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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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《灰色猫テオの事件簿》誰がおにぎりを殺したか
●――誰かこの謎を解いてくれ！
うららかな春の昼下がり。
芝生の緑も鮮やかな寝子島高校の中庭に十人の若き探偵たちが集結した。
いずれも俺、テオドロス・バルツァの魂の叫びに応えてこの場に駆けつけてくれた者たちだ。
一人目の探偵は恵御納 夏夜。
眼鏡をかけ、おでこを露わにした彼女は、知的で落ち着いた雰囲気を漂わせている。
「テオ君の声が聞こえたと思ったら殺おにぎり事件、ね……」
「なんか大変そうな事になってんな」
二人目の探偵、ぼさぼさ髪の水守 流はいつもながらの眠たそうな目で俺を見ている。
「テオさんも大変ですね……」
三人目の探偵、長い黒髪をゆったりと三つ編みにした御巫 時子は、優しい声で俺に同情してくれる。
どうやら彼女は五十嵐 尚輝を探していたようだ。
「尚輝先生はここにおられたんですね。会えて嬉しいです。私は尚輝先生は関りがないと信じてます」
四人目の探偵、桜 月は、日傘をくるくる回してしゃがみ込むと、呆れたように俺の鼻を指で押した。
「濡れ衣、っていうけどさ、そもそも君サンマ盗み食いしようとしてたんでしょ？」
「なあ～ん……（面目ない。猫の習性ってやつに逆らえなくてだな……）」
「まあ現状未遂だし、殺おにぎりの犯人ではないようだから協力はするけど。この事件終わったらご飯ご馳走するから盗み食いしちゃ駄目だよ？」
「な、なああん……（善処する）」
五人目の探偵、佐藤 英二は野々 ののことは仲が良いようで、一緒に顎に手を当てて唸っている。
「うーん、真相を知りたいな。それと何とかしてテオの濡れ衣を晴らしてあげたいし」
そうだね、と頷くのは六人目の探偵、サキリ・デイジーカッターだ。
「テオの名誉の為に僕も及ばずながら力になろう。真相を究明するべく動くよ」
銀の髪をしたサキリは、物腰穏やかに見えるが、瞳の奥には鋭い光が宿っていて頼りになりそうだ。
ハンディカメラを手にした七人目の探偵、青木 学が俺の頭をゴシゴシ擦るように撫でる。
「かわいそうなテオにゃん！ 俺の名推理・名調査で助けてやるからな！」
白衣姿の八人目の探偵、神野 美野梨は、九人目の探偵、ブリジット・アーチャーと一緒に噴水の傍に立って観察を始めているようだ。
「一見、おにぎりが転がって落ちただけに見えるけど……先入観に囚われちゃいけないわね」
「まぁ、私にかかれば、即解決よ」
ブリジットのほうは髪と同じ金髪の付け髭をつけ、名探偵というより迷探偵と呼ぶ方がぴったりな出で立ちになってしまっている。寝子島高校ミステリ研究会の創始者らしいといえばそうともいえるが、推理は滅多に当たらないというから、若干不安にならないでもない。
十人目の探偵、ルイセ・ミュレーズはここまで紹介した寝子高生探偵と比べると異彩を放っていた。
黄金色した髪は肩のあたりで切りそろえられ、宝玉のような青緑色の瞳と細身の身体も相俟って、まるでファンタジー小説に出てくる森のエルフのような佇まい。彼女は星幽塔に住むほしびとなのだが、ここ寝子島では長い耳などの特徴は人に近い姿に変じている。しかし、頭脳にまで寝子島の常識が一瞬でインストールされるわけではない。
「オニギリ……鬼ってオウガのことですっけ？」
少女は水に浮かぶおにぎりを見つめて、大真面目に呟き続ける。
「ギリ……斬り？ まさか……オウガキラー！？ つまり……この、オニギリと言う名のライスボールは、オウガキラーだと？」
やべぇ。
このルイセとかいう女が何を言ってるのかさっぱり分からねえ……！！
「まさか、オウガキラーを倒せる強者が……この周囲に潜伏してるという訳ですか」
「……いや、待て、待って」
夏夜がツッコんでいるが、ルイセは聞いちゃいない。
「オウガとオウガキラー。それなりにハイレベルなクエストそうですね。解決したら報酬出るかも！？」
「待っ……何をどうしたらそうなるんだー！？」
夏夜とまったく同じセリフを、俺も言いたい！
報酬は出せても、おにぎり程度だ！
ハンディカメラを回し続ける学が、面白がってけらけら笑う。
「これはスクープの気配を感じるね。テオにかけられた濡れ衣のあらましから犯人逮捕の決定的瞬間まで一部始終をカメラに収めてやろうじゃん！」
そうそう、と学はレンズから目を離して探偵たちに告げた。
「おれのカメラ映像は必要があればいつでも提供するからね」
ありがとうございます、と時子が頷く。
「私もテオさんの疑いを晴らせるように協力します」
「僕も」と夏夜が俺を抱き上げた。
「食べ物の恨みは恐ろしいとも聞くし……濡れ衣は可哀相だから調査してみようか」
「ま、頼られたからには真犯人見つけれるように推理をさせてもらうぜ」
白い歯を見せて流が自分の胸を叩いてみせる。
他の探偵たちも一様に頷いたり微笑んだり。
「にゃっ！（くっ……てめぇらに頼るのは癪だが……頼んだぜ）」
