【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？｜リアクション

【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？

〇英語前夜

　仙藤蒼にとって、高校に入って初めての中間テスト。
　すでに２日が終わっている。
（いままでのテストの出来は、手ごたえは悪くないと思うけど。でも中学の時と比べるとやはり難しくなったかな）
　中学のときはほとんどの教科が８０点以上だった蒼だが、高校となるとやはり油断できない。
　このところ、大好きなゲームも我慢してテスト勉強を頑張っていた。
　
　明日は英語と音楽と美術のテスト。
　シーサイドタウンの自宅の自室で蒼は英語の教科書を広げた。
（実は英語は得意なんだよね）
　たまにMewTubeでゲーム実況のライブをすることがあるのだけれど、結構海外から見てくれてる人もいる。
　そのやりとりや字幕を付けるのに必要だったので、英語は必要に迫られて勉強した。
　姉もちょっと呆れつつ応援してくれた。
　そんなわけで英検２級くらいの実力はあると思う。

（とはいえ得意だからと言って手を抜いたりしたらガタンと成績下がっちゃうし）
　そうなると追試や補習とか受けなきゃいけなくなるし、その間ゲームができなくなる。
（今こうしてゲームを我慢するのも結構しんどいんだよー）
なんて思ってるうちに.
（テストも半分終わったし、ちょっとくらいいいよね……？）
　なんてゲームへの誘惑が頭をもたげてきた。
　ちらっとゲーム機を見る。
　机を離れてゲーム機に手を触れようとして……
「あー、ダメダメダメー！」
　我に返った蒼は盛大にかぶりを振った。
「あと二日間の辛抱だよね」
　強い意志を持って机に向かい、蒼は英作文の勉強を始めた。
（英語の勉強はゲーム実況のためにもなるんだから。がんばれ私）

　翌日、英語のテスト。
　蒼は問題用紙を前に会心の笑みを浮かべていた。
（昨日勉強したところだ）
　足元から聞こえる子猫の声も、集中力のある蒼の敵ではない。

　誘惑に勝ったおかげか、英語は満足のいく出来だった。