this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
霊界の空を幽霊船の飛ぶ
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
海岸に舞っていた蛍がすべて海蛍となり、最後には人魂じみた炎と化しても、巫女装束の蛍子の周りにだけは数匹の蛍たちが侍っている。
「行きたいところ、ある?」
蛍を連れた少女に問われ、舷側からぼんやりと深夜の街を眺めていた小雪は小さく頷いた。
「遊園地ですね」
ほんの少し寂しく微笑む小雪の足元がふわりと揺らぐ。驚いて目を瞠るその視界の中、ゆらゆらと揺れながら船が浮かび上がった。周囲を舞い飛ぶ人魂たちに誘われるかのように、その蒼白い光を波とするかのように、幽霊船は寝子島の空へと漕ぎ出す。
海が遠くなり、空が近くなる。舷側に縋りついて見下ろす間に、眼下の海が連なる家々の屋根へと変わる。
「私、高い所は苦手だから飛ばないけれど、」
空を渡る幽霊船から見下ろす景色のあまりの高さにその場に尻餅をつきながら、小雪は傍にしゃがみこむ蛍子に淡く微笑みかけた。
「大観覧車くらいなら……」
シーサイドタウンに大観覧車が出来たときから、ずっと気にはなっていた。けれど、生きているときには乗れなかった。
「案内していただけますか?」
そっと手を伸ばせば、蛍子は楽しそうにその手を両手で握ってくれた。ふたり一緒に立ち上がる。
「猫爺」
蛍子は傍にいた作務衣姿の老翁に小雪とのお出かけを告げる。気をつけて行っておいでと言われるなり、蛍子はぐいぐいと小雪の手を引いた。
「行こう、ゆーえんち!」
躊躇いなく舷側の際に立ち小雪の手を引いたままふわりと飛び降りる。幽霊とあやかしの少女ふたりの身体はけれど落下することなく、ふわふわふわり、蛍のように空を舞った。
「……夢みたいね」
蛍たちと共に星空へと飛び込み、夜に佇む大観覧車へと向かう少女ふたりを見送りながらまゆらはぽつりと呟く。そうね、と優しく笑って、ありあはもう一度繰り返した。
「夢だからね」
蒼白い人魂たちに導かれ、寝子島の空が不意に変化する。と同時に眼下に見えていたはずの寝子島の姿が一変する。
そこは空にも地にも千差万別のあやかしたちで満ちる霊界。
空に舞う翡翠の龍と共に空を渡ったかと思えば、淡い蒼白の輝きを帯びて走る魔行列車の上空を交差して噴き上げられた蒸気の黒煙にみんなで咳き込み、駅ごとに特色を変える島の様子にまゆらは目を輝かせる。
「なんだかよくわからないけど、そんなに怖くないって感じかなあ……」
ちょっとレトロな感じがするよね、と船から飽きず眺めては呟くまゆらの横、阿呂江が立った。
「儂の村にも寄って行くかの? 皆に温泉を堪能してもらいたくての」
「温泉? 行く行く!」
きゃあ、とまゆらは歓声を上げる。
請け負ったとばかり、周囲の骸骨船員たちが拳を空へ突き上げた。目指すは寝子島で言えば寝子温泉のあるあたりからほんの少しだけ離れた位置にある『片夏(ひらなつ)村』。
龍が巻き起こす風をぼろぼろの帆に受け、幽霊船は進む。温泉の湯気があちらこちらから立ち昇り、宿屋が数軒建つ村の上空に至ったところで、甲板でうたた寝していた巨大白猫がにゃあんと起き上がった。温泉と観光目当てのあやかしたちをその背に乗せ、ひらりと船から飛び降りる。
「おおー」
行けるなら何処へでも行きたい歩が声を上げている間に、
「行ってらっしゃい」
錆びてしまうかもと舷側に残って眺めるキィが手を振る間に、ゼロがうたた寝から目覚めぬ間に、白猫はあやかしたちを背にふうわりと音もなく片夏村の入口へと着地した。
入口に立った途端に温泉の香が流れ来て、紫は瞳を細める。
「いいところだ」
「そうであろうそうであろう」
おかえりなさいと迎えに出て来た村人に鷹揚に頷きながら、阿呂江は得意顔をする。そうしながら、こそり、村人に問うた。
「父上は」
まだ午睡の最中です、との村人の答えに、そっと胸を撫でおろす。白い毛並みの大きな狐の姿をしていることの多い父は、あやかしとしては高齢の部類に入るためか最近はよく眠る。娘が村の外に出ることをなかなか認めてくれぬとあって、阿呂江は時々、父が眠りについた隙をついて寝子島に遊びに行く。
「さあ、案内してやろうぞ」
温泉に甘味屋、駄菓子屋に土産物屋。小さい村ではあっても、村長であり観光協会会長でもある父の手腕もあって、若者が居つかぬ悩みはあれど村は賑わっている。
「まずは温泉じゃな!」
暫しの片夏村滞在の間に温泉を楽しみ、御屋敷の家族たちへの土産を大量に買い込み、
「さて、と」
動き出す船上で紫は見送りに立つ阿呂江や村人たちに手を振りながら呟いた。
「次は僕の屋敷へ寄って貰おう」
匠と名高い鏨一家の御屋敷に立ち寄れると知った骸骨船員たちがカタカタと顎を鳴らす。興奮のあまり打ち叩いた手が勢い余って外れてしまった船員の腕を手際よく嵌め直してやりつつ、紫はぼろぼろの幽霊船を見回す。
せっかく空を飛べるようになった船が、こうまで襤褸なのは大工として見ていられない。
「またの船出に、化粧直しをしよう」
大工も塗師も総出、と指折り数えたその上に、
「御代は僕が持つ。どうだい?」
棟梁のまたとない申し出に船員たちが酒盛りを始めたり、目覚めたゼロが楽し気な雰囲気につられてキィの手を取ってくるくる踊り始めたり、そこに歩が混ざったり、ありあに促されたまゆらが声優学校仕込みの華やかな歌声を響かせたり。楽しい船旅はまだまだ続く──
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。みなさまの物語と霊界クルーズ、お届けに上がりました!
あやかしのみなさまのそれぞれのお話も、幽霊船でのあれこれも、とても楽しく描かせていただきました。
少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
オンボロ幽霊船が新しく生まれ変わった後の物語も、そのうちにお届けできたらなあと考えております。
ご参加くださいまして、お読みくださいましてありがとうございました。
またいつか、お会いできましたら幸いです。
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
霊界の空を幽霊船の飛ぶ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月22日
参加申し込みの期限
2021年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!