雨がざぁざぁとふって、寝子島全体をぬらしていた。
黒く、どんよりとした空がもうもうと広がって、じわじわと浸食する。
タールのようなその雨がぬるぬると体につきまとい、嫌な感触を呼び起こした。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
星ヶ丘の寮にたまたま所用で来ていた帰り道、
天満 七星は必死にすべりそうになる自分をコントロールしつつ、走る、走る……走る。
なぜ、七星は走っているのか?
ずるり
ずるり
ずるり
地を這うように何者かが七星の後ろを追いかけてくる。
軟体生物の形状のような「それ」はまるでいくつも目があるかのようにゆっくりと正確に七星を追いつめていく。
「なんですのあれ! 嫌ぁ!」
確かに、自分は用事からの帰り道だったはずが、今は行く当てもなく逃げるしかない。
「一体、何が! どうなっていますの!?」
その叫びは、雨にかき消されていった。
同時刻、旧市街の寝子島駅付近、こちらも闇の雨の中一人の人間が走っている。
「そうか、あのカードの意味は!」
死神そして塔……不吉な現在と未来を思いつつ、この事態の事だったのかと思い出す。
ちなみに、現在が塔で……そして……。
そう考えたとき、自分の腕に『何か』が絡みつく。
「……ひっ」
津川 霞は、絡みついた『何か』を思いっきり振りほどいた。
ブチッ
ブチッブチッ
プツッ……
確かに切り離したはずだ。
だが、ぬるり、と腕を這うような感触がつきまとっている。
気持ち悪いというのと、恐怖とが叫び声を上げさせる。
「うわぁぁぁぁぁ!」
街灯に照らし出されたそれをみて霞は気絶しそうになった。
それは、赤い『舌』だった。
うねうねと体につきまとうように這いずる。
その赤い舌を出しているのは、トカゲのような蛇のような生物だ。
「気持ち……悪いッ!」
折れそうになる心を必死に鼓舞し、打開策を考える……。
そのとき、声が響いた。
声の主はテオこと、
テオドロス・バルツァだ。
「よく聞け! 緊急事態だ!」
テオの声に、その寝子島に隔離された人々は耳を傾けた。
じんのです
今回は初のホラーをやります
はじめてなのでやさしくしてくださいね?
あと、アクションを数行で投げたり、白紙だと大変なことになります
PLさんは寝子島の地図を見ながら頑張ってルートを考えて逃げましょう
*今回の解決法
誰か一人でも落神神社にたどり着き、神社にある石碑を倒す
そうしたら帰れます
誰か一人でも脱出すればPC側の勝ちです
倒すとは文字通り横に倒すことです
なお、石碑の大きさはおおよそ1mほどですが重いです
目安ですが、一般的な成人男性4、5人で倒せるでしょう
一人で押すだけでは動かせませんので注意してください
*灯りなどについて
基本的に世界は闇に包まれて現状は街灯の灯りが頼りです
車や家の灯りは現在消えています
雨が降っているので色々と不利、有利が生じます
基本的には街灯は交差点などにあります
街灯以外では、火をともせばつくので、灯りにすることはできます
*持ち物について
何も持っていません
身一つで飛ばされます(飛ばされるときに落っこちます)
そこら辺の家などに進入し何かを入手することは可能です
(服を着ている、アクセサリーをつけている程度です)
*スタート地点
①星ヶ丘寮付近(B7) 難易度☆☆ 追ってくる生物:軟体生物
灯りが多く、ルート選定がしやすい
二次災害が起きる可能性が高いです
②寝子島駅(K3) 難易度☆☆☆ 追ってくる生物:大型は虫類
敵が一番強く、対処に失敗した場合即死レベル
ただ、このルートが最短でもあります
③寝子ヶ浜海浜公園(J11) 難易度☆ 追ってくる生物:腐サンマさん
敵が一番多いですが、対処しやすいです
時間がかかりますが、恐らく一番楽でしょう
*追ってくる生物の詳細
①:軟体生物のような生き物
