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霊界の空を幽霊船の飛ぶ
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風のない夜に、金色の光がゆらりふわりと舞っている。
(蛍)
カーテンと網戸の向こうに見えた光を人形の瞳で追いながら、1/6スケールフィギュアであるところの
姫之崎 ありあ
は台座からそっと踏み出した。
机で突っ伏して寝入ってしまった一人暮らしの部屋の主──
落合 まゆら
のことは心配だけれど、小さなこの体ではベッドから肌布団を取って肩に掛けてやることもままならない。
それに何より、まゆらには自分が付喪神となったことも、こうして動けることもまだ知られていない。
いつもはフィギュアケースの中に大切に仕舞われているものの、今日はまゆらが手入れをしてくれた。刷毛で丁寧に埃を払って、ウェットティッシュで体の汚れを拭って、そうして机の上に乗せて。夢見るようなまなざしで眺めてくれた。
付喪神になったのはつい最近のことだけれど、どうして自分が付喪神になれたのかもよく分からないけれど、一因はきっと、まゆらにあるとありあは信じている。ポリ塩化ビニルで造形された身体に魂を吹き込んでくれたのは、『姫之崎ありあ』に対するまゆらの想いにあるのだと。
(まゆらちゃん)
足音もなく机の上を歩き、まゆらの頭の傍に立つ。
すうすうと気持ちよさそうな寝息を立てているまゆらの額をそっと撫でる。
(がんばってるね、まゆらちゃん)
寝子島アニメーション学院声優科一年生であるまゆらは、ここ最近とても忙しかった。それというのも、校内選抜によって春アニメへ出演していたためだ。
机の上に開いて置かれた台本の前、ありあはしゃがみこむ。丁寧に線が引かれ、発声の仕方や感情の表し方の細かい書き込みがされたまゆらの台詞は、たったの数行。ともすれば言葉にもなっていない歓声だったりする。
与えられた役は脇役も脇役、賑やかしを意味する名無しの『ガヤ』の役。
(『春の音を奏でるのは君』)
あと数回で最終回を迎えるアニメは、明後日が最終回の収録。
割り当てられているのは例によってガヤではあるけれど、自分がどう評価されているのか判らないまゆらは気が気ではないらしい。学校の勉強をする傍ら、たった数行にも満たない台詞を繰り返し繰り返し練習し、そのうちことんと机に突っ伏して眠ってしまった。
(がんばれ、がんばれ)
無理はしてほしくないけれど、頑張っているまゆらを応援したい。
窓の外をゆらゆらと飛ぶ蛍を流れ星に見立て、まゆらの夢が叶いますようにと願いをかけたところで、
(あれ?)
ふわり、蛍がカーテンも網戸もすり抜けて部屋の中に入って来るのを見た。
(蛍……?)
もしかしたら自分と同じあやかしの類なのかもしれないと思って、咄嗟にまゆらを守るようにまゆらの前に立つ。
「何か用?」
ツインテールの緋色の髪を揺らして黒い瞳で真っすぐに見遣る。付喪神のこの身体に大した力はないけれど、ただのフィギュアであった頃と違って今は小さなこの身体を身軽に動かすことが出来る。蛍相手に戦うことくらいはやってみせる。
ありあの鋭い声に、蛍はふわりふわりと部屋を飛び回った末にカーテンについと羽根を休めた。
「おはなし、きかせて」
ほわ、ほわ、と明滅する光と同じほどにふんわりとした声で唐突に請われ、ありあは思わず瞬く。それでも害意がないのであればと警戒を解き、まずは自己紹介から。
「あたし、姫之崎ありあ。13歳、中学一年生」
それはアニメの予告編で語られる『姫之崎ありあ』の語り。
「どこにでもいる普通の女の子よ。なぜか魔法少女に選ばれちゃったけどね」
己を己たらしめる物語を語るうちに興が乗って、ありあは小さく笑って見せる。
「そう、魔法少女ミスティックアリアとはあたしのこと──」
フィギュアの身体に刻み込まれた決めのポーズを取る。
「世界に大いなる神秘の輝きを! 魔法少女ミスティックアリア!」
凛々しく名乗って見せてから、ありあは小さく肩を落とす。その場にぺたんと座り込み、肩をすくめる。
「……といっても、あたしはそのミスティのフィギュアなんだよね」
本物のように魔法が使えるわけでもないありあは、頷くように光を明滅させる蛍を見上げる。傍で眠る『今のご主人』であるところのまゆらを見遣る。『魔法少女ミスティックアリア』の活躍を見て、声優という仕事を目指すようになった女の子。明るくて気ままで、その時々で猫の目のように表情がくるくると変わる女の子。
けれど声優を目指すようになるまでは、半ば引きこもりで鬱々とした生活を送っていたらしい女の子。
(今のまゆらちゃん見てる限りはそんな風に見えないんだけどね)
まゆらの心を一変させた『姫之崎ありあ』をありあは誇らしく思う。そのフィギュアであるところの自分も。
「生まれはどこかの工場。詳しいことは判らないわ」
売られていたのは秋葉原という土地のアニメショップだった。そこで結構な値段をつけられて売られていた。
(あたしもオタクに買われるのかと思ってたのに)
まさか女の子に買われるとは思っていなかった。付喪神になれるくらいに大切にしてくれるとも思っていなかった。
「ねえ」
話を聞き終えた蛍がふわりと舞う。
「お外、行こう。お船があるの」
行きたいところに連れていってあげると言われ、ありあは首を傾げつつも立ち上がる。
「そうねえ……」
ひとつ、見てみたいところがあった。風の噂に聞いたことのある、最近寝子島と『繋がった』という場所。
霊界、の名を口にしかけたとき、隣でまゆらがのろのろと顔を上げた。ぎくりと身を固めるありあを寝ぼけ眼で見つめ、ふあ、とあくびをする。誰、と言いかけて、へにゃりと笑う。
「あれぇ……ミスティだぁ……」
自分が付喪神だと知られたくないありあがどうしたものかと頭を悩ませる僅かの間に、けれどまゆらは夢を見ているのだと思ったらしい。
「ミスティに出会えるなんて、なんて素敵な夢……」
ふわふわと寝ぼけて笑うまゆらはきっとまたすぐに眠ってしまうだろうと判断して、ありあは机から飛び降りる。窓をすり抜けて外へ飛び出す蛍を追いかけ、網戸をよいしょと開ける。身軽な身体を駆使し蛍のあとについて駆けだすその背に、
「待って、あたしも行く」
まゆらの声が聞こえた、気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月22日
参加申し込みの期限
2021年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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