【未来石争奪戦！】

「あれが……、未来石！？」
　七色の光を放つ物体を見上げ、ホワイトスノウが飛び出した！
「でも、あれって、石というより……？」
「ただの人形なのよー！！」
　ようやく登場、魔女っ子のぶちゃんこと真辺 伸幸！
「私もいるぞー！！」
　ろっこんで動く相棒のクマのぬいぐるみマリアンヌの動きを全く無視したアテレコを披露する鈴木 修一郎も駆け付けた！
　実はこの２人、戦いが始まるとのぶちゃんのろっこん『帰宅ロジック』で逃げ出してばかりだったのだ！
「ふ、あれは石というより『意思』といえよう！　この世界の主、大魔王の意思、それが未来石！　すなわち！」
　マリアンヌは不貞寝した。
「あの！　美少女フィギュアなのだー！　フハーハッハッハッハ！」
「アテレコ、全然意味がないのよー！？」
　のぶちゃんはもうこの際スルーすることを決めた。
「あの石、いえ人形はあたしの計画……大魔王様を従えて超魔王になるために必要なのよ！」
　アビスが真っ先に人形へ飛び付く！
　それを真っ先に阻止するのはホワイトスノウ！
　彼女のろっこん『テレポーテーション』で未来石を一番乗りでキャッチした！
「それは私のよ、寄越しなさいな？」
「だ、駄目だよ！　あれ、何この感じ？」
　ホワイトスノウの額から、ある方角へ向けてビームが発射された！
　まるで何かを示すようにその光は絶えず一区画を指し示している。
「わかった！　大魔王は北西の洞窟にいるんだよ！」
　寝子原人がいると噂の謎多き洞窟、大魔王はこの世界ではアジトとして利用していたのだ！
「ところで、貴女？　いつまでその格好でいるつもりかしら？」
「ほぇ？」
　ホワイトスノウは指摘されて初めて、自分が全裸だということに気が付いた！
「きゃあ！！　私、ろっこん使うとと全裸になっちゃうんだった！」
　慌てたホワイトスノウは未来石をあさっての方向へ放り投げてしまった！
「渚砂！　分かってるな！」
「深雪！　分かってるぞ！」
　キリュキュアはニュクスをスノウがジャイアントスイングの要領で投げ飛ばすと、空中で見事に未来石を掴んだ！
「やったぞ、みゆ――」
　喜び油断したその時、ニュクスの背中を鞭の強烈な一撃が襲う！
「いったぁ！？　鞭ってすっごい痛い！」
　そして未来石を鞭で絡め取られてしまった！

「ダークネス・シンフォニー！　闇の旋律よ、我に集え！」

　ブラックメロディが戦闘態勢に入った！
「これが未来石……！　これで私は最強の魔法少女に！　魔王様もお喜びになるだろう！」
　美少女フィギュアが黒く輝くと、黒メッシュのアダルティーなブラジャーに変身！
　そのまま透過光処理状態で生着替えが完了すると、光の魔法少女を一瞬で滅ぼす魔装具『乙盃毘威矛武羅邪（オッパイビームブラジャー）』に変化した！
「さぁ！　これで終わりよ！」
　胸元の２つの頂点へ紅色の魔力が凝結していき、そこからまっすぐに強烈なビームが２本放たれた！
「深雪！　危ない！」
　ニュクスがスノウを庇いシールドを展開するが、ビームはやすやすとシールドを貫通！
　そのまま２人はビームに貫かれて爆破、炎上！
「深雪……ごめんな……」
「いいさ……、渚砂は、よくやってくれた……」
　互いを庇い合うかのように身体を重ねた２人は、砂のように身体が崩れていき消滅していった。

　霧生 渚砂：脱落！
　霧生 深雪：脱落！

「あー、どんなごっついもんかと思っとったら、あんな恥ずかしい魔装具やったんかー」
　ぱーぷー♪
　トウフーンが遠い目で笛を２回吹いた。
「ええもん、うちかて変身すれば胸が大きくなるんやで！」
　トウフーンは豆乳の紙パックを握り締めて叫んだ！

「チャージイソフラボン！」

　豆乳の紙パックから豆乳が噴き出し、体の周りをくるくる周っていく！
　周ってる途中で白い豆乳が黒く変色して、それが体に吸収されるように黒い服や装備を形成！
　肌は褐色に染まり、変身前（Ｂカップ）より倍プッシュのＦカップに成長！！

