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いまの紅ちゃんと普段の紅ちゃん、どちらが本物って話じゃない。根っこはおなじのはず。
どうしようか迷ったが、思い切って真白は、現在の紅美に合わせることに決めた。
「会えてよかったよ」
と呼びかけると、紅美はうれしそうにうなずいた。
「うん。紅美もね、真白ちゃんに会いたいなぁって思ってた」
おそらくこれは、会う約束が心に残っていたという意味ではないか。
紅ちゃんがいまの状態になっていることには理由があるはず……それを聞きたい。
こうなったら。
ストレートな手段を真白は選んだ。
「もしかして紅ちゃん、私に話したいことがあったりしない?」
深刻ぶった尋ねかたはしない。明日の予定を聞くぐらいの気楽な調子で水をむけた。
「う……うん……」
やっぱりだ。
紅美はあごが胸につくくらいうなだれて言った。
「あるよ」
数秒の沈黙ののち、言う。
「私、真白ちゃんに迷惑、かけてるんじゃないかな」
いま『私』って言ったね? 通常の紅ちゃんが戻ってきてる? それとも真面目な話だから口調もかしこまったのかな? 両者が入り交じってる可能性もあるよね?
いくつもの疑問符が頭をよぎったが、真偽を明らかにするより大切なことがあると真白は理解していた。
明白に回答することだ。
「私は全然迷惑だなんて思ってないかな。むしろ頼ってくれてうれしいって思ってるよ」
「前言ったよね、私、昔援交狩りやってた。それでたくさんのひとを傷つけて、今だってこんな……めちゃくちゃで、回りのひと、振り回してる」
「振り回してないよ」
「振り回してる……紅美は、自分勝手わがままでみんなを困らせてるんだから!」
不安定な状況なのか、わあーと声をあげて紅美は顔を覆った。声の主がいつもの紅美なのか、退行化した彼女なのかはわからない。
こういうときこそ落ち着こう。
真白はやさしく呼びかけた。
「決めつけないで。仮に振り回してるとしても、ぜんぜん迷惑じゃないから」
「なんで……?」
「なんで? って……まぁ、私にも下心……じゃなくて考えがあるからね」
「考えって?」
かくれんぼをしている子どもがこっそりのぞくようにして、紅美は指の間から真白を見る。
「大したことじゃないよ。好きな人のことは助けたいって、それだけ」
微笑する。単純にして大切な理由だ。
紅美の両手が膝にすべり落ちた。
そして紅美は潮騒を聞くように、あるいは言葉の意味をかみしめるように、ただ黙って目を閉じた。
どれくらい時間が経過しただろうか、やがて、
「でもね」
と紅美は言ったのである。
「ひとの本性は変わらないんだって。楽しんで援交狩りをしていたような人間、都合の悪い過去は忘れ去って、自分だけ幸せになろうという利己的な人間、それが紅美なんだって。あるひとにそう言われた。もちろんそのひとは私のことをよく知ってるわけじゃない。でも紅美は……紅美のこと、よく知ってる」
あるひと、というのは誰なのだろう。
実在の人間かもしれないし、紅美のなかにいる良心の声かもしれない。
だがいずれにせよ、ぐらついている紅美の心を支える必要があることはまちがいない。
「本性ねぇ……紅ちゃんは自分の本性ってなんだと思ってるの?」
ゆっくりと間をとって、真白は問いかける。
「平気で人を傷つけられる人? そういう人なら、いま、あんなことするんじゃなかったなんて思わないよ。私から見たら紅ちゃんは誰かに対して過ちを犯しても、あれは過ちだったって後悔できる子だよ。これが本性だから仕方ない、って言い訳にしちゃうほうが危ないと思うかな」
「でも」
紅美の目に涙が浮かんでいた。もらい泣きしそうになったが、ぐっとこらえて真白は言った。
「納得できないなら小さかったときのこと思い出してみてよ。小学校低学年のころ、幼稚園のころどうだった?」
はっとしたように紅美は言う。
「いまの私と、そのころの私は……ちがうよ。まちがいない」
この声は絶対、現在(いま)の紅ちゃんだ。
確信をもって真白はつづけた。
「そのころとちがうなら、変わって現状になったってことなんだから、紅ちゃんが思ってるのが本性じゃないんだよ」
それにね、と言い加えた。
「人の本性なんてだれにもわかんないんだよ、きっと」
当たり前のことだと真白は思う。本性が不変不動だというのなら、人間には反省も改心も向上も、逆に堕落もないことになる。
「私が知ってる紅ちゃんは出会ってからの紅ちゃんだし、誰に何を言われたのか知らないけど、そのひとだってそのひとが会った紅ちゃんのことしか知らない。自分で思ってることだって、さっきも言った通り気のせいかもしれない」
もちろん紅美に向けての言葉だが、半分は自分に言い聞かせているようにも真白は思っている。
「まぁ、何が言いたいかっていうと、本性がどうのなんて気にするだけ無駄だと思うんだよ、私は」
真白が両腕をのばすと、迷わず紅美は体を預けてきた。
抱き寄せ、紅美の頭をなでた。
「……真白ちゃん?」
「うん?」
「いい匂いがする」
「ふふっ、そう?」
「あと……あいかわらずでかい。胸が」
ぷっと真白は吹きだした。
「とと、今日の待ち合わせの目的忘れるところだったよ」
腕を解くと、隣に置いたポシェットに真白は手を伸ばした。
「ああそうだ。呼び出されたんだった。私、真白ちゃんに」
「そうそう。これ渡すために来てもらったんだ」
「はい」
簡素なラッピングがされた包みを紅美に手渡した。
「誕生日プレゼント、紅ちゃん6月9日生まれでしょ? どうぞ」
「マジ? 私誕生日プレゼントとかもらったことない」
「ご両親からは?」
「毎年現金くれるだけ。最近なんか振り込みだからもらったのも気づかない」
すごいね、と真白は目を丸くした。(その金額を聞いてもっと目を丸くした)
「開けるよ」
ガサガサと包装を解く。なお、『クラン=G』で購入したものである。
「おおー」
「色々迷ったんだけど、デッキケースにしたよ」
合皮製だが、本革っぽい外観で高級感があるものを選んだ。海外製だ。
「前見たとき結構ボロボロだったからさ」
「ありがとー!」
ケースを抱きしめるようにして紅美は笑顔になったのである。
「ちゃんとメモっとくよ」
「メモ? 日記って感じ?」
「そこまで本格的じゃないけど、なんか私最近、記憶が飛びがちなんだよね。学校行くつもりで家出たのに、気がついたらベッドで寝てたりするし……で、日付だけ進んでる。だから真白ちゃんにプレゼントもらったこと、書いとかないと忘れてケース買っちゃうかもだし」
「ねえそれヤバいんじゃない……?」
やはり紅美のなかで人格の入れ替わりが発生しているのだろうか。
「平気だよ」
困ってないしと紅美は言うが、そういう問題じゃないと真白は思う。
けれど、これがきっかけでこんな混乱ももうなくなるのではないかと期待もしている。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月16日
参加申し込みの期限
2021年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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