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ロープウェイを降りてもなお、展望台まではいささか急な傾斜を歩いて登らねばならない。
時子は歩調に気を配った。言いかえれば、意図的にゆっくり歩くようにした。
山歩きに慣れた自分のペースは、小学一年生のともかには厳しいだろう。そう危惧したからだ。
ところが案に相違してともかは軽快に歩いた。
対称的にバテ気味なのは尚輝のほうだ。息を切らしつつ頭をかいて、
「僕、普段の運動不足がたたっていますね……このところこもり気味で。お恥ずかしい」
と遅れ気味に、休み休みついてくる。
「尚輝先生、一度休憩しますか?」
といたわる時子に、
「いえ、もうすぐ展望台ですし、あとひとがんばりします」
折悪しく陽射しもきつくなってきたこともある。本日は快晴に近い好天で、ほとんど初夏の気温なのである。尚輝としては照り焼きにされているようなイメージだったかもしれない。
しかし苦あれば楽あり、展望台に到達するとご褒美のように、清涼な風が吹いてきたのだった。
「着きました……!」
手でひさしをつくり、時子は展望台からの景色を楽しむ。
眺むればどこまでも青い海、水平線。
目を転じれば九夜山の豊富な緑。山肌のきめの細かさ。
歴史と文化を感じさせる旧市街、あるいは新進気鋭、発展をつづけるシーサイドタウンの町並みを楽しむことも自由自在だ。
「360度見渡せますから圧巻でしょう。あそこにあるのがエノコロ岬ですよ」
「はい」
と言葉少ないともかだが、手すりに手をかけ身を乗り出さんばかりにしている。声を上げたりはしゃいだりはあまりしない性格なのだが、喜んでいることはまちがいないだろう。
お疲れ気味だった尚輝も回復したのか、ともかに寄り添って目に見えるものを解説していた。
「見えますか? あれが僕の職場、寝子島高校ですよ。もう少し先が寝子島中学校、隣が寝子島小学校です」
「あれは?」
ともかが南を指さす。こたえたのは時子だ。
「あの鳥居ですか? 落神神社ですね。昔々、寝子島に神さまが落ちてきたという伝説がありましてね、その神さまを祀った神社と言われています」
「神様ですか?」
「はい。落下した神さまと書いて『落神(らっかみ)』と呼ばれています。『らくしん』『おちがみ』と読むという異説もあるにはあるそうですが、私もやっぱり『らっかみ』と読むのが好きですね。つるっとした音で、なんとなく島民の愛情が感じられません?」
ですね、とともかは応じてさらに問う。
「その『らっかみ』さんは、いまも寝子島いらっしゃるのですか?」
「お話ですからねえ……」と尚輝が応じる。「さすがにそれはないと思いますけど」
「でも、いるかもしれないと思うのも、ロマンがあっていいかもしれません」
時子はほほえんだ。
尚輝先生と知りあえたのも、かわいい姪っ子のともかさんを紹介してもらえたのも、『らっかみ』さんのお導きかもしれませんし。
などと話していたらお腹がすいてきた。
「ちょうどお昼なのでここでお弁当にしましょう」
眺望を楽しみながら休憩できるよう、展望台のあちこちにはベンチがすえられているのだった。そろって腰を下ろす。真ん中はお弁当とともか、左右に時子と尚輝が座った。
「いただきます」
時子が腕をふるったお弁当は、ともかを喜ばせるに十分だった。
「おにぎり、お花の形なんですね」
「はい、一口サイズにしてみました」
「ウインナーと玉子焼きも素敵です!」
蝶の形のウインナー、ハート形の出汁巻き玉子、リンゴはウサギさんだしプチトマトやレタスも花畑のようだった。
事前にともかの好みが、薄味だということは尚輝に聞いている。だからともかはずっと、おいしいおいしいと喜び通しだった。
「お口にあったようで嬉しいです」
「こんなきれいでおいしいお弁当、はじめてです。お母さ、母は弁当を作ってくれたことがありませんから……」
ここまで言って口を滑らせたと気がついたのか、ともかは水筒の茶を一口して、
「いえ……まあ、一二度ならあったと思います」
ぎこちなく言い加えて咳払いしたのだった。
ともかさんは賢い。『お母さん』といいかけて『母』と言い直しましたし、家庭の事情を明かしかけて訂正しました。私が七つのとき、ここまで気をつかった発言ができたでしょうか――時子は思った。
でも、幸せなのでしょうか。
尚輝もどことなく察したのか、
「僕のお弁当にもハート形のだし巻きが入ってますね。気持ちが明るくなります。味もおいしいです」
と言って笑ったのである。
そう、一緒に食べるお弁当はおいしいのだ。
ふと時子は夢想する。
尚輝先生、それに、尚輝先生によく似たともかさんとこうしてお弁当を囲んでいると……まるで親子連れになったような気がしてきます。
手すりにとまった野鳥について教えたりしながら、何気なく時子はともかに問いかけた。
「ともかさんは行ったことのある場所ってありますか?」
「国内は神奈川、それも住んでいる市内からほとんど出ません。海外ならアメリカですね」
「アメリカ?」
意外な言葉が出た。
「ワシントンDCです」
「じゃあ、行ってみたい場所ってあります?」
ともかはしばらくだまって空を見つめていたが、ややあってこう答えたのである。
「北海道とか……。でも、住むなら寝子島がいいです」
いささか意味深な言いかただったことに、このとき時子は気がつかなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年09月04日
参加申し込みの期限
2021年09月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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