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いつも見頃の万年桜
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桜井 ラッセル
は初夏の美しい風景に包まれた。九夜山の緑は映え、野鳥の声が耳に優しく語り掛ける。
「やっぱ、いいよな」
山沿いの道を弾むように歩く。金髪の三つ編みが黒いサマースーツの背中で踊るように撥ねた。カラフルなランニングシャツは様々な原色が混ざり合い、華やかな印象が際立つ。
両腕を広げて大きな伸びをした。
「良い香りだ」
青い目が周囲を探す。どこにも花は咲いていなかった。その状態で甘い匂いが強まり、立ち眩みにも似た動きを見せた。
「なんだ、これは?」
頭を下げた状態で辛うじて踏み止まった。
頭を軽く振って姿勢を正す。
「え、これって……」
白装束の男性が目の前を通り過ぎる。身体は半透明で額には三角の布を付けていた。
「……また霊界かよ」
二度目なので理解が早い。
最初の時
とは違って華やかな場となっていた。
大きな桜の木が満開で賑やかな声が絶えない。どこを見ても桜があり、空気まで甘く染まっているようだった。
「前よりはいいけど……」
心配そうな顔で小刻みに歩く。意識が前に集中していたこともあり、横手から現れた半透明の女性を気付かない。大事にはならず、難なく擦り抜けていった。
その直後、ラッセルの全身が震えた。
「さ、さ、寒い! 擦り抜けは勘弁してくれよ……」
女性の耳には届かず、周囲に溶け込んでいった。
ラッセルは気を取り直して歩き出す。恐々とした目は前だけでなく、横手にも向けられた。
「俺は、生きてるんだよな?」
弱々しい声で自問する。周囲には幽霊の類いが多く見られた。花見を楽しんではいるが等しく身体は透けていた。
ラッセルは自身に目を向ける。手で感触を確かめて安堵の表情を浮かべた。
歩き回ることで少し冷静になれた。あやかしの者にも目が慣れてきて、ふと心に思った。
――ここが霊界なら、お婆ちゃんや犬の大吾郎にも会えたりして。
小柄な者に目が引き寄せられる。背中の場合は前に回り込んで確かめた。
「ま、心配なんかしてねーけどな」
四つん這いの犬には目を見張る。よく見ると狛犬であやかしの類いだった。
ラッセルは目を落とす。寂しげな顔で笑った。
――お婆ちゃんは大往生だし、霊界でも元気でにこやかに笑ってるんだろうな。最期は痩せ細って見てられなかったけど。
潤む目を指先で擦って、やめやめ、と思考を中断した。
自身を鼓舞するように勇ましい歩き方となった。その目立つ行動に
油屋 銀
が気付いた。早速、商売人の顔で声を掛ける。
「そこのお兄さん、稲荷寿司はいかがですか」
「いい、いいから! 俺、腹いっぱいなんだ!」
ラッセルは速足で屋台の前を通り過ぎた。
「ヨモツヘグイではないのですが」
銀の声は遠ざかる背中には届かなかった。
前のめりとなってラッセルは歩いた。かなりの距離を進んで立ち止まる。そっと後ろを振り返って大きな息を吐いた。
「悪いことしたかな……でもなー、霊界の食いもんだしなー」
「このお稲荷さん、おいしいね」
近くの声に目を向けると小さな女の子であった。小鬼達に囲まれて笑顔を見せる。身体は透けていなかった。
「俺と同じなら……でも、今は桜が気になるし」
「万年桜と言います」
「え、あんたは?」
隣に猫が立っていた。猫背とは無縁でぴんと背筋を伸ばしている。尻尾は二本でゆらゆらと揺らす。
「ただの猫又です。楽しんでいってください」
軽い会釈で去ってゆく。
「……猫又が普通じゃないだろ。ま、今は霊界の花見を楽しむかな」
ラッセルは人気の少ないところにきた。オルゴールの金の鍵を強く握る。ろっこん『黄色いピヨコ』が発動して黄色いカナリアに変身した。胸元に小さな鍵をぶら下げた状態で空を舞う。
上空から見た桜は丸くて大きい。薄桃色の大輪が集まって幻想的な世界を醸し出す。
――せっかくだし、近付いてみっか。
大ぶりな枝に見事に降り立つ。全身が甘い匂いに包まれた。酔っ払ったような足取りで花弁に寝転がる。
――花のベッドだー。
戯れるように転がり、思い切り羽を伸ばした。
柔らかい日差しの中、ラッセルは道端に座って頭を前後に揺らす。気持ちよさそうな表情で、満開だー、と寝言を繰り返すのだった。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
今回は霊界の銀朱駅近くの万年桜が舞台となりました。季節に関係なくお花見が楽しめます。
種族の垣根は取り払われて皆が陽気に過ごしました。
少し悲しい背景を持つPCさんもいましたが、心安らぐ日になりましたでしょうか。
地元の住人として参加された酒豪のPCさんは心ゆくまで呑まれたことと思います。
愛らしいPCさんはわんこ豆腐に挑戦しました。健闘した人にプレゼントされる根付を気に入ってくれればいいのですが。
小柄な大食いPCさんは稲荷寿司でお腹を満たし、更にわんこ豆腐まで。いろいろと回ったことで最後は時間切れとなりました。
最初の霊界のイメージを引き摺ったPCさんは恐々と見て回りました。桜のベッドは寝心地が良かったみたいでほっとしました。
個性豊かなアクションのおかげもありまして、華やかな状態で書き上げることができました。
ご参加、本当にありがとうございました。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
動物・自然
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年11月04日
参加申し込みの期限
2021年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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