ゴールは落神神社｜リアクション

ゴールは落神神社

【四ツ門園花、周泰五の最後】
　
　園花の肩に、一匹の腐サンマさんがかぶりつく。
　そんな腐サンマさんを愛おしそうに園花は抱きしめる。
「あぁ……ごめんなさい。治せませんね。どうぞ私を食べてください」
　次は、腹……次は手首……手首を捕まれた際痛かったので、ちょっと動いたらぶしゅっと腐サンマさんから血液が飛び出し、園花に降りかかる。
　次々と抱きつかれては、服が溶け……体の一つ一つがなくなっていく。
「……あれ？」
　園花はどうして、雨が降っていたのか分からなくなった。
　世界は、暗い。
　しかし、さらなる深淵へと園花を誘う……。
（むかえにきてくれたんだね）
　それは、死に対して向けられた言葉だろうか。
　その言葉が振動となって、この寝子島の大気を振るわすことは……無かった。

「うあぁぁぁぁぁ！　畜生！　ちくしょぉぉぉぉぉ！」
　泰五はかろうじて抵抗を試みるも、数には勝てない。
　抱きつかれては、噛みつかれ……抱きつかれては、噛みつかれ。
　その恐怖と、腐サンマさんの大衆がの肉体を……精神を蝕んでいく。
「ヒャハハハハハハハッ！　ヤベェヤベェ楽しすぎんだろォ！　こんなクレイジーな事ここにこなきゃ味わえなかったな！！」
　突如、開き直ったかの用に腐サンマさんを殴り始める。
「だけど！　絶対、アイツは許さねぇ！　絶対、絶対、絶対、ゼッタイ……あぁぁぁぁあぁあああああああぁぁあAHHHHHH！」
　痛みという痛み、苦しみという苦しみを味わいながら、泰五はやがて力尽きて倒れる。
　ひとりの人間への憎しみを実らせながら……泰五はこの世界から消えた。