這うように地面を移動するが速度はそこそこある。触手を何本か持っており、それが人間を絡め取り捕食します
捕食する時は、生物の体の下の部分の口で食べられます
いわゆるイカのような生物であるが、体躯は黒いごつごつとした岩のような皮膚を持っており、触手は、その皮膚の上にゼラチン状の物質をまとわりつかせたもので、大きな吸盤がついています
彼らは灯りのある場所を避ける傾向にあります
そして、再生能力が高く攻撃されてもすぐに再生します
②:かなり大型のは虫類のような何か
かなり素早く動き回り、舌を伸ばして体を絡め取ります
そのまま、人間を丸呑みにし、中でじっくり消化します。一人食べたら活動をしばらく停止します
蛇のような頭で、トカゲのように這い回り、足は六つあります
足は節足動物のようですが、棘が有り引っかかるとと引っ張られます
また、皮膚が硬くあらゆる武器をはじき返します
舌は絡まったとき、引っ張るとちぎれますが、粘着性が高く、絡まれたら行動は阻害されます
頭が良く、暗がりに潜み攻撃するものもいれば、獲物を正面から追い詰める個体もいます
また、舌が無くなったとしても鋭い牙で噛みつき、人間を食い破ります
出現する個体数は少ないですが、要注意です
③:腐ったサンマさん
目が血走っており、人間に抱きついてから思いっきりかぶりつきます
体が腐っているのでもろいです(腐ったようなにおいがします)
ちなみに、サンマさんから吹き出した血液で、服が溶けます
殴る際は気をつけてください
個体数が多いですが、恐らく唯一倒せるかもしれない存在です
集団でいることが多いです
※どの生物も倒しても倒しても沸いてきます。
テオの助言によれば「戦おうとするな、逃げろ」との事です
※そのほかの生物
その他にも謎の生物がいて、出会うこともあるでしょう
何がどこにいるかは分かりません
*特別ルール
①~③やそのほかの生物と出会った場合20面ダイスを一つを振ります。
(同じ生物に二度あってたとしても振ります)
(以下、1d20と記載します 20面ダイスが一つという意味です)
結果は書きます(ガチで振りますよ~)
1d20の結果表
1 PCが発狂し確実に死亡する行動と取ります
2~9 PCが恐怖を感じ、行動がやや阻害されます(動きか鈍る止まるなど)
10~19 PCは恐怖に耐えます 動きは阻害されません
20 何らかの奇跡が起きてPCにとって有利な結果になります
※自分のキャラは発狂しないぜ! って思う人へ
この世界は、その手の生物に合ったらそういう風になる仕組みの世界なので強制的に振ります。あしからず
苦手な人は回れ右することをオススメします
*ガイドに登場したPCのPL様へ
もし、落選した場合は、逃げてそのまま帰還したことになります
(リアクションでの描写はありません)
また、別の地点から始めたい場合、アクションにその旨を書いてください
いつの間にか飛ばされていた事にします
*死亡について
別世界での死亡になりますので、現実世界で死ぬことはありません
しかし、場合によっては何らかの後遺症が残る可能性があります
(死亡するときの状況による)
後遺症は短期間の予定です
*注意事項
1,どう逃げるかを重視します(どこをどう逃げるとか)
2,死ぬかどうかはある意味運です(ダイス振りますからね)
3,死ぬ場合は潔く死にましょう
4,狂気ロールを書いておくと描写があるかも!
5,困ったらサンプルアクションなどを見ておくと良いでしょう
6,敵は③を除いて基本的に倒せません これ大事
7,失敗した場合は全員が影響を受けて帰還します
その場合、どのような影響かは不明ですが重い症状とします
8,ろっこん発動ついては個々のケースとアクション次第となります
PL様におかれましては、注意事項やらっかみタイム内でPCが受ける影響などを考慮して参加してください。また、グロテスクな表現などを使いますので、そこら辺が大丈夫な方は是非どうぞ。