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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
●○おいでませ！ 猫カフェBlack&White○●
●
休憩時間に、優梨乃とレティシアはちょっと困り顔で猫スペースに足を運ぶ。
「バニラとグミは人懐っこいんだけどね」
優梨乃は一匹の猫を見つめ、苦笑する。
見つめる先にはロシアンブルーのサラがいる。
サラは猫カフェのスタッフにも猫スタッフにも、そして当然の事ながらお客様にも決して懐かなかった。
昼間だというのに瞳孔が大きく開き、不安が滲んでいる。
もともと、ロシアンブルー自体が人見知りの強い性質なのだ。
こんなにも知らない人が大勢いる場所では、萎縮してしまっても無理はない。
「でもとても綺麗な猫ちゃんです……」
レティシアは、キャットタワーの天辺から決して降りてこないサラを見上げる。
青みがかったグレーの毛並みは艶やかで、凛とした気配はいっそ神々しくすらある。
「実家から連れてきちゃったんだけどね。こんなに人見知りが強いなら、明日からは無理につれてこないほうがいいかもね」
「見て楽しむことが出来る猫ちゃんですけど、ストレスになってしまったら大変ですものね」
ご飯も食べていない気がして、レティシアはそっとサラに近付く。
怯えさせないように、下から手を差し伸べて、口元にドライフードを持っていく。
「手、気をつけてね？ 引っかきはしないと思うんだけどね」
優梨乃がちょっとだけ心配気にレティシアを見る。
そしてサラもレティシアをじっと見つめる。
何分間、そうして見つめ合っていた事だろう？
「あっ」
「わぁっ」
サラが、レティシアの手から餌を食べたのだ。
まん丸に開きっぱなしだった瞳孔も、いつの間にか普通に細まっていた。
するするとキャットタワーから降りてきて、レティシアの足に擦り寄るサラ。
「猫ちゃんに懐かれてお仕事できるなんて、感動です……！」
「お見事だわ。これで安心してこれからもサラを連れてこれるわね。猫は一匹でも多いほうが助かるみたいだしね」
「そうですよね。バニラちゃんとグミちゃんは、とても懐っこいですよね。特にバニラちゃんはペルシャ猫をちょっと細くしたような、でも白くてふわっとしてますよね」
「バニラはね、ターキッシュアンゴラっていう種類なの」
「ターキッ、シュ……珍しそうですね」
「そうね、日本だとちょっと珍しいのかな。でも私にとって最愛の子よ」
いつの間にか優梨乃の足元に戻ってきていたバニラを、抱き上げて抱きしめる。
「この子がどんな種類でも、私にとっては世界で一番可愛いわ。あなたは好きな猫はいる？」
「ペルシャ猫が一番大好きです。ふわふわで、愛らしくて……でも猫ちゃんなら、みんな好きです」
「じゃあ、猫カフェバイトは天職になるかもね。……っと、時間だわ」
優梨乃が時計にはっと気づく。
楽しい時間というものは一瞬で過ぎ去るもので、さっき休憩時間に入ったばかりだと思うのに、もう終わり。
「サラちゃん、また後で遊びましょうね」
レティシアも名残惜しそうにサラに手を振って、仕事に戻ってゆく。
○
「あ、響也！ こんなトコで会うなんて、運命？」
るるかは見知った顔に驚いた。
注文の品を届けに来たら、響也がいたのだ。
「へぇ、似合うな」
るるかの驚きとは裏腹に、響也はるるかの制服姿に率直な感想を述べる。
店名通り黒と白に統一してある制服は、もともと整った顔立ちのるるかをより一層引き立てた。
「そ、そんなじろじろ見ないでよ。恥ずかしいの」
「そうか？」
「そうだよ！ それに猫カフェなんて、意外。響也がくるイメージ無かったから」
意外なギャップを知れたな、とか。
るるかは真っ赤になりながら、作りたてのサラダを差し出す。
「ほんとに猫だらけなんだな」
猫型の器に盛られたサラダと、猫が描かれたオムライスに響也は破顔する。
（うわっ、笑顔良すぎるのっ）
響也の笑顔を見たるるかは、もう心臓がとまりそうなぐらい。
むしろ心臓が全力疾走してるのかもしれない。
「あああ、あとっ、ラテアートも、だもんっ」
るるかは感情のまま全力で厨房に戻り、震える手でラテアートを実行する。
立樹に教わった通りに、さっきまでやっていたように。
綺麗にきれいに、可愛くハートに。
出来上がったそれを、響也の前に……。
「あっ」
「うん？」
「ハートが……」
手が震えすぎていた。
何とかかけたはずのハートは、るるかの鼓動にあわせて振るえ、ギザギザハートに。
縁起でもなかった。
「ビブラートが利いていて、お洒落だな」
「！」
けれど響也は、気にもしていないようだった。
一口飲んで、「うん、いい香りだ」などといっている。
ホッとしたような残念なような。
「ごゆっくり、なの」
そんななんともいえない気持ちになりながら、るるかは精一杯の笑顔で言い切った。
