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リンの予想はまもなく的中した。
歩いて歩いて歩いて、誰もいない団地たちならぶなかに入る。
――うん?
ひじきは勝手知ったる様子で、団地のひとつに飛びこんだ。
ひんやりしたコンクリート造りだ。壁には亀裂が走っており、ツタのようなものもまとわりついている。かなり古い建物だと思う。エレベーターはない。石と石をこすりあわせたときのような匂いがする。
黒猫は階段をのぼっていく。
いいのかな……?
ちょっと不安だったが、こうなったら後には引けない。ところどころタイルの砕けた階段をリンは踏んだ。
ひじきは階段を駆けあがる。ひょいひょいと軽快だ。しかしリンのほうはそうもいかない。爪先をたて忍び足で階段をのぼった。いまのところ団地の内外に人の姿は見かけなかったが、あまり大きな音を立てると住人に気づかれ、呼び止められるかもしれないからだ。
五階まで昇りきったがひじきは足を止めなず、とうとう突き当たりの扉まで行き着いた。腐食防止のためか小豆色に塗られている。
近づくと、ツンと鉄の匂いがした。扉で屋上に続くドアだと思われた。
立ち入り禁止、って札が下がってるな。
リンはふりむいた。耳を澄ませても、生活音ひとつ聞こえない。
ひじきは扉を見て、次にリンを見た。
開けろと言っているのは明白だ。
「でも鍵がかかってると思……あっ」
ノブに手をかけ回してみると、油でもさしてあったのかきしむこともなく扉は開いた。
まぶしい。
外光に目を細めながらリンは踏みだした。
乗りかかった船だ。もうこうなったら、ひじきが何を伝えようとしているのかわかるまでつきあおう。
殺風景な場所だった。屋上と言っても柵で囲まれ、むきだしのコンクリートがあるだけだ。
扉を閉めて周囲を見わたす。
あ、宇宙人。
また給水塔が見つかったのだ。ミニサイズだ。屋上の一角を占めている。
なんだか今日は給水タンクに縁があるな――。
というリンの感慨はまたたくまに霧消した。
「晴月……? やっぱり晴月だ」
ひじきが見せたかったものは、屋上ではなく屋上からの光景だったにちがいない。最初飛行機かと思えたものは、はためくワンピースの裾にもかまわず、両腕をひろげ悠然と空を飛ぶ
晴月
の姿だったのだ。
屋上から見てもなお高い位置、大鷲のようにスムーズに滑空している。エメラルドグリーンの髪が風になびき、はたはたと揺れていた。
もちろん科学的にありえないことではあるが、飛空する晴月の姿にリンは驚かない。なぜならリンにとって、晴月が空を飛ぶのは周知の事実だったからだ。理屈はわからない。でも知っていたし受け入れていた。
けれどリンを驚かせたものもあった。
晴月は単独で空を飛んでいたわけではなかった。
連れがいるのだ。
黒い髪の女の子だ。晴月よりはずっと年下だと思う。五歳くらいか。桃色のワンピースに桃色のスニーカー。晴月としっかりと手をつないでいる。横を向いて何か晴月に話しかけているように見えた。
大きく息を吸い込んでみる。レモングラスの香りが、風に混じっているような気がした。
あの子は晴月の友達?
でも、普通の人間だよね?
なぜか直感的にリンは理解していた。妖精かそれ以外の何かか、ともかく人知を越えた存在らしき晴月と比べると、あの女の子はずっと自分に近い存在、つまり人間に見える。裸足の晴月とちがって、靴を履いているせいでそう感じたのかもしれないが。
呼びかけてみよう、そう決めてリンは手をふった。
「おーい!」
ジャンプして注意を惹こうとしてみる。
上空は風音がするのだろうか。晴月が気がついている様子はない。
走って追いかけることも考えたが、さすがに屋上から飛びだすわけにもいかない。
そうだ。高さ――。
リンは給水塔のハシゴに手をかけよじのぼった。中頃まで来て手をふり大きな声で呼びかけるとようやく認識されたらしい。エメラルドグリーンの姿がゆっくりと高度をおとしはじめる。リンもハシゴから降りて屋上の中央あたりに戻った。
「リン!」
着陸するや地に足を触れぬまま、晴月はリンに駆け寄りひしと抱きついた。レモングラスの香り、晴月はリンの想像よりずっと軽かった。
晴月の背丈はリンより高い。膝を曲げて彼を見上げるようにして一言、
「……キスして」
とささやいた。
「えっ!」
いくらなんでも唐突すぎる。ぎょっとしたがリンは声を落とし、できるだけ動揺を表にせぬように返す。
「そういうのどこで見たの?」
まちがいなく何かの影響だと思ったからだ。
「えーと、映画館? なんかこういうものなんだよね」
晴月は首をかしげた。
「おかしい?」
「うん、おかしい。そういう言葉は簡単に口に出しちゃいけないよ。また会えた友達に言うあいさつじゃないんだ」
「じゃあ、どういうときに言う?」
「それは……恋人同士が再会したときとか」
「わたしとリン、恋人ちがう?」
べっ甲色した鏡のような瞳で憶面もなくたずねてくる。
「……ええと、恋人たちっていうのは、もっと、その、好きあっている関係というか……」
すらすらと回答がでてくる話ではない。
「わたし、リンのこと好き。リンはそうじゃない?」
「好きは好きだけど、友達の好きと恋人同士の好きとはちょっとちがうと思うんだ。……うん、むしろ全然ちがうかも」
「同じ好きなのにちがう好き?」
やはり晴月は生まれたての赤ちゃんのように純粋で、何かが決定的に欠けている。
リンは言葉に窮して視線をそらせ、困ったように立ちつくしている少女に注意をむけた。晴月が連れていた女の子だ。前髪が長い、どんな目をしているのかは確認できなかった。でもきっと、目は伏せているのだと思う。
「……あ、そうだ。あの子は晴月の友達? 紹介してよ」
いいよ、と晴月はすうっと飛んで女の子の両肩に手を乗せた。
「この子はともか! 友達! 友達になったばっかり!」
慌ててともかは晴月の背後にまわる。そうして、ボリュームを最小に絞ったような声で言ったのだった。
「……い、
五十嵐 ともか
です。小学校一年生、です」
「ともか……ちゃん? 僕は羽奈瀬リン、よろしくね」
ともかはうなずいたようだが、身を小さくしてリンのワンピースに隠れてしまった。
恥ずかしがり屋さんなのかな。
緊張しているのだろう。それ以上は無理に聞かないでおこうとリンは決めた。
「ともかちゃんも空を飛べるの?」
なのでこの質問は晴月に向けたものだ。晴月は首をふった。
「ううん。でも、わたしと手をつないでる子、飛べる」
だったら――!
少し胸をわくわくさせてリンは晴月にたずねる。
「僕も晴月に手をつないでもらったら飛べたりする?」
晴月はまばたきし、リンを頭から爪先までざっと確認してから言った。
「だめ、リンくらい大きいと。わたし、ちからたりない」
「そうなんだ……」
リンは肩を落とした。よほどしょんぼりした表情だったのか、なぐさめるように晴月は言いたす。
「でもいつか、わたしがもっとちからついたら、できるようになると思う」
それまで待って、という晴月の言葉はきっと心からのものだ。
「嬉しいな。楽しみにしておくよ」
ひじきのことを思い出して姿を探す。
猫はいつのまにか、給水塔の日陰に入って丸くなっていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月25日
参加申し込みの期限
2021年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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