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メイク室にいるのは九鬼姫ひとりだった。
鏡の前に座って、もそもそと弁当を口に運んでいる。
子パンダおにぎり弁当だ。星太郎が面接前にあけたものとおなじだが、おかずはもう少し豪華で、パンダのできばえもいいほうばかりセレクトされている。
「どう? 元気出た?」
部屋に入ると、背後から星太郎は声をかけた。
「わらわはいつも元気じゃぞ」
嘘おっしゃい! と指摘する必要はなさそうだ。九鬼姫自身、おのれの言葉を信じている様子はないからだった。
「愛(う)いものよの」
「ええ、俵おにぎりを改良した子パンダおにぎりなの。かわいいでしょ?」
星太郎は九鬼姫の心に何か残してやりたいと思っている。
服あげても九鬼姫ちゃんの手元に残らないんじゃ、身になるモノをあげたほうがいいかな、ってね。
「おう……」
もともと九鬼姫はやや猫背の傾向があるが、今日はいつもに増して背が丸い。彼女のうなじに視線をすべらせてから、星太郎はメイク道具の準備をはじめる。
あえてゆっくりと準備しているのは、九鬼姫が食べ終わるのを待っているからだ。
「……話せるなら話して、無理には聞かないわ」
九鬼姫の返事はない。
「でも、次の日いきなりいなくなるのはイヤよ。この歳になるとね、キッツイ別れも色々経験しちゃってるんだから、これ以上はゴメンこうむりたいもの」
「キッツイって……どういう別れじゃ?」
「ン? 事故とか急病とか、オジサンくらいになると色々あんの。ある友達の話だけどね、昨日まで飲んで騒いでたのに、次の日棺桶inしてたのよ。ビビったわ」
実際にあった話だ。思い出すたび胸が痛む経験だったが、それでも明るく冗談めかして話せるようになったのは、星太郎がそれだけ年輪を重ねてきた証拠かもしれない。
「わらわは……」
と言いかけて、九鬼姫は弁当箱にふたをした。
「馳走になった」
雑に包みをまるめて返す。
「お粗末様」
「髪、頼む」
九鬼姫は鏡にむき直った。
「ええ」
星太郎は先をうながしたりしない。櫛を動かす。
「……なあ、星太郎」
「なぁに?」
「わらわは……急にいなくなったりはせんぞ」
「よかった」
深く深く星太郎は息を吐いた。恋々の様子から、まさかと悪い想像をしていたのだ。
「じゃがのう……。一瞬しか見せんぞ」
「なんの話?」
本当に一瞬だった。
折りたたんだ紙を懐から取り出すと、九鬼姫は広げて星太郎の鼻先に突きつけたのである。
医師の診断書だった。寝子島総合病院の印が押してある。
患者名には『
八幡 かなえ
様』とある。それにも驚いたがもっと驚くべきは、その下に記されていた病名だ。
脳腫瘍。
「悪性じゃ。グレード3だか4だか言われたわえ。細かいところはようわからん」
このときにはもう、診断書は元の通り折りたたまれていた。
「……断じて口外するな。誰にも。時期を見てわらわより話すゆえ」
「八幡(はちまん)って……」
「読みは『やはた』、こっちの時代でのわらわの仮の名じゃよ。『九鬼姫』のままでは身分証も作れぬ」
本当は『八幡かなえ』のほうが『九鬼姫』を名乗っているだけかもしれない。だが、いま問題とすべきはそこではない。
「良くないの……?」
「そうじゃな。これ、左様な顔をするでない。鏡に映っとるじゃろうが」
九鬼姫は笑みを浮かべた。
「ようやく、わらわが元いた世に還るときがきただけじゃよ。嘆くな」
「その……あの……もしかして、期限が……?」
余命、という言葉は使いたくなかった。
九鬼姫はからからと笑った。ひどく空虚な笑いかただった。
「もって一年、悪くて半年といったところらしいな。いまのところ日常はつづけられる。いや、わらわはつづけたい。じゃが、そう遠からずして急についえるそうじゃ。……ほら、手が止まっとる。もう開店の刻じゃろ」
星太郎はプロの美容師だ。
プロだから、動揺していてもちゃんと仕事をこなせる。
「今日はサイド上げてトップちょっと盛ってみたわ」
「おう、ようできたな」
九鬼姫の明かした事実を、自分のなかで整理する時間が必要だ。早急な判断はするまい。
だけどこれだけは言いたい。
「……九鬼姫ちゃん」
星太郎は小声でささやいた。
「大好きよ」
わかっとるよと言うように、肩に乗せられた星太郎の手に九鬼姫は自身の手を重ねた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月16日
参加申し込みの期限
2021年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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