※大豆に豊富に含まれる大豆イソフラボンには豊胸効果があるとされています。

　黒基調の和ゴス（肩出しで胸の谷間が強調！）でミニスカート、背中に大魔王とお揃いの堕天使の翼が生えたトウフーンは、豆腐ラッパを握り締める。
「さて、うちも仕事せな。あーあー、光の魔法少女のみなさーん？（ぷー）諸事情でここに派遣されたトウフーンやでー（ぱーぷー）。とりあえず、１つ聞いてええかー？（ぱー♪）」
　ラッパ吹きながらの間の抜けた名乗りに、光陣営も戸惑いを隠せない。
　トウフーンはにたり、と笑うとラッパに口を付けた。
「あんたら豆腐は好きか？（ぷー！）」

　必殺技【weekend trumpeter】（週末のラッパ吹き）発動！（※終末ではない）

　いきなり空から大量の豆腐が降り注いできた！
「また無差別範囲攻撃か！」
　クーは瓦礫の下に逃れて身動きが取れない！
　堕天使が豆腐ラッパを７回吹くと、空から恐怖の豆腐の雨が降ってくる。
　これぞ、週末豆腐大売り出し(ラグナロクセール)を告げる笛の音である！
　しかも彼女のろっこん『とうふの角に頭ぶつけて死なす』の効果により、推定即死効果付与の凶悪広範囲無差別魔法だ！
「きゃー！　りぃはやられないのですよー！！」
　必死にステッキで豆腐を薙ぎ払うりぃ。
　しかし、健闘虚しく豆腐のスコールに飲まれてしまう！
「うきゅ～……、どうして服までズタボロになるのですかぁ～！？」
　倒れる際、何故かバックリ開いた服の胸元を恥ずかしそうに隠しながら気絶＆消滅していくりぃであった。

　葛城 璃人→脱落！

「魔導騎士の中なら平気だよ！」
　ピンキーモエはトウフーン目掛けて竹刀からビームを発射！
　しかし、それは乙盃毘威矛武羅邪を付けたブラックメロディのビームで相殺されてしまう！
「そこのデカブツ、邪魔よ！」
　トップオブホマレから赤い２本のチクビームがバルツァーンを貫通！
　そのまま大破、爆沈！
「に、逃げなきゃ！」
　恐れをなしたモエは逃亡を図るが、メロディの鞭捌きによって何だか芸術的に縛り上げられてしまった！
「いやー！！　触手属性はないんだからー！」
「何を訳の分からないこと……、とりあえず、豆腐へポイッと」
「ふぎゅっ！」
　豆腐と衝突したモエは、白和え状態のままでこの世界から消滅していった。

　鬼河内 萌→脱落！

「能美子ちゃん！　赤紫の人！　目を覚まして！」
　豆腐を奇跡的に避けつつ、２人の魔法少女の猛攻も凌ぐ幸運を発揮するストライクチェリー。
　そこへレディー・アメリカが助太刀に入る。
「行くわよ、マジカルフリスビー！」
　円盾を勢いよく投げ付け、操られている２人を蹴散らす！
「ありがとう、ブリちゃん！　でもあまり過剰に傷つけちゃ駄目だよ！」
「分かってるわ！　でも気絶させないと正気に戻らないようね……。加減が難しいわ」
　彼女たちは苦しい戦いを強いられていた……。

『このままじゃ光側が全滅しちゃう！』
　小山内は黒水晶を展開し、豆腐から光の魔法少女達を守っていた。
「……みんな、私がトウフーンを止めるわ」
　ピュア★マウンテン、ここで特攻を決意する！
「このままじゃフツウが守れないよ！　全滅するくらいなら、私１人の犠牲で止めてみせる！」
「私も行くわ」
　これにジャナも同行する覚悟を完了！
「貴女の言うとり、誰かが犠牲になるしかないのよね……。道中の豆腐は私の体術で砕くわ。はぁっ！！」
　ジャナはそう言うと、魔力を体内に圧縮しだす。
　そして目をカッと開くと、身体の筋肉・骨格が一気に倍以上に膨れ上がった！
　その姿に誰もが目を疑う。
　かたなが思わず指を差した。
「お前は、尾鎌 蛇那伊！」
「あら、バレちゃった♪」
　魔砲少女ジャナこと尾鎌 蛇那伊はかたなにウィンク。
「ハーレムの一員も悪くはなかったわ……」
　そう言い残すと、ピュア★マウンテンと共にトウフーンのもとへ駆け寄る――！