this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
夏への伝言
<< もどる
1
2
3
4
5
…
7
つぎへ >>
猫が駆けて行く路地とかき氷屋のある路地を過ぎて、ちょっとだけ大きい道に出たところに『堀田肉店』はある。
『コロッケ』や『特製メンチ』や、特徴的な文字で記された紙がぺたぺたと貼られた持ち帰り専用の小窓の向こう、業務用の大きなフライヤーで揚げ物仕事をしている肉屋の二代目の姿を見つけ、いいなは小走りに道を渡った。
「お、いいなちゃん!」
「おお、堀田のおいちゃん」
「食ってくかい」
「ええと……」
試食品らしいコロッケをトングに挟んで見せて大らかな笑顔を見せる大柄な二代目に、いいなは思わず後退る。
「本日はころっけも特製めんちも勘弁なのじゃ……」
「どうしたどうした」
いつもなら飛びついて来る腹ぺこ魔人の不審な様子に、堀田のおいちゃんは目を丸くする。腹が痛いのか機嫌が悪いのかと心配してくれるおいちゃんに、いいなは茶色の髪を揺らして首を横に振った。
「最近叔母上の満月ちゃんが少々ポンコツでの」
「何、満月さんが?」
「食事が挽肉やら刻み野菜やらのおんぱれえどなのじゃ」
ああ、と頷くおいちゃんも、考え事をしているとひたすら包丁を動かしてしまう満月の癖を知っているようだった。
じゃからの、といいなはポケットから財布を引っ張り出す。ついでに出てきてしまった飴玉数個をおいちゃんにお裾分けしつつ、ニカリと笑う。
「本日は鶏胸塩唐揚げ大盛り三人前で頼むのじゃ」
「お、毎度」
「久しぶりに、歯応えのある物が食べたいのじゃよ」
了解、と一度店奥に引っ込んだおいちゃんは、ボウルに山盛りの味付け肉を持って再度フライヤーの前に立った。粉をつけられては手際よく油に放り込まれる鶏肉を窓の外から眺め、いいなは唐揚げのいい匂いに目を輝かせる。
「この飴、……コナミのおばあちゃんかい?」
「うむ、儂と叔父貴で手分けして、叔母上が過去に太一さんと起こした事件のことを追っておるのじゃ」
背伸びして窓から覗き込んで来ながら難しい顔をするいいなに、いいなを小さい頃から知るおいちゃんはふむふむと頷いた。
「小さな探偵さんってわけか」
「小さいは余計じゃ」
ムッとむくれるいいなに、おいちゃんはお詫びの品にと揚げたての唐揚げを一個、紙袋に入れて献上する。
熱々の唐揚げを手に思わず顔を綻ばせてから、いいなは少し目を伏せた。
「おそらく中学の頃、本当は書道部なのに剣道部の助っ人に出て」
「ああ、そんなこともあったなあ」
「その流れで何処かの道場で段位試験まで受けさせられた頃に何か有ったのではないかと考えておるのじゃが……」
「満月さん、格好良かったから女の子にすごくモテてたっけ」
食堂のおばあちゃんも似たようなことを言っていた。
がぶりと齧れば味の染みた肉の旨味がじゅわっと溢れ出す美味しい唐揚げを頬張り、いいなは肉屋の二代目を見遣る。
「おいちゃんは何か覚えては居らんか?」
「……おいちゃんたちで剣豪って呼んでたこととか」
「は?」
目を丸くしたついでに唐揚げを喉に詰まらせ、いいなは噎せた。大丈夫かいと慌てるおいちゃんに大丈夫じゃと片手を上げ、いいなは深呼吸をする。そうしてから持ち帰り窓口に貼り付く。
「待て待て、有段だったのは書道の方じゃ!」
知ってる、と頷いたおいちゃんが言うには、段位試験の後、その道場に満月目当ての他流試合の申し込みがあったらしかった。
「面白がった道場主が満月さんと相手の双方焚きつけてな。そりゃもう大騒ぎになったもんさ。噂聞きつけてな、おいちゃんやら太一ちゃんやらで連れ立って見物に行ったなあ」
「いやあのそれただの道場破りじゃて……」
「満月さん、そりゃもう強かった! 掛かって来る相手を片っ端から叩き伏せてな!」
「嗚呼あああ」
叔母の最強武勇伝に思わずその場で頭を抱えてうずくまるいいなとは反対に、その時のことを思い出したおいちゃんは剣豪に憧れる少年のように目を輝かせる。
「その腕っ節の強さに惚れた野郎共が満月さん満月さんって懐いた挙句追っかけみたいになっちまってた」
いいなはちらりと首を傾げる。それは『モテた』ということではないのだろうか、と思うも、
「昔の太一ちゃんみたく細っこいのばっかりだったなあ」
おいちゃんの言葉に一転、納得する。満月はいわゆる『もやし系』の輩は眼中に無い。戦う筋肉を鎧の如く纏いながら、笑顔の爽やかな男前がタイプなことをいいなは知っている。
「追っかけの連中のことを教えてもらえんかの」
「花屋の三代目と煙草屋の末息子だな。あと太一とおいちゃん」
いいなは『煙草屋の末息子』に覚えがあった。
いつだったか望月に、これを見ろ凄いだろ凄いんだぞとインターネットのサイトを見せられたことがある。細部まで作りこまれたリアルな模型を作成してはインターネットにアップロードし、高評価を受けているその人物(モデラーというのだと望月が熱く語っていた)が、確か煙草屋の『キンゾー』。
「そうだ、煙草屋のキンゾーと言えば」
「彼がどうかしたかの?」
高校の頃だったか、とおいちゃんは記憶を辿る。
「あいつ、満月さんに心底心酔しててな。満月さんも優しくしてくれるからますます満月さん満月さんって」
「ああまあ、叔母上なら無下にはせんわな、構ってやってるじゃろうて」
うむうむと頷くいいなにおいちゃんが語って聞かせたのは、満月と太一たちが高校生だった頃の話。
一通り聞きだして、いいなはぎゅっと拳を握る。
「ああ、それは怒って然るべき内容じゃ。それを守るため叔母上が太一さん達の為に立ち上がったと」
満月が烈火の如く怒る様子が目に浮かんで、いいなは唇を引き結ぶ。
「そして太一さんを励ます為声をかけたと──」
探し求めた過去を捉えたと確信したそのとき、
「それは違う」
背後から穏やかな声が掛けられた。
「声を掛けたのは太一の方だ」
「……って泉殿?!」
振り返った先に見た
泉 竜次
の姿に、いいなは目を瞠る。
「なんでこんな所にいらっしゃるんですか?」
「面白いものを探しているんだ」
夏休みの少年じみて笑う、叔母も世話になったらしい高校教諭を前に、いいなは決意を固めてコートのポケットからスマートフォンを取り出した。
(……なれば!)
<< もどる
1
2
3
4
5
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
夏への伝言
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月05日
参加申し込みの期限
2021年07月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!