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母の日は、甘え日
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高校デビュー! 入学を機に過去の陰キャな自分を断ち切り、名実ともに陽キャへ華麗なる変身を遂げるのだ。
桜井 ラッセル
のそんな試みは確かに成功したのだろう。したと言える。過剰なまでのリップサービス、スキンシップに軽薄気味なキャラ作りで多くの知人ができたし、その上でラッセルの誠実な本心に触れた者は代えがたい友人となった。今も付き合いが続く者も多い、そのこと自体に後悔はない。
しかし同時に成功は、ラッセルには決して無視できない、小さくない失敗も内包していた。
「俺は……決めたんだ。今、この手の中にあるものを大事にしようって。大切な人を……」
有り体に言えば、無作為に好意を広めすぎたのだ。友情はあればあるだけ良いと思っていたが、やがて行き届かない歪みもまた生まれてしまう。相互認識は時に一方的となり、行き違いが生まれてしまう。ラッセルの持ち前のイケメンぶりもそれに拍車をかけていたことだろう。幾人かにカン違いをさせ、傷つけてしまったことは今でもラッセルにとって、痛い過去として胸に刻まれている。
「俺はもう、両手で抱えられるだけしかいらねえ。それ以上、は、求めないっ」
過剰なスキンシップは止し、女子へのリップサービスも控え目に。それでも自分の周りへ残ってくれた彼ら、彼女らこそが真の友人であったと分かった。
大切な人もできた。
それだけでいい。多くは必要なかったのだ。
「だからっ、俺は、もうっ……本気じゃねーやつには、スキンシップしねえっ。だから、来んなって!」
そんな決意をあざ笑うかのように、彼は今追われていた。それも一人や二人の騒ぎではない。おびただしい数の男女に追われていた。内訳は老若男女問わず各年齢において実にバリーション豊かであるが、そんなことはどうでも良い。
問題は追手らのラッセルに求めるものがまさに、彼が断って久しい、無償かつ無作為のスキンシップであったのだ。
「お願い、ちょっとでいいの、ちょっとだけほら。抱っこさせて?」
「イケメンの君、頼む! ナデナデ! ナデナデさせてくれ!」
「ねぇん、ほらぁ。お姉さんが甘やかして、あ・げ・る」
「だーっ、もう来んなってー! 何か妙な気分になってくるからー!」
ラッセル本人にも影響を与えつつあるこの現象、そう「甘え日」なのである。本日は。
甘えたい。甘えさせたい。二つの相反する衝動は、結局のところ同一の解法に帰結するのではないだろうか。
甘やかすならば寄り添わねばなるまい。抱きすくめ、頭を撫で、背中をさするのだ。そして同時に甘やかし対象となる彼または彼女も、自身を甘やかしてくれる相手を抱きすくめるのである。一石二鳥。渾然一体。リバーシブル。win-winなのである。
無論それを滞りなく成すには対象との相互理解が必要となる。難しい話ではなく要するに家族、あるいは恋人、あるいは友人などといった人物関係であれば、行為に当たって諸々の障害を容易くクリアできるわけだ。
主婦である
白石 妙子
ならば、そういった相手には事欠かない。はず、であったのだが……神魂のもたらす衝動渦巻く午後。彼女は一人、とある人気のない公園など流離っていた。
(あの人が帰ってくる日はまだ先だし。息子は遊びに行っちゃったのよね)
母性あふるる人妻たる妙子の内に、神魂はくすぶるような火を灯していた。誰かを甘やかしたい。誰かに甘えてみるのもいい。とにかく人肌恋しかった。まさに抗いがたい衝動だ。
(誰か……ううん、誰でもいいわけじゃないけど。知り合いとか、いないかしら……? あらっ)
見つけたのは、
海原 茂
だった。苦悶あるいは葛藤とも思える表情から、彼も妙子同様の衝動に耐えていることは容易に想像がついた。
彼ならどうだろう。実のところ知らない相手ではない。幾度か交流があったし、先日は彼の出演する
Mewtube配信
など目にして、顔を会わせる機会があれば感想の一つも伝えてあげようと思っていたところだ。
しかし知人とはいえ、他所様の大学生の息子を抱き締めるというのはいかがなものか。こちとら主婦である。人妻である。それはどうにも問題がありゃあしまいか。はた目にいかがわしい行為と取られやしまいか。と思考は冷静であれど、突き上げるように沸き上がるこの衝動にはやはり抗い難いものがある。
だが一見して、茂もまた状況は同じ。ならば、
(いける……かも? いいのよ、甘えても。こんなおばさんで良ければ、ほら。存分に甘えてちょうだい。さあ。さあ!)