うららかな春の昼下がり。
芝生の緑も鮮やかな寝子島高校の中庭に十人の若き探偵たちが集結した。
いずれも俺、テオドロス・バルツァの魂の叫びに応えてこの場に駆けつけてくれた者たちだ。
一人目の探偵は恵御納 夏夜。
眼鏡をかけ、おでこを露わにした彼女は、知的で落ち着いた雰囲気を漂わせている。
「テオ君の声が聞こえたと思ったら殺おにぎり事件、ね……」
「なんか大変そうな事になってんな」
二人目の探偵、ぼさぼさ髪の水守 流はいつもながらの眠たそうな目で俺を見ている。
「テオさんも大変ですね……」
三人目の探偵、長い黒髪をゆったりと三つ編みにした御巫 時子は、優しい声で俺に同情してくれる。
どうやら彼女は五十嵐 尚輝を探していたようだ。
「尚輝先生はここにおられたんですね。会えて嬉しいです。私は尚輝先生は関りがないと信じてます」
四人目の探偵、桜 月は、日傘をくるくる回してしゃがみ込むと、呆れたように俺の鼻を指で押した。
「濡れ衣、っていうけどさ、そもそも君サンマ盗み食いしようとしてたんでしょ？」
「なあ～ん……（面目ない。猫の習性ってやつに逆らえなくてだな……）」
「まあ現状未遂だし、殺おにぎりの犯人ではないようだから協力はするけど。この事件終わったらご飯ご馳走するから盗み食いしちゃ駄目だよ？」
「な、なああん……（善処する）」
五人目の探偵、佐藤 英二は野々 ののことは仲が良いようで、一緒に顎に手を当てて唸っている。
「うーん、真相を知りたいな。それと何とかしてテオの濡れ衣を晴らしてあげたいし」
そうだね、と頷くのは六人目の探偵、サキリ・デイジーカッターだ。
「テオの名誉の為に僕も及ばずながら力になろう。真相を究明するべく動くよ」
銀の髪をしたサキリは、物腰穏やかに見えるが、瞳の奥には鋭い光が宿っていて頼りになりそうだ。
ハンディカメラを手にした七人目の探偵、青木 学が俺の頭をゴシゴシ擦るように撫でる。
「かわいそうなテオにゃん！ 俺の名推理・名調査で助けてやるからな！」
白衣姿の八人目の探偵、神野 美野梨は、九人目の探偵、ブリジット・アーチャーと一緒に噴水の傍に立って観察を始めているようだ。
「一見、おにぎりが転がって落ちただけに見えるけど……先入観に囚われちゃいけないわね」
「まぁ、私にかかれば、即解決よ」
ブリジットのほうは髪と同じ金髪の付け髭をつけ、名探偵というより迷探偵と呼ぶ方がぴったりな出で立ちになってしまっている。寝子島高校ミステリ研究会の創始者らしいといえばそうともいえるが、推理は滅多に当たらないというから、若干不安にならないでもない。
十人目の探偵、ルイセ・ミュレーズはここまで紹介した寝子高生探偵と比べると異彩を放っていた。
黄金色した髪は肩のあたりで切りそろえられ、宝玉のような青緑色の瞳と細身の身体も相俟って、まるでファンタジー小説に出てくる森のエルフのような佇まい。彼女は星幽塔に住むほしびとなのだが、ここ寝子島では長い耳などの特徴は人に近い姿に変じている。しかし、頭脳にまで寝子島の常識が一瞬でインストールされるわけではない。
「オニギリ……鬼ってオウガのことですっけ？」
少女は水に浮かぶおにぎりを見つめて、大真面目に呟き続ける。
「ギリ……斬り？ まさか……オウガキラー！？ つまり……この、オニギリと言う名のライスボールは、オウガキラーだと？」
やべぇ。
このルイセとかいう女が何を言ってるのかさっぱり分からねえ……！！
「まさか、オウガキラーを倒せる強者が……この周囲に潜伏してるという訳ですか」
「……いや、待て、待って」
夏夜がツッコんでいるが、ルイセは聞いちゃいない。
「オウガとオウガキラー。それなりにハイレベルなクエストそうですね。解決したら報酬出るかも！？」
「待っ……何をどうしたらそうなるんだー！？」
夏夜とまったく同じセリフを、俺も言いたい！
報酬は出せても、おにぎり程度だ！
ハンディカメラを回し続ける学が、面白がってけらけら笑う。
「これはスクープの気配を感じるね。テオにかけられた濡れ衣のあらましから犯人逮捕の決定的瞬間まで一部始終をカメラに収めてやろうじゃん！」
そうそう、と学はレンズから目を離して探偵たちに告げた。
「おれのカメラ映像は必要があればいつでも提供するからね」
ありがとうございます、と時子が頷く。
「私もテオさんの疑いを晴らせるように協力します」
「僕も」と夏夜が俺を抱き上げた。
「食べ物の恨みは恐ろしいとも聞くし……濡れ衣は可哀相だから調査してみようか」
「ま、頼られたからには真犯人見つけれるように推理をさせてもらうぜ」
白い歯を見せて流が自分の胸を叩いてみせる。
他の探偵たちも一様に頷いたり微笑んだり。
「にゃっ！（くっ……てめぇらに頼るのは癪だが……頼んだぜ）」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2021年04月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2021年04月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2021年04月08日 11時00分
