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――朝、
呉井 陽太
は偶然ニュースを目にした。
寝子島の児童自立支援施設を暴漢が襲ったという報だ。
にわかには信じがたい話だが、暴漢は鉄格子を歪曲させられるほどの怪力の持ち主で、施設を破壊しさんざんに暴れたすえに姿を消したという。
その場に居合わせた警官一名が重傷を負ったらしい。
さらに、施設入居者がひとり行方不明になったという。犯人に連れ去られたのか、この機に乗じて逃走したのかはわからない。
プライバシー保護のため名前は伏せられたが、中学三年生の女性ということだけはわかった。
「まさか……」
陽太は事件の背後にある存在を知っている。あのことだ、と口に出しそうになって額に手を当てた。
「あれ?」
おかしいな。
知っている、はずだった。
でも記憶から出てこない。『あのこと』とはわかるのだがその先が。奇妙な話だが、知っているのになぜか覚えていないのだ。記憶の一部の領域を、厚塗りの修正ペンで塗り固められたかのように。
思い出せない。もどかしい。喉元まで出かかっているのだけれど。
赤い光が頭のなかでチカチカしている。
いつのまにかテレビの画面は、ニワトリの着ぐるみによる健康体操のコーナーへと切り替わっていた。
こめかみのあたりを、曲げた指先で何度か叩いた。ぼやけていた頭が少し調子をとりもどしたようだ。
怪力の持ち主って、もしかしたら――。
陽太が思いうかべたのは、根積宏一郎(ねずみ・こういちろう)の背中だった。
根積さん? いや、マウス……。
ジキル博士に対するハイド氏。根積と身体をわけあう怪物、マウスならそれくらいたやすくやりとげることだろう。
いや、でも昨日会ったときは、落ち着いた様子だったし。
昨日陽太は、ふらりと入った保護猫カフェ『ねこのしま』で根積と会ったのだ。根積も初来店で、たまたま居合わせただけだという。
あのときの根積さんは落ち着いていた。
くつろいで幸せそうだったよ、猫をなでて。
だからマウスになって暴れるなんてはずない。そんなはずは――と打ち消しにかかろうとするのだが、不穏な気持ちは床のガムみたいにこびりついている。
なんでこんなに胸騒ぎがするんだろう。
こんなとき、陽太がまっさきに相談する親友は決まっている。
陽太はスマホを手にした。画面に表示された時刻は、まだ早朝といっていい時間帯だ。
武道君、もう起きてるかな。
朝早くから電話することに、いくらかのためらいはあった。
陽太が観ていたものと、まったく同じニュース番組を武道も自室で目にしていた。
ほろ苦いグレープフルーツジュースを一口して、ニワトリ健康体操をちょっと試してみたりしていると、卓上のスマホがぶるぶると振動した。
お! 陽太くんだ。
肩甲骨を伸ばすストレッチ姿勢のまま電話に出る。
「グンモーニンッ★」
「ごめん、起きてた? 朝まだ早いけど」
「ノープロブレンっ、もう朝食も終わったよ。いまニワトリ体操見てた」
「よかった。ていうかあの体操? つまり同じニュース観たんだよね? じつは……」
「何かあったの?」
「昨日、会ったんだ。根積さんと……」
陽太は一通りのことを話した。そして自分が感じている異変も。
「根積さんと会ってから、なぜかやたら頭の中に赤い光がチラつくんだ。大事なことを知っているのに、思い出そうとすると妨害するみたいに」
「赤い光……?」
熱心に相槌をうちながら、武道は愛用の手帳を取り出してパラパラとめくっていく。自分からも提供できる情報があった。
昨夕、ランニング途中に見かけた光景について帰宅後にメモを残しておいたのだ。これは武道の日課のようなものだ。生活しているうえで出くわした有象無象の『ちょっとした何か』を日記のように記録している。たいていは書いたきり忘れてしまっても困らない程度のものだが、あとからこうして役立つこともある。
「ここで俺からも話が。いい?」
「おう、頼むよぅ」
「気のせいならいいんだけど……昨日の夕方、中学校通りかかったらちょっとバタついてる感じでな」
ニワトリ体操はいよいよ佳境に入ったところだが、武道はすでに音量をミュートにしていた。
手帳をめくる手が昨日の情報から、もっと前の関連ページに飛んだ。
「あくまで点と点、バラバラの情報でしかないけどつないでみると……たぶん俺、その行方不明になってる子を知ってる人から話を聞いてるんだ」
「行方不明、って施設に入所している中学生の?」
「うん」
個人情報もあるため今道芽衣子の名は伏せ、話せる範囲で武道は陽太に知っていることを明かした。
「……もしかしたらその中学生、何かあるのかもな」
「だよねぃ。オレも武道君と同じ考えだ」
「その子に会おうとしたらいつも、何かしらアクシデントが起こって会えなかったんだって。俺が聞いた段階で六回、偶然にしては多いよな」
「多すぎだよぅ」
「まるでムリヤリ運命をねじ曲げたような……現実改変っていうか。そんなことができるものはたしかにあった。俺たちはそれを知ってる。香川博士がもっていた王珠だよ」
でも、と武道はうめくように言った。
「王珠は砕けてしまったはずだ。おかしなこと言ってるな俺……」
王珠
。
この言葉が鍵だったのだろうか、あっ、と小さく声をあげて陽太は目を見開いた。
泥に汚れた窓にワイパーをかけたように、とつぜん視界がクリアになった気がする。赤いチカチカがまた頭の中をかけめぐったが、これまでに比べればずっと弱々しい線香花火程度でそれもやがて途絶えた。
同時に陽太の脳内に、もうひとつの世界の記憶がよみがえったのである。
強引に削りとられた『元いた世界』の記憶だ。
-----------------------
「あいつを切り離した世界に住むんです」
ウフフと根積は笑った。
「実はね、助けになってくれる人、というか、モノがありましてね」
「根積さん、良かったらその、モノというか存在について教えてもらっていいですか」
「ええ、ええ、お見せしましょうとも!」
背広の内ポケットから、根積は握りこぶし大のボールを取り出した。ボールというよりは水晶球だろうか。きれいな球形で傷ひとつない。半透明でうっすらと赤かった。
「王珠(おうじゅ)の力……それは
平行世界の創造!
私がいるべき場所はここではないのです!」
陽太は声を上げていた。
「根積さん、いけない……その力は危険……!」
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二秒、沈黙してからおもむろに陽太は口をひらいた。
「……武道君、ありがとう」
「どうしたの改まって?」
「話してるうちに大事なことを思い出してきた。キミが王珠のことを言ってくれなかったら、思い出せなくてずっと苦しんでいたと思う」
「どういたしましてー。んで、どういうこと?」
「王珠だよ。あれはひとつじゃなかった、もうひとつあったんだ。しかも持っているのは根積さんだ! だけどきっと、根積さんは王珠が選んだ本当の所有者じゃない」
「なら本当の所有者は……?」
武道はそれ以上言わなかった。陽太も同じだ。口に出さずとも結論は出ている。
ほかの詳しいことは会って話したい、と陽太は言った。奇想天外な話である。武道なら信じてくれるという自信はあったが直接伝えたかった。それにもう、じっとしていられる気分ではなかったのだ。
武道も同じ気持ちだ。
「オッケー! なんにせよ根積さんが絡んでるなら普通の範囲を越えている。何もなければそれでよし、空振りでもいいから動いてみようぜぃ!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月25日
参加申し込みの期限
2021年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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