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夏への伝言
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硝子のショーケースに親子丼やうどん、オムライスに唐揚げ定食の食品サンプルが飾られた昔ながらの食堂は、昼下がりのこの時間にお客はいないようだった。
初夏の始まりを思わせる風にはたはたとなびく藍に白抜きの『コナミ大衆食堂』の暖簾の脇、長椅子にちょこんと腰掛ける小柄なおばあちゃんの姿を見つけ、望月は大きく手を振る。
「ばっちゃん、久しぶり!」
駆け足で近づいて来る近所の青年に、コナミのおばあちゃんは三角巾で覆った白髪頭をもたげた。皺だらけの両手で包んでいた湯呑を傍らの丸盆に置き、顔中を皺にして笑う。
「望月ちゃん、いいなちゃん」
元気にしとったかい、とふたりを手招きして長椅子に並んで座らせ、エプロンのポケットから両手いっぱいに飴玉や個包のお煎餅を出す。ふたりで仲良く分けるんだよ、とまるきり小さいこどもに言い聞かせる口調で微笑みかけられ、望月といいなは顔を見合わせちょっぴり気まずく笑いあった。
並べた膝にひとつずつお菓子を分け合う望月といいなをにこにこと眺めつつ、おばあちゃんはそういえばと話し出す。
「望月ちゃんちのお父さんとお母さんにも、昔こうやってお菓子をあげたねえ」
そのときもそんな風に仲良くお菓子を分け合っていた、と目を細めたかと思えば、そうそう、と頷く。
「若い頃にもよく手を繋いで歩いていたけど、年を取ってもそんなふうにして歩いていたっけねえ。ふたりでよくハナさんちにも行ってたわね。そうそう、ハナさんと言えば今日は店の外で露天営業してたわねぇ」
お茶を飲み飲み、年を取っても熱々夫婦だった望月の父母の話に始まり思いつくままに語り始めるおばあちゃんに、いいなは思い出す。コナミおばあちゃんの話は長いんだった!
「まあ、イザ兄と遊べないから、ねーちゃんと一緒に鬼ごっこしたりキャッチボールしてたもんなぁ」
目的の話にどう誘導するか迷い、困った顔で飴玉を口に放り込むいいなをよそに、望月は明るい顔でおばあちゃんの話に乗っかる。
「十六夜ちゃんはねぇ、昔からおっとりしてたからねぇ……望月ちゃんと年も離れてたしねぇ」
満月と望月の兄であり、いいなの実父である十六夜は、もうこの世にはいない。大学講師だった彼は、数年前に地質調査に向かった山で滑落事故に遭い、死亡している。
しんみりした顔をするおばあちゃんの背を掌で擦り、望月はカラリと笑う。
「姉貴の運動全般そこそこ良くなったのって俺が原因か?」
「……あれがそこそこかの……」
折に触れて大暴れする満月の顔を思い浮かべて唸るいいなに気付かないふりをして、望月は醤油煎餅を齧る。
「ねーちゃん、同じ中学の女子からモテまくりだったなぁ」
「そうだねぇ、チョコレート貰ってたりしてたねぇ」
「本人は『王子様じゃねぇし』ってグチってた」
「あらまぁ」
くすくすと口元を抑えたかと思えば、おばあちゃんは望月の膝に追加の飴玉を載せる。
「わ、飴ちゃんだ」
目を輝かせて飴玉を手に取る望月に、おばあちゃんの話は更に飛ぶ。
「十六夜ちゃんの結婚は早かったねえ」
「確かにイザ兄が結婚したの大学ん時だったな」
いわゆるデキ婚て奴?、と望月は首を捻る。
──可愛いけどなんかムカつく
幼心にもどこかおっとりふんわりとした雰囲気だった兄が、困惑したような顔で零しているのを見た覚えがある。
──嫁さんがあんまいいな構わないの不思議だったなぁ
そんな風に満月に漏らしていたのも聞いた覚えがある。
もしかしたら、だからこそ兄はいいなを連れてよく寝子島に帰って来ていたのかもしれない。
満月が十六夜に教えられながらいいなのオムツ替えやミルクやりをしていた風景をふと思い出し、十六夜が亡くなってからいいなが母親とその継父から受けた処遇を思い出し、望月は知らず奥歯を噛みしめる。
「満月ちゃんが荒れ始めたのは十六夜ちゃんが結婚した頃からかねぇ……」
「……もしかしてねーちゃん、男子にモテなかったから荒れてた?」
ひとつの真実に行き当たった顔をする望月を呆れた顔で見遣り、いいなはザラメ煎餅をがりがり口にする。
「十六夜ちゃんが結婚しても満月ちゃんが大暴れしても、望月ちゃんちのお父さんとお母さんは仲良しだったわねぇ」
そういえば、と続くおばあちゃんの話は、冒頭とほとんど同じもの。
(思いっきり話がるうぷしとるの……)
望月は楽しそうに耳を傾けている。元々の人懐っこさに加え、介護職に就くための勉強を大学でしていることもあって、おばあちゃんの相手はお手のものなのかもしれない。
とはいえ、ふたりしてここにいては埒が明かない。
「それじゃ、儂は他のところ聞き込みに行くのじゃー」
貰ったお菓子を羽織ったコートのポケットに仕舞って立ち上がるいいなに、望月はひらりと手を振る。
「おーういーな、他ぁ当たっててくれ」
俺はしばらく話聞いてるわ、と軽やかに笑いつつ、おばあちゃんからまた貰ったお菓子の半分をいいなに手渡す。
「肉屋で合流な!」
「了解じゃ」
頷いて立ち去るいいなにもう一度手を振ってから、望月はおばあちゃんに向き直る。
「そんでばっちゃん、俺様下宿できる所を探してんだけど……」
「あらまぁ、そうかい。うちの二階やら角の煙草屋やら、望月ちゃんならきっとどこでも歓迎してもらえるんじゃないかねぇ」
聞き込みのついでにちゃっかり自分の用事も満たしながら、望月は引き続きおばあちゃんの話に耳を傾ける。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月05日
参加申し込みの期限
2021年07月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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