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幻の花<硝子彩華>の咲く頃に
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ひとりと一体――否、ふたりで夜の見回り兼散歩をするようになってからどれほどの時間が経っただろう。
今日も夜は深くて、静かに星が瞬く空の下を、
御剣 刀
はビスクドールのルヴィアを腕に乗せてゆっくりと歩いていた。
歩く道。突如、ふわりと空気が変わる。
気が付くと目の前には、先程まで存在もしていなかった駅の入り口が見受けられた。
『赤朽葉駅』――その側らに立つ駅の看板に張られていた一枚のポスターが目に入る。
「これ、何だろうな?」
ルヴィアと共にそれを見れば『174回!【幻の花・硝子彩華】探索ツアー!』そう大々的に銘打たれた題名と共に、ツアーの内容が事細かに記載されていた。
開催日は、本日。
「なるほど……」
「あ! さっそく張ったポスターにお客さんがいますよー!」
「そこの少年! 是非、是非参加してくれんか! 後生じゃからー!!」
そこに勢い激しい声が飛んで刀にぶつかる。何事かと思って振り返れば、そこには主催だというポン吉とうさ美という、たぬきとうさぎが、このツアーの魅力を、言葉で情熱の滝のように溢れ返らせながら説明をし始めた。
「幻の花か、なかなかに心惹かれる言葉だな……」
刀の呟きに、二体が一斉に訴え掛ける。
「今回で多分、最後なんですー」
「絶対後悔はさせない、はずじゃからー!」
「そうだな……よし、折角だしちょっと旅行するか」
たまには、こんな夜の散歩も悪くない。刀がルヴィアに微笑み掛けると、ルヴィアからの雰囲気がいつもより身近に感じられた。この世界との相性が、きっと良いのかも知れない――その瞬間、まるでルヴィアが頷くのが見えたようだったから。
車窓の景色に、夜の中を時折ちらちらと。電灯だろうか、細い光の線が走るように駆け抜けていく。
ルヴィアを窓際に寄せれば、その艶やかなドールアイに光が反射するのを刀も一緒に確認する。
目的地の駅までそれなりの距離。夜更けも走る車両は本当に夜の小旅行を思わせた。
過ぎゆく時間はあっという間であったものの、距離としては寝子島ほぼ半周の旅。
本当に、ぶらり旅というには相応しい時間と距離を味わいながら、ふたりが到着した『浅縹駅』にはあやかしと、訳も分からず迷い込んでは尚も好奇心の勝った人々でそれなりの賑わいを見せていた。
「はい、お兄さんとドールのお嬢ちゃんは一枚でいいかな?」
恐らく手伝いであるのだろう、ろくろ首のあやかしから渡された地図には、かなり数は多くもあちこちに分散した赤丸と、今いる浅縹駅、そして今その場にいる自分達の場所がほんわりと浮かび上がっている。
そうして地図を手にした刀は、片腕に座るルヴィアとそれを見つめつつ、さっそく森の中へと入っていった。
地図の灯りがふうわりと周囲を照らす。視界は困らないが足元は踏み固められていても少し覚束ない。
「灯りはあっても、暗いから気をつけないとな」
ふ、と。腕に乗せていたルヴィアに、自然と刀が目を向けた。呼ばれたような。気のせいだろうか。
ルヴィアは、地図をその紅の瞳に映し込んでいる。だが、それだけでも刀には何となく、この世界ならばルヴィアの意図が分かるような気がした。
「ああ、候補は一通り回って見ようと思ってる。ろっこんを使えばいけるだろう」
言うが早いか、刀の姿は己のろっこん【加速】によって、その場からかき消えた。
そして、上空へと駆け上がり地図の目星が付いている箇所のひとつひとつを、しらみつぶしに巡り始める。
空を駆け、川の袂に降り、滝壺の近くまで。時折言葉を交わしながら月光のない星の灯りの下を走る光景は――刀と、腕に寄り添うルヴィアだけの世界。
「……ここで、一通りか。
けど、どこも綺麗な場所だっただけに――」
花々は蕾の段階でもどれもが美しく、探してみてもとても何れかを選ぶ事が叶わなかった。
最後の一箇所、森の最奥近く。
足元に降りた場所は、ひときわ広めの空間を奪うように森の木々が拓けた蕾の花畑の中心地。
「どうするかな……」
思わず思考が呟きに洩れる。それを耳にしたかのように、ルヴィアの気配がする。まるで、此処に留まって欲しいとこちらの服の袖を引くかのように。
「ルヴィアはこの場所がいいのか。
ふむ――うん、ここはルヴィアの希望でいくか」
刀はそう呟くと、ふと目についた花畑の隙間に置かれた大きな石のひとつの上に胡座で座り、より近くも一望が可能となった視界で、己の膝の合間にルヴィアを乗せた。
そして――朝日が巡るまで、話をした。
『ルヴィアが付喪神になったら、もっと話もしやすいのだろうか。それはそれで、悩みも出て来そうだけれども』――なんて、優しく微笑めるような、とりとめのないものであったけれども。
その時。一筋の光が、見えた。
音もなく、花畑へ差し込んだ帯状の光。それは心地の良い硝子片を散らすような音を、この場に呼び寄せるように鳴らし広がり始めた。
響き渡る硝子の音、同時に薄い氷が融けて春を呼ぶような柔らかな光の元に、無限を思わせる無数の澄み渡った花びらを咲かせ始めた。
刀とルヴィアの眼前で起きる幻想の光景が一斉に花開く。
「……驚いた。これ、本当にガラスみたいだ。やっぱり色がついてな――あれ?」
視界のさして遠くない場所。まるで、その場所だけ、周囲の光を吸い込むように輝いて見えた。
目に入ったものは、周囲も霞む、そんな一輪の黄金色の花――
「本当にあった……」
話によれば、金色の花は『幸福の恩恵』が受けられるという。
だが、刀は思うのだ。
光が溢れる世界。ルヴィアと、この様な光景を見られるだけで、既にその幸運の恩恵を受けられているのではないかと。
忘れない。この景色を、この光景を、忘れたくない。
だが、それでも――
……どれだけ覚えておこうと思っていても、人の記憶は薄れてしまうものだから。
「だから――ルヴィア、俺の分まで覚えててくれ。
この景色を、ここで抱いた想いを……俺も忘れない努力はするけどな!
写真撮ろう、撮れるかな? ――やっぱり写らないかーっ!」
超常現象のお約束ではある。刀は、諦めてカメラの意識を己の瞳に切り替えて凝視する。
――ルヴィアは、己の目にその光景を受けながら。
まるで、小さな身体でくすくすと笑うように、穏やかな雰囲気を伴って。
その瞳は、傍らにいる温かな刀と、光り輝く花畑をじっと見つめるように映し出していた――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月15日
参加申し込みの期限
2021年11月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年11月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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