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もしかしたら紗月の弱気の一因は、現在理緒が暮らすこの部屋にあるのかもしれない。好条件でありながら、ちょっとありえないレベルで破格の家賃の好物件なのだ。紗月はここが事故物件、すなわち前の居住者が不幸に遭った部屋ではないかと不安がっているのである。
理緒は音もなくため息をついた。
「とうとう話さなきゃいけなくなったか……」
意を決すると顔もこわばってくる。
「じゃあ、聞いて」
「う、うん……」
紗月の言葉も温度を失っていく。
「……高校卒業が迫っていたあのとき、部屋がきまらなくて結構、あたし焦ってたんだよね。知っての通り」
「おおわらわだったもんね。おぼえてる」
「でもね部屋探しアプリで検索したら、ふっ、と突然にこの部屋が引っかかったんだ。メゾネットタイプで家賃が相場より格安、ううん、激安って言ったほうがいいかも……しかも空きはたった一件」
盲亀の浮木というものだ。迷っている時間はなかった。
「思わず、ポチっとしたよ」
ごくっと紗月がつばを呑みこむ音が聞こえるようだ。
「後日、不動産屋で契約したんだけど……」
いったん話を切って確認する。
「ねえ、どうしても聞きたい?」
「もちろん……だよ。……だて、ここからが核心じゃない」
気丈に返しながらも、常ながら白い紗月の肌はもう蝋燭のようだ。
うなずいて理緒はつづけた。
「ちょっとかわった不動産屋でね……。女性の担当者だったんだけど、なんか真っ赤な服着てたんだ。ブラウスも赤、スカートも赤、パンプスまで真っ赤、それもワインレッドというのじゃなくて、血みたいな赤、長い髪を日本人形みたいに切りそろえてた。事務所だって路地裏の奥まったところにあって、もやがかかったみたいに薄暗くて……切れかけた蛍光灯が消えたりしてた」
「ちょ……ちょっとその不動産屋さん、大丈夫なの……?」
「あたしも不安だったけどさ、背に腹はかえられなくて」
「例の部屋を予約したものです、ってあたしが名乗ったら事務所の女の人、最初に何をしたと思う?」
聞かないほうがいい、というかむしろ聞きたくない――紗月の心は拒否反応をしめしているのだが、その先をうながさずにはいられなかった。
「わかんない……何をしたの?」
「背後の戸棚を開けたの。仏壇になってた。お線香をあげて手をあわせて……そこから契約書を取り出した」
理緒は再現ゼスチャーまで披露する。
「恐すぎだよ……! オカルト不動産じゃない……!?」
「心して聞いてください、って不動産屋は言ったよ。やっぱりね、ここいわく付きの物件だったんだ。この部屋とかこのマンションとかじゃなく、土地そのものが」
「土地が……!」
紗月はすくみあがった。
「戦国時代には合戦場だったらしく、むごたらしい戦いの果てに多くの血が流れたんだって。江戸時代には寝子島藩の刑場だったというし……紗月、鋸引き(のこぎりびき)って知ってる? 読んで字のごとくの死刑方法なんだけど……ここで数多く行われたみたい」
もう紗月は貧血寸前の顔色だ。小刻みにふるえ、なかば以上目をうるませている。
「……やめようかこの話?」
「いいよ、つづけて。……ここまで聞いたらもう引きかえせないよ」
「大正時代には軍需工場ができたけど、米軍の空襲に遭って多くの犠牲者が出て……。マンション建設時に土壌を掘り起こしたら当時の白骨がごろごろ出てきたみたい。そんな経緯があるから」
と言って、理緒は大きく息を吸いこんだ。
「……この部屋には今も出るんだって」
「理緒ちゃん……まさか……嘘だよね……?」
「それぞれの時代で死んでいった人々の幽霊が……
ほら、紗月、
うしろっ!
」
「
きゃああああああああああああああああ!
」
反射的に頭を両手で覆い、紗月は理緒の胸に飛びこんだ!
成功。っていうか大成功かも。
ケラケラと笑って理緒は紗月の頭をぽんぽんとたたく。
「……なーんてね、嘘だから!」
「
冗談にしても悪質すぎるよ!
」
ひどい! と声を上げ紗月は、本気で目をつり上げ理緒につかみかかったのである。
「ごめん、本当にごめん! でも絶対途中でバレると思ってたんだけど」
「信じたよ! ていうかどこから作り話なの!」
「薄暗い事務所と仏壇のあたりから。っていうか古戦場で元刑場で爆破された軍需工場跡だなんて、話盛りすぎだと思わなかったの~?」
「鋸引きとかありありと想像しちゃったよ……!」
え? とここで紗月は我にかえった。
「じゃあ、赤い色づくめの不動産担当者ってのは?」
「あ、それは本当。うちらの親世代くらいかな、美人で愛想もよかったけど真っ赤っかでびっくりした。ベルトとネックレスだけ黒ね」
しかも『赤山不動産』という冗談みたいな名前だった。社長だという。
「紗月があんまりピュアものだからついついノリノリになっちゃった。あらためてごめんね」
「私、怪談とかホラー全然無理だからね……おどかさないでよ本当に」
失神しかけたよ、となおも紗月はご立腹である。
「じゃあ真相を話すよ」
単純な話だった。赤山が説明してくれている。
部屋は条件だけならキャットロード近くであり好物件なのだが、繁華街や歓楽街に近い場所は治安や騒音の問題から住むのは敬遠されがちなのである。
「なんかね、近所に『プロムナード』ってキャバクラもあったよ。前、夕方通りかかったら綺麗なお姉さんが入っていった」
だから大家さんも比較的家賃を安くしてくれる、というだけのことなのだ。
「大家さんにしてみれば多少家賃を下げても、安定した収入がほしいってだけの話みたい。土地は持ってるだけで税金たくさん取られるらしいし」
「まあ、納得した。ホッとしたよ……」
とにかく悪い冗談は駄目だからね……! と紗月は念押ししておくのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月25日
参加申し込みの期限
2021年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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