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かすかにクチナシの香りを感じながら、ラッセルは颯爽と夜風のなかに躍り出た。
羽ばたくだけでも面白い。翼にうける風がちがうのだ。カナリアだったら風に従わなければ飛べないし、鷲なら風を支配下に置くことが飛ぶことと同義だ。しかし梟なら、風と風のあいだの縫い目を、うまくくぐり抜けていくことが飛ぶことのような気がする。
それになんといっても、音がしないのが新鮮だった。
本当に無音なんだ……。
静かにターゲットに近づき沈黙のうちに掠(さら)っていく夜の狩人、それが梟だ。変身できたことが純粋に嬉しいし、これからのことを考えると楽しみでもある。
この姿なら夜にでも役に立てる。事件が起こったときに備えて感覚つかまねーとな。
高く飛ぶのはあまり得意ではないらしい。しかし滑空能力はきわめて高い。色々と試して、梟の限界や長所短所を把握していく。
遠くに九夜山が見えた。黒い木立も見えてくる。
山にいったら本物の梟にも会えそうだし話もできそうだけど――。
今日はいいや、とラッセルは思った。急ぐ必要はないし、もっと自然に梟らしくなってからにしたほうがいいかもしれない。
夜の寝子島を観察してーし、星とのコントラストのなか、飛んでみたい気分だし。
飛行旅行は楽しいけど、やっぱ一人じゃ寂しいな……。
寂しさゆえに惹かれたのだろうか。ラッセルはいつしか、街のあかりめざして羽ばたいていた。
ん――?
シーサイドタウンが見えてきたあたりだ。
なんだ、ありゃ?
ラッセルはぎょっとせざるを得なかった。
星あかりと街の灯、その境界あたりを飛ぶ姿がある。鳥じゃない。ましてや飛行機でもドローンでもない。まちがいなくそれは……人間だった!
女の子、のようだ。
エメラルドに似た緑の髪を長くなびかせ、シーツみたいな真っ白のワンピースを着ている。身につけているのはそれくらい。足だって素足だ。笑みをたたえ両手は腰のあたり、飛ぼうという努力すら見せず、当たり前のように空を泳いでいる。
なっ!?
物理的にも航空力学的にもありえない。鳥に変身できるラッセルだって常識を超越した存在であることはまちがいないだろう。それでも、あの子ほど非常識じゃないはずだ。
えっ、ええーっ!?
彼女はラッセルに気がついたらしい。ぐいっと急角度で曲がると急速度でこちらに近づいてきた。
逃げるべきか鳥のふりをしてやりすごすべきか。
だが結論を出す前に、彼女のほうからラッセルに話しかけてきたのである。
「あなた、鳥じゃないね?」
ごく当たり前のように空中に停止して呼びかけてくる。
近くなのでわかる。少女は、目の色も宝石みたいなエメラルドだ。
とっさなので否定できなかった。『おう』というようにラッセルがクチバシを動かすと、
「やっぱり!」
少女は満面の笑みとともに言ったのである。
「わたし、ハヅキ、晴れた日の月と書いて『
晴月
』! 鳥のひとさん、よろしくね!」
『鳥のひとって?』
梟に人語の発声はできない。けれどラッセルの意思は、晴月と名乗る少女に伝わっていた。
「人間だけど鳥になってるから『鳥のひと』、おかしいかな?」
『んー、ま、おかしくはないけど……』
空中静止は困難だ。ビルの窓枠にラッセルはとまって羽を休めた。でも晴月のほうにそんな手間は必要ないらしい。ラッセルの目の前に浮かぶ。
晴月は邪気のない顔つきだった。人間だとして中学生くらいだろうか。でも小学生といっても通りそうだし、逆に年上といっても通じそうだ。でもまちがいなく言えることがある。
美少女だ。笑顔が似合う。逆に、悲しんでいるところは見たくないと思った。
だったら、知り合っておいてもよさそうだ。
『ラッセルだ。桜井ラッセル、高校三年』
本来なら握手でも求めるところかもしれないが、現在は梟の身の上、ラッセルは片方の翼を上げるにとどめた。
『好きな物はチーズケーキ、特技は……』
「鳥に変身できること?」
『そう、鳥に変身できること。といっても普段はカナリアだけどな』
「わたしは晴月、生まれて三か月目くらい!」
『さん……か月?』
ラッセルは目を見張ったが、考えてみればここは寝子島だ。ありえないような異変はいくつも見てきた。本人がそう言っている以上嘘ではあるまい――と考え直す。
『で、その生後三か月の晴月は、夜の空中散歩かい?』
「うん。わたし夜の空、はじめて飛ぶ。昼の空とちがう。ちょっと暗い。ちょっと、恐い」
『そうかもな。俺も夜間飛行ははじめてなんだ。気持ちいい反面、勝手がちがうなーってとこもある』
「でも、いいこともあった」
『そうかい? たとえば?』
「ラッセルと知り合えた」
ははっ、とラッセルは笑った。
『おう。だったら俺も、晴月みたいな綺麗な子と知り合えてよかったよ。たまにはナイトフライトも悪くないってね』
「綺麗? わたし、そんなこと言われたのはじめて」
『三か月なんて長い時間生きてはじめてなのか。んー、そりゃ、周囲の男の見る目がなかったんだろーな』
もちろんラッセルとしてはいつものサービストークであり冗談半分だったのだが、月齢(?)若いせいか晴月には効果絶大だったらしく夢見心地の口調で、
「……ありがとー。また会おうね」
うわごとのようにつぶやいて、彼女はどこかに飛んで行ってしまった。
さすが寝子島、空にも変わった出会いがあるもんだなー。
小さくなっていく晴月の背を見送ると、さて、とラッセルは梟の翼をひろげた。
まだ帰宅するには早い時間だ。次はどこへ行ってみようか。
暗闇を飛ぶより、灯火(あかり)を求めたい気分だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月16日
参加申し込みの期限
2021年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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