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霊界線、浅縹(あさはなだ)駅に出発進行
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九夜山の木々に囲まれた猫鳴館の一室。
月原 想花
は部屋と同様に暗い顔で胡坐を掻いていた。
眼鏡の奥の目がぼんやりと窓を眺める。朝の十時に思えない。夜と勘違いさせる程に暗く、気分を沈ませた。
「折角の日曜日なんだし……」
重い腰を上げた。ショートボブの髪を手で整え、だるそうに押し入れを開ける。俯き加減のリュックを引っ張り出して中を見る。タオルや水筒が入っていた。
「用意して、出掛けなかったんだね」
試しに水筒を振ると水の音がした。
「飲めるよね?」
疑問に思いながらリュックに収める。着ていたTシャツにパーカーを合わせた。ボトムはジーンズの為、そのままでリュックを背負う。
「気乗りはしないけどね」
薄く笑って部屋を後にした。
猫鳴館の裏手の細い道を上がっていく。曲がりくねった道ではあったが、可憐な花々を目にして表情が和らぐ。
「悪くないね。上りは少し厳しいけど」
軽く息が上がる。日陰を選んで歩いていくと、下草を踏み固めたような獣道を見つけた。先を見ると日陰で、やや下っているように思えた。
「……行ってみようかな」
弱々しい笑みで小さな一歩を踏み出した。
見た目通り、日陰は涼しく汗が流れることはなかった。なだらかな獣道のおかげで足取りは軽い。
景色が白く霞む。霧が発生しているようだった。
想花はパーカーのボタンを嵌める。
「……池でもあるのかな」
取り巻く霧は濃さを増す。目を凝らして前方を見てもはっきりしない。
想花は足を止めた。振り返ると獣道が霧に覆われ、消失したように思える。
「どうしよう」
抑え切れず、不安が漏れた。追い打ちを掛ける警笛が耳朶を打つ。
想花は泣きそうな顔で正面に目を向けた。半透明の蒸気機関車が猛然と突っ込んできた。思わず、目を閉じ、その場にしゃがみ込んだ。
同じ姿勢のまま細かく震える。何も起きないことに不信感を募らせた。
「どうして?」
恐々と目を開ける。白い霧に覆われていた。一陣の風が吹いて周囲が見えるようになり、え、と小さな声が出た。
古びた駅舎の改札が見える。駅名を見て、浅縹(あさはなだ)駅? と口にして立ち上がる。
「そんな駅、知らないよ……」
風向きが変わった。想花は鼻をヒクヒクさせる。
「……これって硫黄? 火山は、さすがにないよね」
駅舎に向き直る。そわそわした様子で、でも、と呟く。
「気になるよね……」
音を立てないようにして歩き出す。霧が少し薄くなった。
古めかしい家を目にしながら気になる先を目指す。前方に小屋のような物があった。垣根の向こうには青い石で組まれた露天風呂が見える。
「駅の近くに温泉ってあったっけ?」
薄っすらと眉間に皺を寄せて考え込む。その時、後ろから声を掛けられた。
「こんなところで何してるのさ」
「えっと、温泉があるんだなって」
「そりゃあるよ。入っていくんだろ?」
ショートの髪の女性は白い歯を見せて笑った。
「お金がなくて」
「ここは無料だよ。初めてなら試していきなよ」
女性は霧の中をすっと移動した。想花は迷いながらも小屋に入っていった。
女湯の暖簾を潜ると、すぐに脱衣所となっていた。
「脱いだ服は籠に入れればいいよ」
「あの、水着は借りられないのかな」
「あんた、泳ぐつもりなのかい? 小学生じゃないんだし、やめときなよ」
女性は苦笑しながら白い着物を脱いで籠に入れた。そしてふわふわと露天風呂に向かう。
「足がないんだけど……」
「そりゃ、幽霊だからね。あんたも早く脱ぎなよ」
堂々と名乗り、白い湯気の中を飛んでゆく。
「気にするぼくがおかしいのかな?」
納得のいかない顔で衣服を脱いだ。眼鏡は最後に外した。
「あ、そうだった」
急いでリュックからタオルを取り出す。少し遅れたことで小走りとなった。
「こっちだよ」
女性は露天風呂に浸かった状態で大きく手を振った。
想花は睨むような目でそろそろと歩く。足元にあった木桶をうっかり蹴ると方々に頭を下げた。
「あたしとあんたしかいないよ」
苦笑した女性は湯に肩まで浸かる。縁の石を枕代わりにして空を見上げた。
想花は木桶を手にして身体の汗を湯で流す。タオルを浸し、顔を拭った。
「いいね、そのタオル」
「なんとなく、いいかなと」
折り畳んだタオルを頭に載せて湯に浸かる。
「どうだい? なかなかの湯だろ」
「身体の芯から温まる感じ。硫黄も思った程、臭くないし」
「幽霊になって初めて温泉の良さを知ったよ」
女性は両手で湯を掬って自身の顔に浴びせる。
「はぁ~、極楽、極楽。霊界だから、違うか」
おどけて言う女性に想花は頬を緩めた。
「ここが霊界……想像と違うんだけど」
「もっとおどろおどろしいところだと思った?」
「まあ、そうかな。幽霊のイメージもかなり違うし」
「ここでは明るい幽霊も珍しくないよ。九尾の姉さんやマントを羽織った貴族みたいなのもいる。最近では幸運の子猫の話題で盛り上がっているね」
女性は自身の肩を揉んだ。
「幸運の子猫?」
「ヒゲをお守りにすると強運を得られるって話だよ。ギャンブル好きの連中が血眼になって探しているって話さ」
「ぼくも会ってみたいな」
「どうだろうね。目撃例が少ないし、本当にいるのかどうか」
二人は長々と話し込んだ。
「あれ、なんか、意識が……」
想花の頭が揺れる。湯面に向かって顔を突っ込むようにして倒れた。
気が付くと猫鳴館の部屋に戻っていた。衣服を着た状態で眼鏡を掛けている。
「夢なのかな」
髪に手を当てると少し湿っていた。その手を嗅ぐと微かな硫黄の臭いがした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年09月19日
参加申し込みの期限
2021年09月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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