休憩時間に、優梨乃とレティシアはちょっと困り顔で猫スペースに足を運ぶ。
「バニラとグミは人懐っこいんだけどね」
優梨乃は一匹の猫を見つめ、苦笑する。
見つめる先にはロシアンブルーのサラがいる。
サラは猫カフェのスタッフにも猫スタッフにも、そして当然の事ながらお客様にも決して懐かなかった。
昼間だというのに瞳孔が大きく開き、不安が滲んでいる。
もともと、ロシアンブルー自体が人見知りの強い性質なのだ。
こんなにも知らない人が大勢いる場所では、萎縮してしまっても無理はない。
「でもとても綺麗な猫ちゃんです……」
レティシアは、キャットタワーの天辺から決して降りてこないサラを見上げる。
青みがかったグレーの毛並みは艶やかで、凛とした気配はいっそ神々しくすらある。
「実家から連れてきちゃったんだけどね。こんなに人見知りが強いなら、明日からは無理につれてこないほうがいいかもね」
「見て楽しむことが出来る猫ちゃんですけど、ストレスになってしまったら大変ですものね」
ご飯も食べていない気がして、レティシアはそっとサラに近付く。
怯えさせないように、下から手を差し伸べて、口元にドライフードを持っていく。
「手、気をつけてね？ 引っかきはしないと思うんだけどね」
優梨乃がちょっとだけ心配気にレティシアを見る。
そしてサラもレティシアをじっと見つめる。
何分間、そうして見つめ合っていた事だろう？
「あっ」
「わぁっ」
サラが、レティシアの手から餌を食べたのだ。
まん丸に開きっぱなしだった瞳孔も、いつの間にか普通に細まっていた。
するするとキャットタワーから降りてきて、レティシアの足に擦り寄るサラ。
「猫ちゃんに懐かれてお仕事できるなんて、感動です……！」
「お見事だわ。これで安心してこれからもサラを連れてこれるわね。猫は一匹でも多いほうが助かるみたいだしね」
「そうですよね。バニラちゃんとグミちゃんは、とても懐っこいですよね。特にバニラちゃんはペルシャ猫をちょっと細くしたような、でも白くてふわっとしてますよね」
「バニラはね、ターキッシュアンゴラっていう種類なの」
「ターキッ、シュ……珍しそうですね」
「そうね、日本だとちょっと珍しいのかな。でも私にとって最愛の子よ」
いつの間にか優梨乃の足元に戻ってきていたバニラを、抱き上げて抱きしめる。
「この子がどんな種類でも、私にとっては世界で一番可愛いわ。あなたは好きな猫はいる？」
「ペルシャ猫が一番大好きです。ふわふわで、愛らしくて……でも猫ちゃんなら、みんな好きです」
「じゃあ、猫カフェバイトは天職になるかもね。……っと、時間だわ」
優梨乃が時計にはっと気づく。
楽しい時間というものは一瞬で過ぎ去るもので、さっき休憩時間に入ったばかりだと思うのに、もう終わり。
「サラちゃん、また後で遊びましょうね」
レティシアも名残惜しそうにサラに手を振って、仕事に戻ってゆく。
○
「あ、響也！ こんなトコで会うなんて、運命？」
るるかは見知った顔に驚いた。
注文の品を届けに来たら、響也がいたのだ。
「へぇ、似合うな」
るるかの驚きとは裏腹に、響也はるるかの制服姿に率直な感想を述べる。
店名通り黒と白に統一してある制服は、もともと整った顔立ちのるるかをより一層引き立てた。
「そ、そんなじろじろ見ないでよ。恥ずかしいの」
「そうか？」
「そうだよ！ それに猫カフェなんて、意外。響也がくるイメージ無かったから」
意外なギャップを知れたな、とか。
るるかは真っ赤になりながら、作りたてのサラダを差し出す。
「ほんとに猫だらけなんだな」
猫型の器に盛られたサラダと、猫が描かれたオムライスに響也は破顔する。
（うわっ、笑顔良すぎるのっ）
響也の笑顔を見たるるかは、もう心臓がとまりそうなぐらい。
むしろ心臓が全力疾走してるのかもしれない。
「あああ、あとっ、ラテアートも、だもんっ」
るるかは感情のまま全力で厨房に戻り、震える手でラテアートを実行する。
立樹に教わった通りに、さっきまでやっていたように。
綺麗にきれいに、可愛くハートに。
出来上がったそれを、響也の前に……。
「あっ」
「うん？」
「ハートが……」
手が震えすぎていた。
何とかかけたはずのハートは、るるかの鼓動にあわせて振るえ、ギザギザハートに。
縁起でもなかった。
「ビブラートが利いていて、お洒落だな」
「！」
けれど響也は、気にもしていないようだった。
一口飲んで、「うん、いい香りだ」などといっている。
ホッとしたような残念なような。
「ごゆっくり、なの」
そんななんともいえない気持ちになりながら、るるかは精一杯の笑顔で言い切った。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年10月06日
- 参加申し込みの期限
-
- 2013年10月13日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年10月13日 11時00分
