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母の日は、甘え日
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では、どうすべきであったと?
切っ先をやわらかくヴェールに覆い隠し、目を背けながら抱きしめれば良かっただろうか。根気よく寄り添い、姉のごとき役回りを演じれば良かっただろうか。
そうではない。そうではないと思う。
であればやはり、胸を占めるこの後悔に意味はない。悔いても何が取り戻せるわけでもないのだ。
そうと分かっていながらも、
愛猫 萌々子
の足取りは重く沈み込んだ。
「萌々子姉様。大丈夫?」
先を歩む
日下部 胡桃
はそうしてたびたび萌々子を振り返り、気づかってくれる。萌々子はそれを申し訳なく思うのだが、明るい従妹の振る舞いに裏表がないのは身に染みて知っている。
「ええ……ありがとう胡桃ちゃん」
「いいのよ。さあ、もう少しよ!」
萌々子の手を引き、元気いっぱいな胡桃の力強い先導にまかせ、霊園を進む。
樹々の緑を透かして陽光がきらめき、ぬるま湯のような日和も心地良い。石畳を踏んでいるうち、見慣れた墓碑が目に入った。
「さ、萌々子姉様。お母さまにご挨拶しましょ」
墓石のてっぺんには、帽子のように木の葉が一枚ちょこんと乗っていた。胡桃はくすりと笑みそれを摘まむ。
水桶から澄んだ水をかけ良く磨く。線香を焚き、墓前には母の好物に添えて花を供えた。折しも今日は母の日だ。赤いカーネーションを贈りたかったが、霊前に派手な真紅も似合わないと思い白いものを選んだ。とはいえ母は、どんな色でも喜んでくれるだろう。
胡桃に促され、萌々子は両手を合わせ目を伏せた。在りし日の母の姿が自然と脳裏へ浮かんでは消えてゆくが、付随する懐かしい思い出と辛い記憶は半々だ。
兄と、父の顔もまた浮かぶ。
しばし、浸った。
胡桃が拝むのを待ってから後片付けを済ませ、墓前を後にした。
やはり先を行く胡桃の足取りは軽いが、萌々子の胸の奥はいまだ重くわだかまったままだった。
その重みがふと、萌々子の足を止めさせた。
「……萌々子姉様?」
振り返る胡桃に、気がつけばしがみついていた。突然の衝動であり、抗うことはできなかった。
「姉様!? 具合でも……」
「兄様に……怒ってしまったんです。この前電話で、それから……私は」
こぼれ落ちる言葉は独白のようでもあり、懺悔のようでもあった。
「言ってしまったんです。いつまでお父様から、逃げるんですかって……」
母の思い出がより深く、後悔の念を刺激したらしい。
兄、公英が家を出たのは、母の死について父の選択を許しがたかったがためだ。家庭を顧みなかった父のあおりで、母がいかに負担を強いられていたか。
しかしやがて、萌々子は知った。容易に許すことはできないが、それでも父にとて、理由や葛藤があったことを。分かり合えたとは言えず全ての確執が解かれるには至らなくとも、父を知ることはできた。
では、家を出た兄は?
「強い口調で……私、どうしてあんなふうに言ってしまったんでしょう。そんなつもりじゃなかったのに、お兄様に、私は……」
神魂の影響はあったのだ。その日降った雨が萌々子にそうさせた、しかしきっかけは無論のこと、萌々子がかねてより抱いていた想いであったろう。
そうして兄に父との対峙を求めたが、もしかしたらあまりに独りよがりであったかもしれない。兄を必要以上に追い詰めてしまったかもしれない。罪悪感ははちきれんばかりに膨らんだ。
「私……私あれ以来、お兄様に連絡を取るのが怖くて、それで……」
「大丈夫」
少し重たい、分厚い毛布に包まれたような感触を覚えた。
萌々子を包み込んだのは、胡桃の全身だった。
「大丈夫よ、お姉様。大丈夫。きっと分かってくれているから。少し迷っているだけ、きっといつかは歩き出せるはず。お姉様のおかげで。ね」
従妹の胸に顔を埋めたまま、萌々子は泣いた。大声を上げ、人目はばからずに。胡桃のぬくもりが、それを許してくれた。
「ごめんなさい、今だけ……今だけは、こうして……ぎゅっと」
「大丈夫。ね、お姉様。大丈夫だから。思い切り泣いていいのよ」
空は青く、ゆるやかな風に髪を撫でられた瞬間、萌々子は遠く、母の笑うあの声を聞いたような気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
お色気
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月20日
参加申し込みの期限
2021年07月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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