【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？｜リアクション

【中間テスト】猫パニック！　お手紙も書いてね！？

〇４日目　家庭科のテスト

　巫部紫苑は、最終日の家庭科の試験に臨んでいた。
（今日でテストも最後ですか……この猫さん達ずっといましたね。まあ、休み時間にモフモフしながら眠れてよかったですけど♪）
　そういえば、テスト中いつも不思議な事になってる様な？　と思いつつ、寝子高の３年ともなると、もうそんなことでは驚かない。
　周囲の猫たちに目をやってふと思う。
（今日はやけに猫さんが集まってくるような……朝ご飯がお魚だったからでしょうか？）
　食べることが大好きな紫苑は、今朝もご飯３杯に焼き魚３種（サンマ、鯖、鮭）とアジフライに味噌汁とサラダ一山をペロリと平らげてきた。
（どれも美味しかったので気持ちはわかります……それにしても、歯は磨いたのですが髪や体に匂いがついてたりするのでしょうか）　
　そんなことを思っていると、猫がじゃれついてきた。
（くすぐったいですよぉ、そんな所ペロペロしないで下さい♪）
　じゃれつく猫を撫でて可愛がりつつ、テストにはしっかりと回答する。

（料理の手順の問題ですか……食べ物の問題解いてるとお腹空いてきます……）
「ニャー」
　心の声に返事をするように猫が鳴いた。
（猫さんもですか？　ふふ、テストが終わったら一緒にお弁当食べましょうね♪）
　微笑む紫苑。
　実は焼き魚が具の大きいおにぎりを幾つも持ってきていて、休み時間の度に幾つか食べている。
（それでもテストが終わるたびにお腹が空くんですよね。頭を使っているからでしょうか？）
　とりあえず、食べ物のことは一旦頭から追い出して、集中することにする。
（さて、それじゃテスト頑張りましょうか……ご飯を美味しく食べる為に♪）
　テストは概ねいい感じに出来たようだ。

「猫さん、さあどうぞ」
　休み時間に猫と一緒におにぎりを食べる。
　おにぎりの量に驚いていた生徒たちも、もう反応しない。慣れたようだ。
　大きなおにぎりだが、紫苑は食べた後眠くなったりはしない。
　あくまで腹八分目だから。

　いよいよ最後の試験、小論文の時間だ。
（小論文？　小籠包なら作れるんですけどね……えっとこれからの寝子高……）
　紫苑はじっくり考える。
（家庭科の試験を受けたばかりだし、食育の話から切り込んでいくのはどうでしょうか）
　とりあえず書き出すと、そこから学食の話題になり。
　どういうわけか、最終的に美味しい小籠包のお店や作り方という、食べ物尽くしの内容になってしまった。
（まあ私にとっては大切なことですし。先生がこれを参考に美味しい小籠包を味わってくれるといいのですが）

　キーンコーンカーンコーン。
　チャイムがテストの終了を告げ、教室内はあっと言う間ににぎやかになった。
　紫苑は満足そうに学食に向かった。
（テストも終わりましたし、学食でたくさん食べてから帰りましょう、とりあえずメニュー全部ですね♪）
　メニューを見ながら、紫苑はつぶやいた。
「あら、小籠包ではなく回鍋肉でしたか」