【創立記念】マスカレード☆トリエンナーレ！｜リアクション

【創立記念】マスカレード☆トリエンナーレ！

●出店を楽しもう

「さて……何を買おうか」
　出店を巡りながら、三毛谷道哉は美味しそうな匂いを嗅ぎながら考える。
　いろいろ見て回って決めたのは、鯛焼きとたこ焼き、イカ焼き。
「そうだ、仮面も買わないとな」
　マスカレード☆トリエンナーレは仮面や仮装の祭りということを思い出し、自分も楽しむかと仮面も買った。
　無くさないように頭に仮面をつけ、鯛焼き等が少し冷めるまで出店で稼いでみるかと決め込む。
　買ってすぐに食べたいところだが、猫舌なので熱いものが苦手なのだ。
　出店のスペースはあらかじめ確保しているので、あとは、そこに戻るだけ。

　自身の出店に向かう時、仮装したまま出店巡りをしている巫部紫苑とすれ違う。
　間近で見ると、紫苑の仮装の大胆さがより実感できる。
　そう考えながら、道哉は早く出店の準備をしないとな、と急ぎ足で歩く。
「ふっふふ♪　やっぱりお祭りと言えば出店巡りですよねぇ……今日もたくさん食べましょう！」
　サキュバス魔女姿で出店巡りをしているので、紫苑はとても目立つ。
　露出に頓着しないので、恥ずかしがる様子はない。むしろ堂々としている。
「まずは、端から順番に巡っていって……ぐるっと一周です」
　移動中、何度か写真を撮られたがまったく気にせず。
　記念撮影させてくださいという人には「いいですよ」と一緒に写る。
　そのお礼として、何人かが出店で買った甘いものをくれた。これは、とても嬉しかった。
　撮影が終わると、出店巡りを再開。
「すみませ～ん♪　とりあえず、メニューにあるもの一つずつください」
　全部の出店の全メニューを楽しんだら、次は二週目と紫苑は楽しんで買い食い。
　綺麗な顔や衣装が汚れることもあったが、それを気にせず、満面の笑みで食べることを楽しむ。
「今度は、気に入ったメニューをお持ち帰り分も含めて注文です♪　今年も楽しいお祭りですね♪」
　彼女の周囲だけ、一足早いハロウィンの雰囲気を醸し出されている。
　セクシーキュートな魔女は、お菓子より全出店の食べ物のほうがお好きなようだ。

　写真撮影を求められたのは、怪盗少女姿のまま中庭でのんびり出店巡りをしていた篠原翠響もだった。
　調子に乗って決めポーズで決めて写されたり、決め台詞を言ったり、ファンになったという人とのツーショットだったり。
（楽しんでもらえた、と思っていいのよね？）
　ちょっと複雑な心境の翠響だったが、撮影が終わると気を取り直して出店巡りを再開した。

「よーし、美味しい屋台のご飯を食べていくよー！」
　屋台とか見てみようか、と張り切る高梨彩葉も魔女っ娘姿のままだった。
　セクシー要素もあるが、露出はさほど多くないので恥ずかしさはない。
　何を食べようかなー？　と歩き回っていると、子供に「魔女さん、お菓子ありがとう」とお礼を言われた。
　どうやら、この子はトリエンナーレでお菓子を配った子供の一人らしい。
「そう言ってもらえる嬉しいなー。出店、楽しんでね」
　彩葉はしゃがみ、子供の目線に合わせて話をする。その姿は、子供好きな魔女を連想させた。

　佐藤英二は、トリエンナーレの途中や時間の合間に中庭の出店を巡っていた。
　トリエンナーレが終わってからはアイドル活動研究部のライブを見学し、頑張る部員達を応援した。
　ライブを楽しんだ後は、たこ焼きを食べたり何か甘いお菓子があったら買っておいたり。甘いお菓子は後でのお楽しみなのだろうか。
「輪投げの出店もあるんだね」
　出店に誰もいないので、いまは開店休業中のようだ。
　出店者が戻ってきたらチャレンジしてみようと、それまで他の出店を見て回る。
　
「にゃ、楽しいにゃー！」
　えみなハルくんは恵御納夏朝、恵御納夏夜と手をつないで出店を巡る。
「屋台、楽しもう……ね。ハルくん、何か食べたいものある？」
　夏朝にそう問われ、うーんと……と考え込んでしまうハルくん。
「まずはいろいろ巡ろう。それから何を食べるか決めようか」
　夏夜の言葉に、そうするにゃーとハルくんはニッコリ笑う。
「そう……だね。いろいろ見よう」
　仲良し姉弟のような三人は、楽しそうにいろいろ見て、食べたいものを買ったりした。
「マスカット、楽しかったにゃー！」
　それってマスカレード？　と夏朝と夏夜に聞かれたので、それにゃーと答えるハルくん。
　マスカレード☆トリエンナーレ、長くて覚えられなかったんだ……と二人は顔を見合わせてクスリと笑う。
「かーさ、かや、ハル、あれが欲しいにゃー！」
　そんなことを気にしていないハルくんは、買ってほしいものをおねだりする。

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