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夕方になった。もう脚は棒のようだ。
立ち仕事のきつさには慣れた。
ハローニャック寝子島店の総責任者、すなわち我妻店長がクリス(ことナターシャ)にちょっかいをかけることも全力で防いできた。
あれから何日か過ぎ、そのたびシフトは彼女と重なってきたが、やはりナターシャはクリスに戻らない。
「……悪いな。今日も私だ」
顔を合わせるたび、ナターシャが申し訳なさそうに告げるのが日課になりつつあった。
「高松さんはどうしたのでしょう」
「わからん。私も、あの女に戻ってきてほしいと思っている」
「どうしてですか」
「あの女のほうが……生きるのが得意だからだ」
こういう世界で、とナターシャはあきらめたように言ったものである。こういう世界、がどういう世界を指しているのかは智依子にはわからなかった。
したがってなお、智依子の苦労はつづいている。
我妻がクリスに無理難題を押しつけようとする。そのたび智依子は「私がやります」とフォローする。
おなじく彼が、クリスに暴言を吐こうとする。そのタイミングを読んで智依子は別の話題をふったり、急ぎではない質問をしたりする。
考えようによってはこれで安定したと言えないこともないだろう。
ところが実際はそう単純なものではない。
やがて店長の矛先は智依子にむかうようになったのである。
どうやら智依子の行動が、いちいち店長の目につくようになったためらしい。もしかしたら我妻が、クリスの中身がナターシャに入れ替わったことに気づいたからかもしれない。弱者をいたぶることに喜びを感じる人間はえてして、弱者と強者を見分けることが得意なものだからだ。
むしろ好都合だと智依子は思っている。クリスを守り店長の機嫌も維持し、店の営業成績も好調のままたもつ最良の流れではないか。
でも智依子は卒倒寸前だ。
どんなに耐久力が強くとも、人間の心は無敵ではない。無敵にはなれない。
「おい! ポップまだ出てねーのかよ!」
「ったく、いつも遅ぇよな!」
「いつまで待たせんだ!」
はっきり暴言と言えるたぐいの発言が増えた。いずれも吾妻店長から智依子に向かって吐き出されたものだ。
店長の暴言を耳にするたび、クリス(ナターシャ)がまなじりをつりあげるのはわかったが、彼女が直接行動に出ないでいることを智依子は感謝している。
これでいい。
私が耐えればいいだけだから。
智依子が耐えている理由はひとつ、シンプルにしてストレートだ。
幼い娘がいるからだ。
この前、脇坂香住さんにも言ったとおり、私ははかなり頑固なほうだから──。
だから何を言われても笑顔でいられる。娘のためだと思えば、艱難辛苦などあってなきがごとしだ。
けれどその日、また八つ当たりそのもののような暴言を智依子が我妻から受けたのち、ナターシャがそっと声を掛けた来た。
「大丈夫か……?」
「何がですか?」
智依子は微笑した。グズだのバカだの、熱湯を浴びせられるような発言を受けたあとだというのに。
「私ならとうに、あの男の股間を蹴り上げているぞ」
「短気はいけません」
しばらく呼吸を整えてからナターシャは言った。
「梓さん、あんたが強いことは十分すぎるくらいわかった。尊敬する。……しかし、そろそろ私のほうが限界だ。やるべきことをさせてもらう」
「無茶をするつもりならやめてください。暴力は」
安心しろ。とナターシャは言った。
「もっといい方法を思いついた」
覇気がないだの笑顔が足りないだの、客観的にはどうにも計測しようがないことばかりだった。
智依子にむけての、我妻からの『指導』の内容である。言われている智依子にとっては、価値は皆無どころか、ネチネチとしつこいという印象しかない。箱ごと水に落ちたティッシュの束を、資源として買い取らされるほどに無意味な内容だった。
たっぷり言い終えて満足そうな顔ながら、我妻は最後に言い加えた
「もうすぐあがりだけどろうがなあ、梓。お前、今日ちょっと残れや」
お前呼ばわり、『さん』づけもとうに消えている。
だが智依子はうなずいた。
ふーっと鼻息ひとつ吐き出すと、黄金のネックレスを指でもてあそびつつ我妻は言った。
「休憩室な。タイムカード打ったら来い」
タイムカードといってもプラスチック製の管理証である。いずれにせよ打刻後に呼び出されるのであればおなじだ。残業代はつかない。
「話がある。ちょっとお前、最近たるんでるからな」
我妻の視線が、すりおろした山芋のようにねっとりとしていることに智依子は気がついていた。
智依子は知っている。店長の目にやどるものの正体を。
欲望だ。隠すといってもせいぜい、サランラップで包んでいる程度の丸出しなのに、本人は分厚い体操マットでくるんでいると信じている。
こういう目をする男を智依子は何度も見たことがある。
一見おとなしそうに見える容貌ゆえか、原則あまり自己主張しない性格ゆえか、智依子はしばしばこの種の視線に直面してきた。
中学生のころは何人も、性的な冗談を飛ばすクラスメイトがいた。出産を経ても、若いシングルマザーだと知るや露骨に性的な誘いをかけてくる中高年男性がいた。
肉色の触手で、智依子のことを絡め取れると信じているのだろう。
そういうことであれば――。
はい、と智依子はうなずいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年09月04日
参加申し込みの期限
2021年09月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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