と両手を広げたところで、唐突に茂の身体へ何かがぶちあたり、彼は公園の茂みの中へすっとんでいった。
「うおーっ、海原くぅん! 俺は今猛烈に、誰かを甘やかしたぁい!」
「な、お前は
笹川 帆太
……! ちょっと待て、お前どこを触って、あっ♪ い、いやこの際、あっ♪ 男でも構わん! 良いだろう、存分に俺を甘やかすといいさ……あっ、あっ♪」
「海原くぅん、甘やかすよぉ! 全力で甘やかし倒してあげるからねえー!」
「………………えーっと」
広げた腕をすっと下ろすと、断続的に揺れる茂みに背を向け、妙子はその場を後にした。
妙子の衝動は激しくなってゆくばかりだった。このままでは誰彼構わず押し倒し、膝枕してナデナデして、なんなら授乳してしまいかねない。それはどうにも避けたいものだ。
「ううっ。息子はまだ帰っていないだろうし、あの人も……かといって、見知らぬ誰かっていうのも困っちゃう」
誰かいないだろうか? 思い切り甘えさせてくれてかつ妙子が体面を保つことのできるような、ありがたい誰か。いや……何かは?
よろりと道端のベンチへ腰を下ろしたところで、
「あら……?」
はたはたと飛んできて、妙子の揃えた膝へ降り立った。黄色くてふわふわな、一羽のカナリアだった。首には金色にきらめく鍵を下げている。どこかの家から飛び出してきたペットだろうか。
くり、と小首を傾げて妙子を見上げる姿は愛らしい。愛らしいというひと言ではとても表せないほど、筆舌に尽くしがたい愛嬌を備えた小鳥であった。
自然と妙子は黄色いふわふわを両手でそっと包み込む。意識せずともそうしていた。あたたかな手のひらに覆われて、カナリアは気持ち良さそうに頬をすりすり。
ああそうか、と妙子は得心する。
甘やかすとは目に見えぬ愛情の具象化、その一手段であろう。あふれんばかりに満ちた妙子の愛を注ぐ対象は何も、人に限ったことではない。小さく儚げな小鳥へだって、いや儚げな存在であるからこそ、妙子の母性は疼いた。
「ふふ、甘えん坊な小鳥さんね。さあ、いらっしゃい」
黄色のもふもふをすくい上げ、胸元へそっと収める。小鳥は抵抗も飛び立つこともせず、妙子へすりすりと頬を寄せる。ぽっかりと胸に開いた穴が、たちまち埋められてゆくのを感じた。これだ。妙子の求めていたのは、これだったのだ。
カナリアは安心して妙子へ身を預け、ぬくもりを一心に浴びる。妙子は頭を撫でてやり、息子のおやつに買ったビスケットを砕いて食べさせ、めいっぱい頬ずりした。
小鳥とのふれあいはまるで夢のような時間で、あっという間に過ぎていった。名残惜しそうに何度も振り返り、そして金の鍵をちりりと鳴らしてカナリアが飛び立ってゆく頃、妙子の衝動はすっかり満たされていた。
「素敵なひと時をありがとう、小鳥さん」
この後、帰宅したところに息子から赤いカーネーションを贈られ、妙子は小鳥さん以上に彼を撫でくりまわして甘やかすのだが、親子水入らず。その様子は別の機会に譲ろう。
黄色のカナリアから人の姿へ戻ったラッセルの頬は、紅潮したまましばし戻らなかった。
「ううっ、やべー……なんつー破壊力だよ、あのお姉さんの甘やかしテクは。思わず安らいじまった」
抵抗できずつい身を委ねてしまった。あまりの心地良さに理性を失いかけたのも不覚であった。
「け、けどカナリアだったし! カナリアはノーカン! ノーカンだよな?」
お姉さんには感謝しつつも、どうせならああいうことは好きな相手にしたいものだと思う。大切な人へこそ、自らの無防備なところもさらしたい。飾らない、本当の自分を見てほしい。全てを預けたい。
かつては間違えてしまったが、今ならきっと素直になれるはずだから。
「……っし、帰るか!」
ラッセルは再び、金の鍵を握り締める。
小さくて黄色のカナリアが一羽、夕暮れ空を飛んでいった。
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3人まで
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定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月20日
参加申し込みの期限
2021年07月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月27日 11時00分
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