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幻の花<硝子彩華>の咲く頃に
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『あれ、ねこでんにトンネルってあったっけ――』
一瞬、車窓の景色がトンネルに呑まれて闇の中に潜り込んだ光景に、
綾辻 綾花
は不思議そうに首を傾げた。
実は授業中に居眠りでもしてしまい、ここは夢の中なのだろうか。
しかし、噂には聞いた事がある。寝子島には重なるように『霊界』というものに沿って『魔行列車』と呼ばれるものが走っているらしい、と。
自分が今いるのは、その中であるのかも知れない。
そのような視界の中で、曇りひとつなく、はっきりと綾花が目にしたものは、一枚のポスターだった。
「『174回!【幻の花・硝子彩華】探索ツアー!』――?」
「あ、ポン吉先生、新しい人がいますー。これ『参加者さんが増えた』んじゃないんですかー!?」
「うむ。そうじゃな、うさ美よ!
と言うわけで、興味を持ってくれたお嬢ちゃん、この地図を手に! 是非!! ツアーに参加を!!」
気が付けば足元から、声が聞こえる。
ポン吉と呼ばれたたぬきと、うさ美と呼ばれたうさぎのコンビ。話を聞けば、『幻の花』と呼ばれるガラスで出来た世にも美しい花を探しているのだと。今までずっと追い求めていたが、今日が定期開催の最終日、せめて有終の美くらいは飾りたいという欲もあり、参加してくれる人は多ければ多いほど良いという。
その圧倒的気合いと根性に押されて、綾花は地図を受取り、うっすらとした霧の立つ浅縹駅のホームへ降り立った。
長い時間が経っている故だろう、山道の中でも踏み固められてある程度進みやすくなった道を、綾花は地図を見ながら歩いていく。
最初は薄暗い森に足が躊躇うが、勇気を出して一歩進めば、ほんのりと弾む心に、沸き立つ楽しみ。
幻の花とはどのようなものだろうか。硝子で出来ているという花。形も分からないけれども、猫耳っぽい形がついていたらきっととても可愛くて素敵に違いない。
――そうだといいな、そんな思いを温かくなってきた胸に抱いて、綾花は最初の分岐点で仄かに光る地図をじっと見つめながら、どこへ進むべきかを思案した。
赤い丸がついているところは、少し足を伸ばせばあっという間に辿り着けそうな近場から遠くまで、数多く点在している。
――ここに来る前に、うさ美がぴょんと跳ねて綾花に話し掛けて来たのを思い出す。
曰く『薄いピンク色の幻の花を見ることが出来ると、恋の成就の恩恵を受けられる』
その話題は、綾花の胸にくすぐるような緊張を伴って残っていた。むしろ心はそちら一色で、出会えるならばその色の花が良いと願うばかり。
あるとしたら、どこだろう――せっかくならばその色の花が見られれば。
幻の花であるから、完全な神頼みとなってしまうが、そんな時こそ思い浮かぶのは、いつも図書室でずっとお世話になって来た、恋心に会うたびに胸を高鳴らせてしまう先生の顔。
心温かで、そして少しどきどきする相手の顔を思い浮かべれば、今までどちらも同じに見えていた道の片方から――まるで綾花は呼ばれるように、トクンと胸の鳴った方の道を歩み始めた。
視界の邪魔をされることはない、まるで薄絹のような霧の中を歩く。
歩きながら思うことは沢山。しかし、それに時間をずっと費やすよりも早く。綾花は、目的地のひとつである、水のせせらぎが見える傍らに、小さな花畑を見出した。
「ここ、でしょうか……?」
ぽつりと零した声だけが響く。閉じている蕾の群れは、咲いてみるまでその花かも分からないのだという。本当に、そもそも幻の花があるのかどうかも分からない。若干不安に思いながら、綾花はその場で夜明けを待つことにした。
他の場所へは行こうとは思わなかった――それは、綾花の心の何処かが、うっすらと、しかし確かに『ここ』だと告げていたからかも知れなくて。
しん、と。静けさだけが、まるで霧が鼓膜に僅かに触れているかのような音を伴って響いている。
ふと、綾花は花が咲くまでの間。誕生日に、想い人である先生からプレゼントとして受け取った白黒色の猫のブローチにそっと指を触れた。
猫の全身をモチーフにしたブローチは触り心地も心地良く、何よりそれには想い出が詰まっている。
綾花は思わず頬がかすかに持ち上がってしまいそうになる表情を抑えて、想いを掛けずにはいられない、幻の花が見られる事を願いながら朝を待つ。
思わず幸せで弛む心に、少しの緊張感をとふるふると頭を振る。そこに感じ取った存在感は、以前ねこの王様と呼ばれていたシリウスから受け取ったいぬねこの国の白い花をモチーフにした髪飾りのもの。
あまりにも突然で、驚いたけれどもそれはとても嬉しくて。そちらにも思いを馳せれば、ふと見上げた空はいつしか遠くでうっすら白んできていた。
光が一筋、その花の群生場所に差し込んだ。
ふわり、と。それは光が漂うような音でありながら、確かにその場に音ととして響き渡った。
柔らかく、まるで薄く散り広げた綿が漂うような燐光が辺りを包み、花が――薄桃色の硝子で出来た、上部に猫耳のような小さなとんがりを持つ花びらを広げ始めた。
「薄桃色……!」
綾花が思わず呟いた。恋に助力を、この想いに祝福があるかも知れないと思うだけで、胸が大きく鳴って止まらなくなる。
その願いは、こんなにも幻想的な光景の中で広げられるならば尚更のこと――。
「素敵……。想い出に、一輪だけ……」
じっと目にした中から、一際綺麗に輝いて見えた花を一輪そっと手に取る。
触感は、自然の瑞々しさと硝子が融け合ったような、不思議な感触。
「いつもは栞で作ってるけど、この花はドライフラワーになるのかな?」
手にしただけでとても燦めく薄桃色の花。
保存するのであれば、どのような状態が妥当だろうか。もしも本当にガラスに近しいものであれば、僅かでも圧力を掛けてしまっては散り散りに砕けてしまいそうな気配がした。
出来るだけ、否、必ず綺麗に保ち続けたいものだと思う。
――それは、手にした恋が、ずっとずっと幸せを与えてくれるかのように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月15日
参加申し込みの期限
2021年11月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年11月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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