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バス停沿いの歩道。
側頭部にだけ髪の残った老人が、ステッキをふりあげて奇声を発している。
「しっ! しっ! しっ!」
猫を追っているようだ。小さな白猫だ。前脚が一本欠損している。栄養状態も悪いのか痩せ細っており上手く走れないらしい。下半身にも力が入らぬ様子で、ヨタヨタとステッキからのがれようとしている。
猫に比べれば老人は元気そのものである。ステッキでバシバシと地面を叩く。街路樹も叩く。猫にも狙いをつけているのだがぎりぎりのところで命中しない。だが子猫が逃げ惑う様子が愉快で仕方ないらしく、老人はぎゃははと大声で笑った。大きくあけた口の中には、あまり歯が残っていない。
猫は横溝に飛びこもうとしたが失敗し、またステッキに追われた。
「しっ! しっ! しっ!」
「こんにちは」
老人は振りかえった。ぶかぶかの、しかもシワだらけのスーツを着た中年の小男が立っていた。ひどい出っ歯で眼鏡をかけている。昔の漫画にでてくる恐妻家のサラリーマンを思わせた。
「あなた、なにをしているんですか?」
男が貧相なのを見て気が大きくなったらしく、老人は横柄に返事した。
「猫だよ! 猫追い! 嫌いなんだ俺、猫がな」
「あなたの好き嫌いは仕方ないと思います。それは尊重しますよ。でもね、か弱い猫ちゃんをいじめる理由にはなりませんよねえ?」
ねちっこい口調である。
うるせえ! と老人は怒鳴った。
「黙っとれ、俺の勝手だろうが! 年長者を敬え!」
ステッキを
根積 宏一郎
にむかってふりあげる。
「それともおめえがぶちのめされるか!? え!?」
「まさか」
と
マウス
は言った。すでに根積はその体を、第二人格に譲り渡していたのである。
小山のような体格、太い腕太い脚太い首、ネズミそのものの顔。
マウスは老人の手からステッキを奪った。アルミ製だ。いともたやすく片手だけでへし曲げ投げ捨てる。
「ひいいい!」
たちまち老人は逃走をはかった。けれど杖がないせいかギクシャクした動きだ。そのあとを、ゆっくりと怪物はついていく。
「あなた、ぶちのめされる覚悟は当然お持ちでしたよねえ。そうでなきゃあんなこと言えませんよねえ。その前にまずは追われる恐怖、ご自身でたっぷりと味わっていただきましょうかねえ」
だがここで、
「いけない……興奮してしまいました……」
マウスは我に返ったのである。老人を捨て置き、片側二車線道路を飛び越えて身を隠せる場所を探した。
歩きだしたマウスは、街頭に設置された監視カメラの真下に身をさらしてしまったのである。それと気づいたときはもう遅かった。
そしてこのとき、ちょうど管制室に入ったワージントンは、マウスの姿をモニター越しに目撃したのだ。
目撃したのだが――。
(世界は、不完全ながら枝分かれした)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
うるせえ! と老人は怒鳴った。
「黙っとれ、俺の勝手だろうが! 年長者を敬え!」
ステッキを
根積 宏一郎
にむかってふりあげる。
「それともおめえがぶちのめされるか!? え!?」
「おいあんた」
このとき、根積とは別の姿が老人の前にたちふさがった。
「みっともねぇと思わねぇのか、そういうの」
ちょうどバスから降りたばかりの男であった。彼は、猫いじめの老人よりずっと年上である。筋骨隆々ではないが身は引き締まり、肌はよく日焼けしている。なにより姿勢がよかった。
紘之助だ。老人にもう一歩迫り、鷹を思わせる鋭い眼光を放つ。
「途中から見てたが、見てらんねえから口をはさませてもらうぜ」
「な、なんだよ……」
老人は紘之助を見て急に弱腰になった。
「俺はじき九十になんだ。おめえなんぞ俺からすりゃ鼻タレよ。年長者を敬えって言葉は好きじゃねえけどな、そっくりそのまま返してやんよ」
ステッキの老人は、なにか二言三言モゴモゴと言って退散した。
まったく、と紘之助は鼻を鳴らした。
ずいぶん早く着いちまったから、訪問先(患者の家)まで散歩するかと思ったらこれだ。爽やかな気分が台無しだぜ。
ところであんた、と言って紘之助は中年男に顔を向けた。
「大丈夫か。怪我とかしてねぇか?」
根積は何も言わなかった。
……!
紘之助の四肢に血がみなぎる。髪が逆立つように思った。
なんだ、こいつ。
中年の男は変化していた。体格がひとまわり大きくなっている。それだけではない。顔にびっしりと、針のような毛が生えているではないか。
顔のかたちも変化していた。
齧歯類――ネズミを思わせる容貌へ。
こいつ、まともじゃねぇ!
紘之助は鉛を飲んだような気持ちになった。
しかしそれは刹那のことにすぎない。
「どうもありがとうございました」
と中年男は笑みを浮かべたのである。愛想笑い丸出しのスマイルだが、少なくとも不快ではなかった。
もちろん顔も、体格も最初に見かけたときに戻っている。
「はは、私、度胸もないのにあのおじいさんに口出ししてしまって。あなたがいてくれなければ今ごろ痛い目をみていたかもしれませんよ。ご覧のように腕力はからっきしなんで……助かりました。猫ちゃんも無事に逃げたみたいで、よかったよかった」
紘之助に口を挟ませずとうとうと語ると、深々と頭を下げ、口笛でも吹きそうな足取りで歩み去って行った。
俺としたことが――紘之助は首をさする。
動けなかった。畜生め。
気を取り直して紘之助は男の姿を追ったが、すでに周辺からは消え失せていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月25日
参加申し込みの期限
2021年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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