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あやかし大集会! ~花緑青駅で会いましょう~
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猫鳴館から整備された道路へ出るまでが難しい。
外灯がない。アスファルトでもコンクリートの道でもない。左右は森で、ともすれば前後だって森だ。樹々だ。叢だ。
(でもそろそろ安売りの時間だし)
手違いで桜花寮の代わりに入寮してしまった猫鳴館に寮母さんはいない。朝晩のご飯は寮生がそれぞれ作らなくてはならない上に、冷蔵庫は温い、ガスコンロはすぐ火が点かなくなる。オンボロ寮の台所設備は極めて貧弱で、だからこそ食料品の買い出しは重要事項だ。
頭にはモスグリーンのキャップ、灰色地に人気RPGのラスボスのイラストの描かれたTシャツ、足元は黒のスキニーにスニーカー、背には大きめのリュックという恰好で、入寮してから二ヶ月と少しが経っても全然慣れない山道を慎重に辿りながら、
(眠……)
ふぁ、と小さくあくびをした瞬間、
月原 想花
は気づいてしまった。
(この辺、猫鳴館の近くじゃないような……?)
足元が見慣れた砂利道から苔生した石畳の道に変わっている。
曇りの茜空だった空が眩いばかりの煌めく星空に変わっている。
「え、」
星空を遮るのは九夜山の樹々ではなく、幾重にも重なるように建てられた真っ赤な鳥居。
「ええ……」
まさかとは思う。けれど、
(道に迷った?)
思った途端、冷や汗が噴き出した。心臓がドキドキ跳ね回り始めた。手には汗、顔からは血の気が引いて、喉はカラカラ。
(嘘だ)
冷静を装って周りを見回しても見たことのない景色ばかり。
(ビビってちゃだめだ)
それが自分の欠点なのはよく知っている。冷静さを欠いてしまえばどうなるのかも知っている。
(怖がっちゃだめだ!)
怖がってしまえば、暗闇から得体のしれないものがぞろりと這い出して来てしまう。それが己の豊かな想像力の産物と分かっていても、こういうときに限って普段以上の冴えを発揮してしまうのが怖がりの性というもの。
闇から這い出たおどろおどろしい大蛇に頭から呑まれるところまで想像したところで、我慢の箍が弾けた。
「っ……!」
駆けだしてしまえばもう止まれない。後先考えず恐怖に任せて闇雲に走って走って──
「はっけよーい!」
出たところは、何故だか土俵の目の前だった。
(人がいる!)
助かった、と思ったのも束の間。
「のこったのこった!」
土俵の上には身の丈三メートルにも及ぶ巨大でありながらやたらめったらに美人な女性と身の丈一メートル半ほどのもっふもふの大狸ががっぷり四つに組み合っている。かと思えば、美人さんは不意に縮んだ。するすると魔法のように縮んで、あっと言う間に狸のもふもふお腹に顔を埋める。
「もふもふなのですー」
ふんわりとした声で笑う美人さんは声も美人だ。
お腹に顔を埋められた狸がくすぐったがって身をよじり、挙句こてんと転んで、勝利は美人さんの手の中に。
(……ってなにかおかしい)
狸と美人さんの大一番を呆然と眺めてから、想花はぱちりと瞬いた。おかしいどころか、土俵の周りをわあわあと囲んでいるのは狸に河童、巨大猫にろくろ首。土俵で行司をしているお爺さんには猫耳尻尾が生えている。
(これって、コスプレだよね? コスプレ会場に迷い込んだ?)
平常心を保つべく自分に言い聞かせる想花の目の前、次なる勝負が幕を開ける。
「西ィー、河童の湖ー。東ーィ、エロの山ー」
なんだか適当っぽく猫耳行司が名を呼びあげると、絵本の中で見たような緑色の肌に頭頂部に皿を乗せた河童がのっしのっしと土俵入りしてきた。
「つるつるには興味がないのです」
狸のもふもふお腹から顔を離さざるを得なくなってちょっぴり不満げな
エロ・イーアールオー
が優雅な挙動で土俵に戻る。
「みあってー、のこった、……の前に塩か? まあいい、のこったのこった!」
投げやりなような面白がっているような様子で猫耳行司が軍配をぱたぱたさせた。美人さんと見て目の色を変えた河童がエロにぶつかろうとするも、
「つるつるなのです、ひたすら押しなのですー」
瞬きひとつのうちに五メートルの大きさとなりながら肌の肌理も髪の艶やかさも失わぬエロがぱしーんと平手で張れば、河童はぺしーんと土俵の外まで吹っ飛んだ。
「美人はズルい……」
悪夢なようなそうでもないような目の前の光景に呆然と呟くばかりの想花の手を、もふもふ狸のもふもふ前肢がはっしと掴んだ。
「え」
「お相撲だよー」
つぶらな瞳で覗き込まれ、きょとんとするうちに土俵の前まで引きずられる。
土俵の上にはいつのまにか巨大な白猫がどかーんのしーんと乗っかっている。ほとんど巨大白猫で埋まった土俵の隅っこでは、ここまで勝ち上がってきたエロが最後の大一番に向けて準備運動をしている。
「なんで、なんでぼくが相撲しなきゃいけないんだよ?」
「お相撲、しないのです?」
エロから宇宙の深さをさえ思わせる漆黒の瞳で見つめられ、想花は狼狽えた。
「冗談やめて! ぼくはそんなの苦手なんだよ!」
見た目も中身も典型的な文科系女子なんだし、と喚いても、
「ぼ、ぼくは女だよ、土俵って女人禁止じゃないの?」
どこからどう見ても女性なエロを見ながら言い訳がましく口にしてみても、どれもこれも土俵から逃れる口実にはならないらしかった。
訴えのなにひとつとして聞き入れてもらえないまま、想花は狸と河童の手によって土俵へと押し上げられる。
「お相撲なのですー、ひたすら押しなのですー」
「いや三人? 三人でお相撲ってどういう……」
「はい、はっけよいのこったー」
やる気のなさそうな行司の声に被さるのは、土俵をぐるりと囲んだあやかしたちの熱の入った応援の声。がんばれがんばれ押せ押せー、と声援を浴びせられ、想花の足は逆に竦む。動けぬ想花の背中を、エロの手がぽんと押した。
軽く押されただけなのによろめいてしまったのは、エロがいつのまにやら三メートルの大きさになっていたからだろうか。
「わっ」
「優勝できたら猫又さんのお腹にダイブしてお昼寝する権利を堪能するのですー」
気合の声を上げて横たわる白猫のお腹に突っ込んだエロは、けれど白猫のもふもふお腹にぽいーんと弾かれ、
「ああ、魔性のふわもこなのですー」
重さをなくしたかの如くぽいーんと空高く舞い上がって行ってしまった。
「ええ、えええ……」
言葉を失くす想花に、行司がはい優勝と軽く告げる。優勝賞品は猫又さんのお腹でのお昼寝だと告げられ、さあ眠れ今すぐ眠れと土俵の上で寝たまま動かぬ巨大白猫のお腹へ倒れ込まされ、
(ええー……)
茫然としたまま、想花の意識は妙にふわふわして幸せな気分になれる本当の夢の中へと──目覚めたときには猫鳴館の自室のベッドの上な夢の中へと誘われて行った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月20日
参加申し込みの期限
2021年11月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年11月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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