this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
今日は、君と
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
ドアを開けた途端、初夏の熱が雪崩れ込んできた。
「うわ、あっつ!」
晴れ渡って眩しい空を仰いで理緒は笑う。
「こんな日は海だよね!」
玄関口で靴を履く紗月を振り返れば、紗月は同意を示して微笑んだ。
恋人が頷いてくれるのが嬉しくて、外に出て来た紗月と手を繋ぐ。家の鍵を閉め、夏の始まりへと飛び込む。
「でもその前にお昼ごはん! 何食べたい、紗月?」
「何がいいかな……」
アパートの近くにあるキャットロードを通る。趣味の店が多い通りとは言え、和菓子に洋菓子、カフェに焼肉屋、美味しいものを扱う店もたくさんある。
「海を見ながら食べたいね」
「サンドイッチとか……?」
紗月の提案に理緒はその場でおどけてぴょんと跳ねる。
「いいね、決定!」
となれば向かうのは前から気になっていたサンドイッチのテイクアウト専門店。小さな店舗の小さな冷蔵ケースに並べられたサンドイッチの中からふたりが選んだのは、翡翠色も鮮やかなレタスと胡瓜とトマトのサンドイッチとオレンジ色の人参がこれでもかと詰められたサンドイッチ。野菜ばっかりはヤダ、と理緒が駄々をこねて買った生クリームと苺のフルーツサンド。
紙箱に詰めて貰ったサンドイッチを手に、とりとめなくおしゃべりをしながらキャットロードをぬける。
寝子島街道を渡って、通り過ぎる電車を見送った後に踏み切りを過ぎて。そうするうちもふたりの会話は止まらない。なんでもないような話をして、ふと目についた道端の花の可愛らしさに笑いあって、海の青さと潮風の心地よさに歓声をあげる。
海開きを待つばかりの海の家の前の自販機でペットボトルのコーヒーを二本買って、砂浜に続く石段の最後に腰を下ろす。サンドイッチの箱を間に並んで座り、波の音と海空の色をお供にお昼ごはん。
野菜サンドもフルーツサンドも半分こした後は、海風に髪をさらしながら、波の音をBGM代わりにいろんな話。大学のこと、授業のこと、タイでの思い出、こないだ家の前で見た猫のこと。たくさんたくさん話をして、今日はもう他の話題も見つからないかなと顔を見合わせて笑いあって、手を重ね合う。尽きた話題はそのままに、肩を並べて暮れ始める空と海を眺めていて、──ふと、紗月が立ち上がった。
「紗月?」
「理緒ちゃん、一緒に行こう」
不思議そうに見上げてくる理緒の手を引き、紗月は波打ち際まで歩く。靴を脱ぎ、靴下も脱ぎ捨て、寄せる波に爪先を浸す。
振り返れば、夕暮れの茜の光の下、理緒が眩しそうな笑顔をしていた。
「理緒ちゃん!」
スカートの裾が濡れるのも構わず膝まで波につかって恋人を呼べば、理緒は躊躇うことなく足を踏み出した。ざぶざぶと波を蹴立てたかと思えば、
「紗月!」
キャアと笑って海をてのひらにすくいあげ、服を着たままの紗月へと投げかける。あっという間に笑いながら歓声を上げながらの水の掛け合いっこになった。
ずぶ濡れになるのも構わず、初夏の太陽が沈んでゆくのも構わず、ふたりで遊ぶ。
(どうしてかな)
分からないまま、それでもとても爽快だった。
誰の目も気にせず、ふたりでこどものようにはしゃぎ合えるのがうれしくてたまらなかった。
笑って笑って、笑い疲れるまで笑って、
「……理緒ちゃん」
濡れた身体で、理緒にしがみついた。
笑っていたはずの頬がぎゅうっと痛くなる。喉の奥がぐっと詰まる。
何も言わずに抱きしめてくれる腕がありがたくて、申し訳なかった。
失いたくないと思って、思い出した。彼女が突然に記憶喪失になってしまったときのことを。自分自身のことも、紗月のことも、何もかもぜんぶを忘れてしまったときのことを。
甘え上手で陽気で、寂しがり屋な女の子。
誰よりも強くあろうとして、どんなときでも凛と背筋を伸ばして向かい風に不敵に笑って見せる女の子。
そんな自分のことをきれいさっぱり忘れてしまって、──それでもやっぱり、理緒は理緒だった。
あのときの絶望を思う。寂しさを思う。記憶を失くしても理緒は理緒だったけれど、それでも、あのときの冷たい哀しさは一年近くを経てもまだ胸の奥に痛みとして残っている。
「私、本当に弱虫なんだよ」
冷たい身体で理緒の体温を奪いながら、紗月は呻く。
グラドルになったことだって、そうだ。物の弾みと言えばそうではあるけれど、心の奥で思っていた。
──そうすれば、理緒ちゃんと一緒に居られるかもしれない
他に何を願うでもなく、それだけを思って理緒と同じ世界に飛び込んだ。
「……ずーっと、ずっと、そばにいたいんだよ」
心の奥底に固まっていた『寂しい』を言葉にしてしまってから後悔する。
「ごめん」
謝ると、背中に回された理緒の腕の力が強くなった。それでも後悔の念は消えない。理緒の体温を奪い続けているような気がして、理緒の腕の中で小さくもがく。
「ごめんね、いきなりわけわからないことを言って……」
せめてもと笑って顔をあげた途端、不意打ちのようなキスが降ってきた。
「……余計なことを考えないの、紗月」
短く叱られ、きつくきつく抱きしめられ、紗月は今は繰り返し頷くしかできない。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
今日は、君と
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
5人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年10月01日
参加申し込みの期限
2021年10月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年10月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!