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寝子島高校
霊界の空を幽霊船の飛ぶ
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家族のことを嬉しそうに語る鬼の話に蛍たちと共に狐耳を傾けてから、蒲公英色の髪した少女はもふもふの尻尾をぱたりと揺らした。周囲にふわふわ舞う蛍たちに向け、ひらりと手を振る。
「儂も家族のことを話してみようかのー」
わあい、とばかりに集まって来た蛍たちを両掌に乗せ、少女の姿したあやかしは夜の海に浮かぶ幽霊船を見遣る。蛍に誘われ海岸に集まったあやかしたちのたくさんの話を聞いたからか、幽霊船は最初に目にしたときよりもその船体が蒼白い光を纏っているように見えた。
「
片夏 阿呂江
じゃ」
てのひらに集めた蛍たちに、海に浮かぶ幽霊船に、阿呂江はそっと語りかける。
「霊界の実家は温泉地にある」
良いところじゃぞ、と胸を張って尻尾を振って、緋色の瞳に笑みを満たす。
「儂は両親共に狐のあやかしで、姿を変える……」
言ってから少し考える。さっきまで話していた鬼も、身体の大きさを変えられると言っていた。けれど変化と言えば狐の本領。
「化ける能力を持っておるぞ」
実家がある村の村長な親にも村人たちにも甘々に甘やかされ褒められ続けて百十六年、人間に換算すれば十代後半の狐のあやかしはちょっぴり偉そうに顎をそびやかした。
掌の蛍たちを一度空へと放ち、ぱちん! と両手を叩き合わせる。途端、狐耳に狐尻尾、華やかな着物を纏った少女だった姿は瞬きのうちに寝子島高校の制服を着崩したいわゆるひとつのギャルっぽい姿となった。
「こんな風にな」
おおー、とまた集まって来る蛍たちにポーズを決めて見せつつ、くるりと回って短いスカートの裾を翻しつつ、阿呂江は軽やかに笑う。
「儂の場合は髪や瞳の色を違うものにしたり服装を変えたり出来るぞ」
ぱちん、と両手を合わせれば、今度は黒髪黒目に制服の着こなしもきちんとした清楚なお嬢様風に。
「髪の長さも調節可能故、ヘアアレンジも自由自在じゃ」
元の着物姿の少女の姿へと戻り、阿呂江は差し伸べたてのひらにわあわあと集まって来る蛍たちに得意げに笑みかけた。
「村では一番と言われるが、本当は」
秘密めいて声を潜める。
「父上の方が動物や鉱物にまで化けられるすごーい妖怪でのぉ……」
ものへの変化が出来ぬ阿呂江からしてみれば、父の方が優れているのではないかと思うも、村の人々も当の父も、阿呂江の方がすごいぞ村一番だぞと褒めそやしてくれるのだ。
「……年のせいか今は大狐と着物姿の初老の男の二種しか見たことがないが」
阿呂江が幼い頃に戯れに見せてくれた百変化は凄かった。いつかは父のようにと思わせてくれた。
いつでも傍に居て、時にうっかり煩わしく思ってしまうほどに一緒にいてくれる父とは違い、母は数年に一度しか帰って来ない。
「母上は、……」
だから阿呂江は、母については詳しく知らない。
「全国各地を回る仕事で忙しいらしい」
でもそれはたぶん、とても誇らしいことに違いないと阿呂江は信じている。母の仕事について知っているらしい父は固く口を閉ざして教えてはくれないが、きっととても大事な仕事に違いないのだ。たとえば、誰かの大切なものを守るような。
母の仕事の秘密を語れぬことにちらりと唇を尖らせてから、阿呂江は蛍たちを再び空へと放った。光る花びらのように夜空へ舞い上がった蛍たちは、金色から蒼へと光の色を変えて海へと潜る。
いくつもの話を集めた蛍や海蛍たちから物語の力を受け取るかの如く、幽霊船の船体が蒼白い光を帯びた。蛍が消え、海蛍が消える。蛍たちが生まれ変わるに似て、船の周囲にいくつもの蒼白く揺らめく炎の珠が躍り始める。
「頃合いだ」
皆が語る間、幽霊船をじっと見つめていた作務衣姿の老翁が莞爾と笑った。
「もう飛べるのです?」
「うん」
銀の髪を海風にふわふわ揺らしてゼロが問い、老翁が応じたとき、幽霊船の周囲に踊る熱持たぬ炎たちが音もなく集い始めた。見る間に船梯のかたちとなる。
海上から舷側へと続く階段と化した蒼炎を銀色の瞳に映し、ゼロは淡く微笑んだ。白いスカートの裾を小さな指先でつまみ、怖じた様子の一欠けらもなく船梯に足を踏み出す。硝子の階段にも似た段を軽い足取りで駆け登れば、船端で待ち構えていた骸骨の船員たちがゼロの手を丁寧に取って甲板へ迎え入れてくれた。
「空から霊界を見て回るのですー」
おっとりと言うゼロに船員たちがカラカラと骨を鳴らして笑って頷く。恐ろし気な見た目に反して陽気な骸骨船員たちに、ゼロはどこからか取り出した紙パック入り牛乳を差し入れた。
「カルシウムを摂るのですー」
ゼロに頷き、船員は骨の指でストローを器用に差して牛乳に口をつける。骨だけの身体のどこをどう通るのか、それでも牛乳は不思議なことに骸骨船員の身体のどこかへきちんと消えた。
ありがとうありがとうと船員たちに頭を撫でられ、ゼロはにこにこと笑う。夢見るようなまなざしを甲板へぐるりと巡らせ、
「でっかい猫さんなのですー」
甲板の真ん中にのんべんだらりと寝そべってうつらうつらうたた寝真っ最中の巨大な白猫を見つけるなり、わき目もふらずに突進する。小さな身体ぜんぶでもふーんと抱き着き、全身を使って巨大猫をなでなでもふもふし始める。
「にゃーるもあげるのですー」
これもどこからか取り出した小袋入りゼリー状おやつを巨大猫の顔の前に大量にお供えし、ゼロは真っ白い毛に埋もれて空の彼方を見つめた。
「幽霊船はゼロの棲家まで飛べるのでしょうか」
銀色の瞳に宇宙を写し取りながら、ゼロはゼロが生まれた場所を思う。今も想像を絶する速さで大きくなり続けているはずの、きっともうどんな方法でも辿り着けないかもしれない『
ゼロ・シーアールシー
』を思う。
「隣、いいかな」
「どうぞなのですー」
ふわふわの金羊のような髪した少女に笑みかけられ、ゼロは宇宙から寝子島へと心を戻した。
ようこそようこそと歓迎する骸骨船員たちにそっと微笑みかけ、キィはお願いをひとつ口にする。
「乗らせて欲しいんだけど、帰りは近所まで送り届けてもらえる?」
イイヨイイヨと顎の骨を鳴らす船員に、キィは小さく頭を下げた。ゼロの傍らに腰を下ろし、背中を巨大猫のお腹にもたせ掛ける。緩やかな呼吸に合わせてふうわりふうわり揺れる柔らかなお腹の毛に半分埋もれて、霊界の空へ向かうと言う不思議の船を眺めやる。
いつかの将来に暮らすかもしれない霊界という場所を、この機会に見てみよう──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月22日
参加申し込みの期限
2021年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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