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あやかし大集会! ~花緑青駅で会いましょう~
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「よってらっしゃいみてらっしゃいなのです、今ある分がなくなったら終わりなのですー」
自ら商品棚にと切望した大きなテーブル付喪神に、エロが並べて置くのは例によって謎のナニカ。球体にも四面体にもふわふわにもかちかちにも見える謎のナニカを、今日のパーティにかこつけて大盤振る舞いの無料配布。
「こんなチャンスは今日だけなのです」
波打つ黒髪をふわふわ揺らし、白磁の頬に美麗な微笑み浮かべたエロが謎のナニカを差し出して見せるのは、お隣でお守りと占い道具のお店を広げていた片夏 慈愛瑠。
「あらぁ、変わったものを置いているのね」
ふんわりした頬におっとりとした笑みを浮かべ、黄色の狐耳と髪をふわふわ揺らしながら、慈愛瑠はせっかくだからと謎のナニカをひとつ手に取る。
「お代は?」
「無料なのです」
「あらぁ」
でもせっかくだからと慈愛瑠は出店の棚に置いていたお守りをひとつ、謎のナニカと交換ねとエロに手渡した。
「ありがとなのです」
「こちらこそありがとうね」
お隣さんと交流したあとに慈愛瑠が戻るのは、本業である貿易商で霊界中を飛び回って手に入れた呪術道具での商い。
「いらっしゃーい、いいもの仕入れてますよー」
吸血鬼が念を籠めた十字架に、炎の色して輝く孔雀の羽根、精霊が潜む魔術書、覗き込めば美しい女が現れ囁く水晶玉。あちこちで手に入れた逸品が並ぶお店の前には、通りがかりのあやかしたちや商品棚として使って欲しいテーブルたちがぞろぞろと並ぶ。
「はい、キジムナーの枝ですねー。こちらはうわんの呪い籠となっておりますー」
これをひとつ、あれをひとつ、とあやかしたちに求められるままに自慢の品を次々に売り捌き、
「おひとつどうぞなのデス!」
一段落ついたころ、裏手からカフェ手伝いの少女がひょっこりと顔を出した。片手間に口にしやすいサンドイッチと付喪神カップ入りのおばけジュースをもらい、慈愛瑠は座れスワレと寄って来た付喪神チェアに腰を下ろす。
ほんのり甘いおばけジュースに一息吐いて、広場で遊ぶあやかしたちを優しいまなざしで眺めていると、
「……あらぁ?」
少し向こうの付喪神テーブルの影からぴょこん、自分と同じ蒲公英の色した狐耳が覗いているのが見えた。蒲公英色のおかっぱ頭がちらちらとこちらを窺っていたかと思えば、
「やっぱり! 母上ー!」
テーブルの影から、愛娘の
片夏 阿呂江
が飛び出してきた。
「母上母上ー!」
ぱたぱたと駆け寄って来て、直前で立ち止まって居住まいを正しお淑やかに頭を下げる。
「お久しぶりでございます」
「あらぁロエちゃん」
「はい、阿呂江にございます!」
「どうしてここに」
狐耳も尻尾もぴこぴこ揺らして満面の笑みを見せる娘の姿に、貿易商ともうひとつ、秘密の仕事で家族の住む里に帰るのは数年に一度きりな母はふくよかな頬を綻ばせる。
(……知られるわけにはいかないものね)
貿易商を営む『片夏 慈愛瑠』が変化の術を使い、『怪盗エル・ヴィクセン』として霊界中を飛び回っていることを知っているのは、育ての親の『師匠』と夫のふたりきり。
「占い道具を扱う狐の出店があると聞いてまさかと思ったのです」
「……村を抜け出してきたのね」
そっと言えば、娘は僅かに肩を落とした。
「父上には黙っておいていただきたく……」
阿呂江の父──慈愛瑠の夫が頑なに娘を村から出そうとしないのには訳がある。ひとつは『怪盗エル・ヴィクセン』についてどこかで情報を得てしまわないため。敏い娘は、何かしらの情報を得てしまえばきっと『怪盗エル』の正体に気付いてしまいかねない。
(あとは単に過保護なせいもあるわね……)
俯く娘を傍に招く。小さい頃にしていたように膝の上に乗せようとして、娘の身体が思っていたよりもずっと大きくなっていることに思い至った。あらあらと自分に苦笑いして、付喪神の椅子に来てもらう。
歓声を上げて寄って来た椅子に阿呂江を座らせ、サンドイッチとコーヒーを半分こ。
「お祭りが終わったらあとでどこか行きましょうね」
しょんぼり丸まった背中を優しく撫でれば、阿呂江はパッと顔を輝かせた。
「阿呂江は人間の世界に行けるようになったのです!」
「あらぁ」
「人間達にもバレぬよう変化の術はしっかり使えております」
見ていてください母上、と立ち上がるなり阿呂江はその場で人間に変身してみせる。
「ギャルファッションを取り入れた人間の姿です」
「お見事」
これなら大丈夫ね、と母から太鼓判を押され、阿呂江は得意顔で元の姿に戻る。ほくほく顔で母の隣に再び座れば、母は眩しいようなまなざしで見つめてくれた。
「最近は人間のいる世界と繋がりやすくなったと聞いたわ」
「あの世界のファッション事情は興味深いものがあります」
「私も向こうでお店を開けたらいいと思っているの」
「そのときには阿呂江も母上のお手伝いをしたいのですが……」
父が許すだろうかと睫毛を伏せる阿呂江の狐耳をびりびり震わせたのは、空に大きく開いては散る色とりどりの花火。
「上を見てください、幽霊船ですよ」
花火を見上げ、花火を次々に星空へと落とす漆黒の幽霊船を指し示す。心配そうな顔をする母に元気よく笑って見せる。
「阿呂江はあれに乗ったことがあるのです」
どこにでも行ける船です、と言った声は、ほんの少し羨ましそうな色を帯びてしまったかもしれないけれど。
「あの船で乗客の皆を村の温泉へ招待したこともありました」
あのときのことを思い出せば、自然と声は笑みを含んだ。温泉や村の景色に喜ぶ皆の姿は、村長の娘としてやはり誇らしかった。
「その……」
「なぁに、ロエちゃん」
「阿呂江も村のために貢献出来たでしょうか」
「そんなの、決まってるじゃない」
父からの束縛を受けながらも村を思う健気な娘を、慈愛瑠は思わず抱きしめる。幼子にするようによしよしと頭を撫でれば、娘はくすぐったそうに笑った。
「がんばっているのねぇ、ロエちゃん」
「はい、阿呂江はがんばっております」
きらきらと輝く瞳で外の世界や外での体験談を話す娘の姿に、慈愛瑠は思わず夫を思う。かわいい娘をいつまでも護りたいという親心もとてもよく分かるけれど、
(あの土地に縛り付けるのは良くないわ)
空に次々と咲く花火を娘と並んで見つめながら、慈愛瑠は柔らかな笑みを浮かべて唇に人差し指をたてる。
「ロエちゃんが今日ここにいることも、別の世界へ行ってることも秘密にしてあげるわ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月20日
参加申し込みの期限
2021年11月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年11月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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