閉じて味わった。
明日、晴れた空の下で落ちるであろう、親方の雷も怖くない気がする。
後日、保坂教授の自腹で綺麗に修復されたてるてる坊主が、修と深雪の企画で、『晴れ呼びてるてる坊主』として星ヶ丘寮のエントランスに展示された。
残念ながら、真央の猫のアップリケは取り外されてしまったようだ。
月詠が、スケッチを元にアトリエで作成しているという、古紙に墨を使って昔風のタッチで描いた過去の儀式の想像画も、いずれ飾れると良いのだが。
「ちょっとは供養になればいいな…」
深雪が言う。
「そうだな」
隣の修が頷いた。
「いい夏を呼んでくれよ」
修の言葉に応えるように、てるてる坊主の裾がふわりと揺れた。
気持ちよい風の中、眩しい青空を仰いだ天野は、ほんの少し、淋しそうに呟いた。
「いらっしゃい夏の晴天。…さよなら、梅雨の空」
もうすぐ、寝子島にも夏がやって来る。
終。
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あとがき
担当マスター:
青丹 よし乃
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました。
緑首坊主の能力に触れる方がいなかったのがちょっと残念でしたが、
当初予定していた方向がかなり変わったのは嬉しい誤算でしょうか。
皆様のおかげで、なんとか無事にてるてる坊主の無念と空が晴れました。
ありがとうございます。またお会いできれば幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青丹 よし乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
コメディ
バトル
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月13日
参加申し込みの期限
2013年10月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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