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6月の雨の中
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ヴィジュアル系ロックバンド『lie』のリーダーであり、
カラオケボックス『シャンテ』
でバイトしながら大学に通う
唐沢 一也
は、その日も講義終了後にバイト先に向かっていた。
「雨か、糞だりぃな」
舌打ちすれば、覚えのある少女の声で呼び止められた。
同じバイト先で働く、一つ年下の
神無月 ひふみ
だ。
「一也もこれから?」
「お、神無月もか? 行き先同じだし、一緒に行くか」
是非もなく頷く後輩と並んで、歩き出す。
ポケットに手を突っ込んで歩いていた一也は、ふと思い出して手をポケットから出した。
「そういや、前聞かせたバンドの一押しアルバム、持ってきたぜ」
「?」
唐突に感じた、互いの手の感触に、頭の上に浮かぶ疑問符。
「あれ……やだ、手……」
「どうなってんだ」
手は張り付いたように、繋がれていた。
(ヘンに思われないかな? でも慌てて離すのも失礼だし……)
当惑しつつ周囲を見渡せば、何の事はない。
周りも皆、降り出した雨の中、傍に居る人と手を繋いでいるではないか。
「あー……、神魂とかってやつの仕業か? かったりぃな……悪ィな、神無月」
ばつが悪そうな一也に、ひふみはぶんぶんと首を振った。
「ううん、全然イヤじゃないし」
「そうか? ならいいけどよ」
ひふみは一也の横顔を息を詰めて見つめていたが、改めてその手に視線を移す。
一也の手、綺麗……。
大きくて男っぽくて、でも指はしなやかで細くて、音楽やってる人の手って感じ。
胸がドキドキうるさい。
顔が火照って熱くなる。
熱でもあるのかな?
「そうだ、一也。私もCD持って来たんだ、聞く?」
「マジで? どんな?」
ひふみは彼女の好きなバンドの、お薦めのCDを一也に誇らしげに見せた。
発売されたばかりのものだ。
ジャケットを見た一也が、軽く口笛を吹いた。
「いいじゃん」
そこからは、音楽の話で盛り上がる。
音楽の趣味が似ている事もあり、ひとしきり繋いだ手の事も忘れて、会話を楽しんだ。
だが、静寂が訪れた。
「……ねえ、一也」
「ん? 何だ?」
いつになく緊張した面持ちの ひふみに、一也は首を捻る。繋いだままの、ひふみの手に力が入る。
「ずっと黙ってたけど、私、
ヤクザ
の娘なの」
軽く目を見開く一也。
とうとう、言ってしまった……!
さっき以上に、鼓動は早鐘のように耳に響く。
一也の反応が気になるけれど、目を合わせられない。
それでも一度、勇気を出して口にしてしまえば、言葉は抵抗を無くして迸る。
真っ直ぐ前を向いたまま、ひふみは続ける。
「親父は旧市街の、ヤクザの組長。引いた? でも一也には、ホントのこと言っときたくて。嫌われてもしょうがないけど……」
ぎこちなく笑う、ひふみ。
その瞳が、泣きそうに揺れた時。
「へぇ……、驚いた……」
待った一也の答えは、実にシンプルなものだった。
「神無月は極道の娘だからって、悪い事はしてねぇんだろ? ならそれでいいじゃねぇか。神無月は神無月なんだし、引きはしねーよ」
何でもない事のように、一也は笑い飛ばす。
「悪い事ってったら、俺だって昔、散々やらかしたしな」
そして少しだけ、皮肉気に唇を歪めた。
「さて、そっちの聞いたんだからよ、こっちの話も聞けよ」
「う、うん。何?」
「何じゃねぇだろ、こないだの
吊り橋の幽霊
の時、なんであんな所にいたんだよ?」
「ああ、あれね……だって、幽霊とは言え小さい子供じゃない。あんな子が、お母さんを守ろうと必死になってるのに、見過ごすわけにはいかないでしょう?」
至極当然のように、ひふみは言う。
「お前な、夜の山で危ない上に、バケモンも暴れてたっつーのに……。怪我がなかったから良かったが、何かあったらどうすんだよ?」
「一也……それって、私の心配してくれるの?」
「後輩が怪我したら、普通に心配するに決まってんだろ」
ふうん、と ひふみは、ちょっと釈然としない顔で頷いたが、すぐに気を取り直す。
「一也はなんで、あの吊り橋にいたの?」
「俺か? 大した理由なんてねーよ。気にすんな」
「でも、凄く怖い顔してたけど……」
「……俺が、怒ってたってぇのか?」
意外そうに嘯いて見せた一也だったが、追及する ひふみの視線に、居心地が悪くなり とうとう折れた。
「……聞いても面白い話じゃねーぞ。知り合いでな、虐待沙汰に巻き込まれたガキ……中坊がいてな。女なのに殴られたり
締めあげられたり
……見るに耐えなくってな。そいつのことを思い出しちまった。それだけだ」
「そうだったのね、女の子に暴力振るうなんて、許せないそのクソ親父! とっちめてやりたい」
ひふみが憤慨しながら思い出すのは、組長である父親の事。
父は確かに乱暴者ではあるが、娘のひふみには手をあげることはない。
むしろ窮地に陥れば、身を挺して娘を庇うような男だった。
ちょっと女癖が悪くて、ちょっと目を離すと短時間で携帯の着信履歴が23件とかになってて、ウザイけど。
(私は、親父に愛されてるんだな……)
ひふみの表情に陰が差したのを見、一也はフォローする。
「ああ、今は大丈夫だ。そいつはクソジジイの家から出て行ったよ」
行き先が、自分の下である事は、今はまだ秘密だけれど。
ともあれ吊り橋幽霊の話を聞いた際、父親の暴力の果てに死亡したその少年と、保護した少女の姿がオーバーラップして、一也の心に火がついたのは、まぎれもない事実だった。
「その子が今、幸せならそれでいいけど」
「んー……幸せかは、アイツしかわかんねーが。前よりは、きっとな」
心許なさそうに、けれどもいつか少女が過去の傷を癒して、前に進める日を信じて一也は笑った。
「それより、さっきも言ったけど神無月は無茶は大概にしろよな。あんまあぶねー事に、首突っ込むなよ……」
「……私の事心配? でもそれはお互い様よ。一也こそ、無茶しないで」
傘を肩に掛けて、はい、と ひふみは小指を一也の目の前に突き出す。
「指きりげんまん、約束」
「はぁ? 何だソレ」
子供っぽいと言いながらも、一也も一応は応じてくれて。
一也はバイトのミスをフォローしてくれる、私にとっては気になる存在。
パッと見、無愛想だけどホントは優しい奴。
この手を離したくない。
ずっと雨が上がらなければいいのに。
ひょっとして……恋、なのかな?
「指・切った……ホラ気が済んだろ? 行くぞ」
おざなりな指きりげんまん。一也は、さっさと歩き出す。
(ガラじゃないかもしれないけど……)
離れた小指に、赤い糸があるなら。
繋がっているといいな。
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月28日
参加申し込みの期限
2013年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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