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幻の花<硝子彩華>の咲く頃に
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「……迷い込んだか」
星ヶ丘寮の家への帰り道、であった場所。そこに、先程まで何もなかった道には、今。目の前に古い駅の改札口が見えている。
森の空気の重たさを交えた薄霧を纏った気配に、
八神 修
はこの世界が霊界であることを判断すると、即座に人界へ帰る方法を模索した。
大体、迷い込んだ生者はここから何もしなくても追い出されるものだが、未だにここの時間の流れは不明瞭で、早くに帰らなくては人界にどれだけの時間が過ぎているか分かったものではないからだ。
さて、と小さく呟く。その折、ふと目の前に張られていたチラシに目が行った。
題名は――『174回!【幻の花・硝子彩華】探索ツアー!』
「おお! チラシの効果があったぞ、うさ美よ!」
「お願いしますー。そのツアーに是非参加してほしいですー!」
同時に背後からぶつけられた声に、修が振り向くとそこには二体のあやかしが立っていた。
話を聞けば、テーマとなる『幻の花』探し。今回は、あまりにも現実的では無いことを思い知ったが故の、最後のツアーになるであろうということ。
「……それは、諦めがたい想いも有るだろう。
良ければ参加させてもらおう、俺も探してみるよ」
そう告げて頷けば、その場の茶釜たぬきのポン吉と脚力逞しそうなうさ美は、そのゴマのような愛くるしい目を輝かせた。
「さて、そうなれば。まずは発見時の連絡はどうすればいいだろう」
修の言葉に、二体はハッと顔を見合わせた。
これは『何も考えていなかった顔だ』と、即座に修は理解する。
「もう、こうなれば実在していたというツアーの人の言葉だけで幸せになれるからのぅ」
悲しい程に長く続いたツアーに、どこか感覚がボケてしまっている二体に、修は自分の携帯を取り出して電波を確認する。――電波が立っている。一時の偶然であろうが、もしかしたらと、ここ浅縹駅にある古ぼけた公衆電話の番号を教えてもらい掛ければ、そのベルはヂリヂリと音を鳴らし、連絡が可能であることを確認出来た。
「おおっ、これなら連絡が取れるじゃろう!」
喜びにはしゃぐ二体に、修は手際良く準備品を預かっていく。
受け取った地図には、現在地と花の目星を付けた赤丸、そしてこの駅の場所が紙の中ながらも、自在に動くように映し出されている。
「これなら、ランドマークの手間も省けた。
一緒に方位磁石と、日の出の方角も聞ければ」
「方位磁石はこれとー。日の出の方角は、いつもあっちの山からですー」
「ああ、助かる。位置が判っても方角が分からないと非効率だからな。
理解と準備そして努力は、幸運が微笑む前提条件だ」
修が告げつつ、そして己の体力的に、この森の中に何かしらに移動手段などがあればと思い試しに問い掛けてみれば、やはり徒歩しか手段はないという。
「まあ、頑張ってみよう」
二体が見送る中、そうして修は歩き出した。
最初は一本道。歩きながら地図を見て、夜明けの陽光が当たりそうな場所を目算し、更に水場付近と場所を絞り、目的地をいくつかに狙いを定めていく。
修は今でこそ既に健常の領域だが、それでも体力があるとは言い難い。限りの少ない体力を配分しながら、常にその場の最適解を出しながら道を進んでいく。
途中、想定の範囲内で、目星の場所の近くにある目印の付いた花畑にも寄るが、それは日当たりが山で遮られていたり、大きな岩で護られており、花の咲く条件としては少し足りない。
「なるほどな……」
そうして場所を巡りながら、候補を可能な限り絞り切って、修は見つけた花畑の蕾を細やかに観測していく。
蕾の萼部分に、他の場所に咲くものと違いは無いか。
耳を澄ませば、咲く前兆となる音は聞こえてきたりしないだろうか。
水場近くが条件。ならば、より空気の澄んだ場所はないだろうか、等――。
そして、
「――ここ、だな」
最後に絞り込んだ一箇所の光景に、修は己の努力の命運を定めた。
空が白み始める。
今、構えるカメラは固い蕾を映し出している。これが本当に幻の花ならば、経験上映らない可能性の方が高い。
それでも一縷の望みを懸けて、カメラのファインダーを覗き続け――その視界外に、修は一筋の光を見た。
朝日の光が矢のように、花畑に差し込みその場を照らし出す。
同時に、風も吹いていないのに、鼓膜を柔らかな木製のウインドチャームを鳴らすような音を震わせて、その場にぶわっと薄桃色の硝子花が一斉に光と共に咲き満ち溢れた。
それは、ふわりとした春風のように巻き起こる幸せの色――修は無意識でシャッターを押していた。
光舞うこの光景を一枚でも写ることを、駄目で元々の思いで祈り。
「やはり、だめか……」
デジカメに写らないのを確認して、思わず修は落胆を隠せない。
しかし――何かしらそこに残っていることを、心の何処かに期待して。修は、デジカメからそれらの画像の削除はしなかった。
それから、携帯を取り出して修は駅のポン吉とうさ美に連絡を取って場所を伝える。二体は電話越しに大騒ぎをしながら、急いで来ると伝えて電話は切られた。
「……」
今も硝子で出来たかのような繊細な細工の花が、次々と咲いていく。
淡く、桃色に辺りを照らす花の燦めき。
包み込むような、過ぎた春の音色。
思い起こすのは、柔らかな――
「優しい色だな。
音楽のような音がしたよ」
そっと、その場にいない『愛しいひと』へと語り掛けるように呟いた。
その人と見られたら、これはどんなに素敵な思い出になっただろう。
「……沢山、咲くと良いな」
次々と現実として彩られていく、心より無限に溢れ出る泉のように形取られるこの眼前の奇跡を、修は五感全身で受け止めた。
「そう言えば……」
――色付きの花を見ると、恩恵を受けられるという。
修はふと、それについて考えた。
胸に抱くものは、ひとつ。
どうか、理解しあい、心を重ね。同じ道を踏み出しあえるような、勇気を。
そこに絆を。深い想いを重ねる愛に。力を、勇気を。
――自分は、決して諦めない。
「おおおー! 本当に咲いてるのじゃー!!」
ポン吉とうさ美が遠くから走って、感嘆の声を上げている。
「ああ、本当に綺麗に咲いているな」
「すごいですー! ホラが本当になったのですー!!」
「こらあ! ホラとか言うでない、奇跡が叶ったのじゃぞ!!」
こうして、二体の話を聞くと、修の胸にひとつ想いが沸き立った。
その唇が、想いを紡ぐ。
(奇跡は――起こせるからこそ奇跡なんだよ)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月15日
参加申し込みの期限
2021年11月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年11月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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